夢で目が覚めた。
ラジオが壊れたので何とかならんものかといじっていたら前の奥さ
んと娘が帰ってきた。
で、娘が「ごめん私が壊しちゃった」と言うので「まあ仕方ないか、
どこ行ってきたの？」と聞くと「ダイエー行こうとして途中から車に
乗せていってもらった」と言う。
我が家では他人の車に同乗することを禁じていた。
何かあったときに責任がないからだ。
そして娘が続けて｢２時になったら(乗せてくれた）旦那さんのとこ
ろへ行く」と言う。
｢何しに行くの」とたずねたら口をつぐんだので身体を売りに行くこ
とだとすぐに分かった。
売春してお小遣いを稼いでいるのである。
娘のその何とも気まずそうな顔を見たところで目が覚めた。
娘が今どこで何をしているかは知らない。
ただそんなことを生業としているならとても悲しい。
と言うかショックで立ち直れない。
本当のところ何をどこでしているか分からないけれど、私の結婚が決
まってからこんな夢ばかり見るのだがさすがに彼女にそれは言えない。
諦めたつもりでもまだ心の中にわだかまりと言うか未練があるのだ。
私と娘は娘が二十歳を過ぎても一緒にお風呂に入り一緒に寝ていた間
柄だった。
だからなのかどうなのか私は娘にたいする未練が大いにある。
なのでこんな夢を見るのだろうけれど、どうか全うな幸せな生活をし
ていてくれることを願うしか出来ない。
これからも娘の夢は見るだろうがどうせなら楽しかった夢を見たいも
のである。
今日はこのまま寝込んでしまいそうだ。
彼女にこんな夢ばかり見ているなんて言えないし、もう諦めたはずな
のに心の中では娘を追い求め続けている。
自分でもどうしていいかわからない。
今の彼女とはこれから生涯共にしていくのに、これでいいのだろうか。
こんなこと打ち明けられるはずもなく、一人で苦しんでいかなければ
ならないのはわかっている。
しかし娘も結婚したようだし(選挙票が母親の分しか届かなくなった）
私も再婚してこれからがあるのに酷な話である。
娘からの毎月一回のワン切り非通知着信は今もなお続いているのだ。
