『高気密高断熱で自然素材の家が好きな一級建築士のブログ』

茨城県取手市 シンク設計事務所 辰野峻也のブログです
これから家づくりをされる方の役に立つ情報をお届けします

セルロースファイバーの気密測定、タイミングは?

2020年02月26日 22時49分04秒 | 気密測定
今日は『木で包まれた土間のある家』の気密測定を行いました。
こちらの住まいは断熱材にデコスのセルロースファイバーを使用します。
数ある断熱材の中からセルロースファイバーの性能、メリットに興味を持たれ、採用となりました。
サッシは弊社標準仕様のYKKapの樹脂サッシAPW330樹脂スペーサー仕様、一部土間部分などに複合サッシを使用しています。


こちらの住まいは気密重視で計画を進めてきたのではなく、窓の多い明るい住まいです。
掃き出し窓を含めた引違いが8つ、タテすべり・ヨコすべり・FIX窓が8つ、
上げ下げ窓が6つ、それから片引き窓というレールのついた窓が2つ、
勝手口ドアが2つと、玄関は引戸YKKのコンコードD2です。
計27カ所の開口部を設け、積極的に光を取り入れた明るい家、風が通り抜ける家を目指しています。
デザインを気にされ気に入った窓をたくさん採用しましたが、比較的隙間ある窓をたくさん採用しましたので気密測定はどうなるのか心配ではありました。




気密測定をするタイミグですが、今回は断熱材セルロースファイバーの吹込み施工前に行いました。
理由は、この写真の時点で気密工事は完了しているからです。
セルロースファイバーの場合は硬質ウレタンとは違い、断熱材が気密してくれるということはありません。ですのでこのタイミングで気密測定を行わなければ万が一大きな隙間があった場合の対応が難しくなってしまいます。
隙間チェックの意味で、このタイミングがベストであると思います。
今回も気密測定をお願いした業者さんは有限会社コンフォートの室さんです。

↑測定中です
↑屋根のシートも測定中は負圧によりパンパンです!

やはり、測定時はタテすべりヨコすべりFIX窓以外の窓は少しですが、手を当てると感じるくらいにすき間風が入ってきます。
大工さんも設計の私たちも屋根、壁、床の隙間処理は完璧に廻ってきています。
測定結果は………。


相当隙間面積51㎠、
C値は0.29㎠/㎡ということで目標値はクリアです。
こちらの条件でもC値0.3以下ということで安心しました。

まとめとして、やはり今回、測定して感じたことは、
気密測定は家の仕様でけっこう変わるということ。
なぜなら、今回は基礎も基礎断熱ではなくお客様の希望により床断熱を採用しています。
基礎断熱とした場合のほうが気密はとりやすいと感じますし、家の面積のところでも有利になってくるところです。
それから窓に関しては多い少ない、大きい小さいでかなり変わってきます。
気密重視で家づくりを行うのであれば、タテすべり、ヨコすべり、FIX窓の採用、大きい窓は1、2カ所とする等でかなりC値は良くなってくると感じます。
結論、私たちはお客様にこれらのメリットやデメリットをお伝えして納得のもと採用いただき、その条件によって、気密処理はしっかりとやる。
気密重視で窓を制限するよりも、自然素材のある木の家、気持ちの良い空間をつくる。
このほうが健康的で住み心地としても大切なところと思っています^^

引き続き、シンク設計事務所はUA値0.46、C値0.3を目標に、本物の高気密高断熱の家づくりを目指して家づくりを行っていきます。





約5年間住んだ我が家のC値と気密の経年劣化はあるのか

2020年02月12日 20時37分13秒 | 気密測定
本日、2015年5月に引越ししました私の自邸、事務所兼住まいの気密測定を行いました。
引越しして4年9か月後の気密測定となります。
約5年間、実際に住んでいるということで、どの程度の気密劣化があるものなのか気になるところです。
総2階で窓の少ない四角い建物に近いほど、気密測定は有利とのことですが、うちの窓は少なくありませんし総2階でもありません。
又、我が家は引違い窓が全部で12カ所もあり条件としては良くないような気がしていました。というのも、引違い窓は上部とレールのところに隙間があり、気密測定に立ち会うとわかるのですが、測定中はこの引違窓に手をかざすと隙間風が入ってくるのが本当にわかります。今は冬ですので測定中は実際に冷たい風が入り続けていました。
↑掃き出し窓の上端
↑掃き出し窓の下端

↑ヨコすべり窓

一方で、タテすべり、ヨコすべり、FIX窓はほとんどすき間風を感じません。
本当に気密重視の家を建てたい方は、引違い窓はさけて選ぶほうが◎。
とはいえ、我が家はリビングの大きな窓に幅2600mm高さ2200mmの大開口引違いを設けていますが、私としては大のお気に入りです。気密は少々よくはありませんがなんといっても大開口、明かりも取れるし、リビングにひとつぐらいは大きい窓に憧れていましたので気密気密を追うよりそういう感性のほうが大事にしたいところです。
これから家づくりを検討される方には使い勝手やこのようなメリット、デメリットを説明して窓選びをしていただきたいと思っています。

とにかく、気密測定した私の家の条件は、
■家の性能としてはダブル断熱仕様(UA値0.33)基礎断熱
■窓はAPW330
■新築時から約5年経過した状況
■引違い窓が12カ所と比較的多い
ということです。

↑気密測定中
今回も、前回同様、気密測定をお願いした業者さんは有限会社コンフォートの室さんです。

気になる測定結果は………、C値0.37㎠/㎡と出ました。
約5年経過してC値0.37㎠/㎡。
気持ち的にはC値0.3㎠/㎡程度であると嬉しいと思っていましたが、条件も条件ですし気密劣化はあるとのことでC値0.37㎠/㎡はかなり良いところの数字かなと思いはじめているところです^^

又、気になる「5年間住んだ我が家のC値と気密の経年劣化はあるのか」と題しているのですが、実は工事中には気密測定をしておりません。ですので約5年前の工事中に気密想定していたらどの程度の気密性能だったのかはわかりません。すみません(>_<)
以上を踏まえて、今後どのタイミングで気密測定をするか考えることが出来ましたので良しとします。
今後は必ず工事中に測定をしていきます。理由は工事中であればもし見落としている隙間などがあれば対処していくことが可能だからです。

シンク設計事務所はこれからもUA値0.46、C値0.3を目標に、本物の高気密高断熱の家づくりを目指して家づくりを行っていきます。

車で1時間程度まででしたら建築可能です。
住宅を検討中、性能の良い家が欲しい、分離発注について詳しく話を聞きたい方は是非一度お会いししましょう。
その際、高気密高断熱、自然素材の家の我が家を見学希望であれば、事前にお伝えいただければご案内することも可能です。
今後も家づくりについて全てオープンにお話ししていきます^^

シンク設計事務所 辰野峻也


気密測定C値0.14

2020年02月08日 17時28分35秒 | 気密測定
昨日、取手市の現場にて気密測定を行いました。
測定結果はC値0.14㎠/㎡。想定していたよりもずっといい数字が出て驚いています。
C値は0.5㎠/㎡目標としていたので、かなり嬉しい結果となりました。


C値とは建物の延べ床面積に対する隙間面積の割合で、この値が小さいほど気密性が高いことを意味します。
値が小さいほど隙間がない家ということです。
隙間をなくすことは、一度温めた温度を魔法瓶のように逃がさなくするために必要なことです。

測定結果によるとこの現場の場合、相当隙間面積は29㎠ということでした。
29㎠ということはこちらの↓5㎝×6㎝=30㎠のテープの切れ端より隙間が小さいということです。
わかりやすいですね^^


ちなみに、国の定めた次世代省エネルギー基準はⅠ~Ⅱ地域の場合C値2㎠/㎡、Ⅲ~Ⅵ地域の場合C値5㎠/㎡となっています(H11基準)。Ⅰ~Ⅱ地域というのは北海道です。茨城県取手市の場合6地域(H11基準ではⅣ地域)に指定されていますので5㎠/㎡ということになり、この住まいの場合のC値0.14㎠/㎡とは約33倍の気密性ということになります。

では国の定める5㎠/㎡の隙間はどれくらいになるかいうと、この取手の家の場合ですと30㎝×32㎝=960㎠の隙間まではOKということですが、それでは隙間ありすぎ!ということがわかると思います。
ですからそもそもの5㎠/㎡の基準はハードルが高くありませんから、あとはそれぞれのハウスメーカー、工務店、設計事務所の企業努力になります。

ハウスメーカーさんも数字を出しているメーカーさんがあります。
私たちも、こういうことがお客様の安心に繋がればと思い、今後は数字を出していこうと思っています。
シンク設計事務所ではC値0.3㎠/㎡を目標としてやっていきたいと思っているところです。



※2020年2月12日追記
ここから
「住宅の気密性能試験結果報告書」が届きました。
こちらの書式は全国で指定されていて、気密測定技能者従事事業所しか作成できないものとなります。
正式な測定数値はC値0.15㎠/㎡でした。
↓気密性能グラフを見ると家の性能がわかりやすいです^^

一番上の角度がついた線が、通常在来工法気密性能レベル:10㎠/㎡
その下の角度30度程の線が、次世代Ⅲ~Ⅵ地区気密性能レベル:5㎠/㎡
その下の角度の線が、次世代Ⅰ~Ⅱ地区(北海道)気密性能レベル:2㎠/㎡
一番下の太い線が、こちらO邸の気密性能:0.15㎠/㎡
 
今後も家の性能には特にこだわり、本物の高気密高断熱の家&自然素材&分離発注の家づくりを行っていきます。



方向転換!

2020年02月07日 19時16分08秒 | シンクのこと。
2020年2月、突然ですが本日よりブログの内容を建築ブログよりに方向転換致します。
ブログ名も「高気密高断熱で自然素材の家が好きな一級建築士のブログ」とします。
高気密高断熱や自然素材を今になってこれから勧めていきますというのではなく、
2005年から性能の良い家を目指して、
外断熱の家(ネオマフォーム)、吹付断熱(硬質ウレタン又はアイシネン)の家づくりを行ってきました。
また外断熱と吹付断熱を組み合わせたさらに性能の高いダブル断熱の家づくりも行ってきました。
つきましては、これらの性能の良い家づくりを数字で見えるカタチにしていきます。
家づくりの専門家として良い家に住んでいただきたい、これから家づくりをされる方の役に立つ情報を発信していきたいという想いです。
興味がある方はお付き合いいただけましたら幸いです。
いつもありがとうございます。
シンク設計事務所 辰野峻也