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おもかげ復元師

2013年10月17日 | 日記
先日、購入した「おもかげ復元師」。

「復元納棺師」の笹原留似子さんが書かれた本です。
大泣きしながら、読み終えました。

岩手県北上市にて、ご自身も東日本大震災の被害にあわれながらも、津波に襲われた沿岸地域に入られ、大きな損傷を受けたご遺体を生前の姿に戻す「復元ボランティア」に献身された方。

亡くなられた方に接することがお仕事の「納棺師」。
笹原さんはさらに、故人がどんな状態であったとしても、あらゆる技術を駆使し生前と同じ表情、できるだけ微笑みをたたえたお顔にすることにこだわっていらっしゃいます。

なぜ、そのことにこだわるのか?ということが、死の現場、見送る現場を通して描かれています。

人が亡くなる…つまり、心臓が止まると始まる腐敗現象。
死後変化の様子…そして、それぞれに必要な処置。

また、安らかな死ばかりでない現実。
交通事故、転落死、溺死、自死…死後経過に伴い刻々と変わっていく亡骸。
変わり果てた姿、強烈なにおい。それらを一人の人間として感じ、心が揺れ続けても、眼に…鼻に…口の中にわいているウジを薬を使って取り除き、自らの手を使いそのぬくもりで亡くなられた方の肌にふれ、生前の微笑みに戻して差し上げる。

たとえ、ご遺体の白骨化が一部進んでいたとしても、白衣とマスクで復元に挑む。

壮絶な現場だと思います。想像を絶します。

でも笹原さんは本の中で「ミッションの壁の高さは、不可能を可能にする。本当にそう思います」
とおっしゃっています。

そして、東日本大震災で亡くなられた方々…津波や火災で大きな損傷を受けたご遺体…大人だけではなく、幼い小さな姿にも向き合った日々のこと。

体重は10キロ以上減り、見えないところでご自身も涙をたくさん流され、肉体も精神もギリギリで、まさに命を削るような復元の日々。つらくて悲しくて、声が出なくなる。言葉が話せなくなる。めまいに襲われ、ベッドから起き上がることも出来なくなった時期もあったそうです。

それでも、いのちを復元する為に現場に足をはこぶ。

何がそれまでに、笹原さんを突き動かしているのかが、この本に書かれています。