やどり木って不思議な空間で
テーブルのお席でのんびりされていく方がいらっしゃる時には
他のお客さまがわいわいいらっしゃることがほとんどないんです。
それに気づいたのは割と早い時期。
なにかちょっとだけ深刻な(?)話があってやってくる友人や
本を読みたくてゆっくりいらっしゃる方
休憩時間(でしょうか?)にのんびりなさる方・・・
そのつもりでいらっしゃる時には
その方の静かな時間が流れていきます。
本当にびっくりするほどに。
そして、その後にバタバタと店内が賑わう
みたいな。
やどり木の妖精たちは
癒されに来た方がわかって
その方がいらっしゃる間はその方の時間を作ってくれるみたいです。
今日も先日ちびっこパン教室に参加された親子が
朝マフィンをしながら何やらとっても楽しそうに、本当に楽しそうに
ケラケラ笑っていました。
私は裏にいましたので、店内は親子だけの空間。
お子さんは自分のお家のようにリラックスしているようでした。
裏で作業しながら、こちらも笑顔になってしまうほど。
うれしい時間でした♪
こんにちは。
岩手・奥州水沢の小さなパン屋「やどり木」の
店主のつぶやきブログへようこそ(^-^)
さてさて、今日からお彼岸ですね。
今年は珍しく彼岸の入り日にお墓参りをした我が家―
8月に祖母が亡くなりましたので、今年はいつも以上に丁寧にお参りをしています。
お墓参りから帰ってくると
目の前の田んぼでは稲刈りが始まっていました。
それを見た父。
「おいらいでもやっか(家でも稲刈りするか)」と。
えっ!?
今?私がいるところでそんなつぶやき・・・?
今日に限って白いパンツを履いていった私。
しかも、白いスニーカー!
「ヤッケ貸すがら(貸すよ)」「長靴もあっつぉ(あるよ)」
・・・
結局、誰もが予定外の稲刈りが始まりました。
農家の諸事情で、コンバインでの刈り取りは今日は出来ないのですが
家で食べる分のはせ掛けする分を。
(農家の特権!農家は自分の家で食べるお米は
カントリーエレベーターで機械乾燥させたものではなく
自然乾燥させたものを食べます。ずるいですよね・・・(^^ゞ)
とは言っても私が出来ることは何だ?
ヤッケを上下着込んで
手ぬぐいほっかむり!はさすがに勇気がなくて普通にかぶって準備万端!
の恰好でぼーっとしていたら
稲を刈ってくれと。。。
え?
手を怪我したくないから刃物持ちたくないんですけど・・・
一度は言ったものの
そんないいわけは通用しません(笑)
新品の鎌持って、刈りましたよ。
手刈りです。
これだけでもう、贅沢な逸品となりますでしょう?
今どき、普通は魚沼産コシヒカリでもコンバインで刈って機械乾燥させているはず。
それが、手刈りですよ!!
まぁ、機械が入るスペース分だけですけどね。
これを全部手で刈っていた昔の人は本当にすごいと思います!!
そして、当然のように勝手もわからずぼやっとしている私に
この列(稲の間を)こいであそこまで行けという指令が出まして
歩きました。(何かの目印の代わり。かかしか!?)
稲穂をわっさわっさかき分けながら―
で、自分のまわりぐる~っと稲穂に囲まれましたら
なんだか急に
”しあわせ~”な気分になってきたのです。
きらっきら輝いている稲穂たち。
黄金色に輝く稲穂たち。
これがおいしいごはんになるんだ~
と思ったらとっても豊かな気持ちになったのです。
農家ってしあわせだな~って。
お金じゃ買えない、実りを実感出来て
生活の糧に販売するものもあるけれど
自分の食べるものを自分で作り出せるって
農家の特権だな~って。
農家の娘ですが、生まれて40年以上経って今感じるしあわせ。
なんだか、本当にいい時間でした。
そして、金色に輝く稲たちは刈り取られるのを喜んでいるようにも見えて
そんなのもしあわせな気分にさせてくれたのでした。
20年くらい前だったでしょうか。(もうそんな!?)
凶作でタイ米が輸入されていたその年も
東京で暮らす私の元には岩手のおいしいお米が送られてきていたので
いつも通りの食事が出来ていました。
この先5年で、日本の経済も大きく変わるという方もいらっしゃいました。
お金の価値がなくなる、と。
そんな時でも、きっと農家は生き延びます。
自分で自分たちの食べるものを生産できるという
その技術を持っているという
宝物があるからです。
豊かさってついお金のことだと思ってしまいますが
(私もそうですからね・・・(^^ゞ)
自然と共に暮らす技術や知恵を持っていることが
本当の豊かさなのかもしれませんね。
実りの秋に、農業体験(農家の娘のくせに(笑))をして
そんなことを感じた一日でした。
地球さん!
教えてくれてありがとう!!(≧▽≦)
あ~ いい日だった♪