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JF3TBMの無線道楽雑記帳。その他、社会随筆も不定期に掲載。明日の活力にと、スパイスの効いたサプリのような。

●第一電波の『SRH770』は凄いのか・・・。

2025年04月13日 | アマチュア無線

結論から言うと『ただの5/8λ×2段、ノンラジアル・ホイップアンテナ』です。凄い凄いと言っている人の動画を拝見すると『まぁ、確かにRIG付属のホイップアンテナと比べたら相対利得はあるよな』と感じます。


【写真:価格や性能(利得)は同寸のモビホと、ほぼ同じです】
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◆比較する『元のホイップがショボ過ぎるから、凄いと感じる』のです。
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V・UHFの『ハンディ機』を購入する人は多いと思います。

 

その中には『ニューカマー局』も含まれていますね。

また、ゲインのこととか、あんまりわかっていないシンニアマも、

まぁまぁな人数がいます。

 

メーカーのカタログスペックは『高性能に見せるため?』か『dBi』で表記しています。

 

1,dBiは『アイソトロン』という『自由空間にある仮想のアンテナ』

2,dBdは『ダイポール』を基準にした表記で『ダイポールは2.15dBi』

3,つまり、dBd表記にしたら『5.5dBiは、-2.15dBで3.35dBd』に表記される

 

要するに『2.15dBiは、0dBdと「同じゲイン」』ということです。

 

私は、再現可能なダイポール比に引き直し計算をします。

dBiとdBdが混在してしまうと『ややこしい』ですし、

どこかに『基準を持たないと正確な計算ができない』ため、

アンテナ設計をする際は、すべて『ダイポール比の0dBd』を基準にします。

 

1/4λのGP(いわゆるアローライン)も0dBdで2.15dBiです・・・。

 

1,RIG付属のホイップアンテナのゲインが『-10dBd』とします

2,SRH770のゲインが『5.5dBi-2.15dB=3.35dBd』とします

3,SRH770とRIG付属ホイップとの相対比は『13.35dBd』とします

 

ここまでわかりますでしょうか・・・?。

 

1,RIG付属のホイップアンテナで5W出しても実効輻射電力は0.5Wに落ちる

2,そこでSRH770に交換すると、

 付属のホイップアンテナとの相対比が約13dBdで『実効輻射電力は20倍の100W』になる・・・

3,加えて、低い打上角の効果

4,さらに、RIG直付けなので『コネクタロスやケーブルロスがない』

5,RIG付属のホイップアンテナで送信し『RS41』とレポートをもらう

6,SRH770で送信し『RS59+10dBに上がった』とレポートをもらう

7,この結果『SRH770はすごいアンテナだ!』ということになるわけです

 

SRH770の『いいところ』はハンディ機に直付けを考慮したSMAコネクタです。

 

加えて『ノンラジアル』で使えるように、

内部に『LCのマッチング回路』が入っています。

仕舞い寸法が『215mm』で、RIG付属のホイップアンテナ並みに縮む。

伸ばすと『915mm』で『同性能のモビホ』と、ほぼ同じ。

 

1,SRH770は耐入力が『20W(FM)』で、ハンディ機に特化している

2,モビホのNR770Hは『同性能ながら耐入力200W』で50W機の使用が前提

3,SRH770に50Wを入れたら、あたりまえですが『壊れる』

 

まぁ、冷静に考えれば『そんなに凄いアンテナではない』のですが。

 

特筆すべきなのは『SMAでRIGに直付けできること』。

ロッドアンテナを使用しているので、仕舞い寸法が短くなり、

実際に運用する際は、いっぱいいっぱいに伸ばしてやると、

5/8λ×2段GPと同性能のホイップアンテナになるということです。

 

1,MAX5Wのハンディ機に付けるなら、手軽でハイゲインが体験できる

2,ロッドアンテナ式なので、仕舞い寸法が215mmと短い

3,50W使用などしないなら、取り回しの良さから

4,実勢価格6,000円程度は『価値がある』

5,耐入力200Wのモビホの場合、変換コネクタも必要でSMAコネクタにも負荷がかかる

 

どうあれ、-10dBdのホイップアンテナと『+3.35dBd』の差は大きい

 

また、144MHz帯になれば、付属のホイップアンテナは『-20dBdくらい』です。

SRH770は『1/2λのノンラジアル』で『0dBd』ですが、

アンテナ自体の利得は『0dBd=2.15dBi』ですが、

打上角が低いのと、付属のホイップアンテナとの相対比が『20dBd』に上がるため、

付属のホイップアンテナとの相対比では『100倍のエネルギーが発射される』わけです。

 

-20dBdだと、電力減衰比は『0.01』に落ち『5W×0.01=50mW』まで落ちますね。

 

1,-20dBdで『50mW』としたら

2,0dBd(2.15dBi)でも『100倍の5W(5,000mW)』に跳ね上がるわけです。

3,感覚的には、特小やデジコミと『5Wのデジカン』との違いくらい実感します

 

アンテナの利得(ゲイン)は、リニアで増幅したのと同じような効果がある、ということです。

 

10エレ八木(シングル)で『10dBd』あるとしたら、

5Wでも10倍の『50Wと同等くらいに上がる』わけで、

10エレ八木を理想的なワイドスタックにすると、

計算上は『3dBアップ』の『13dB』になり『20倍』で『5W×20倍≒100W』と、

実効輻射電力が上がる・・・というわけです。

 

まぁ、あくまでも計算上でコネクタ&ケーブルロスもありますがね。

 

こういうことから『アンテナの利得』に興味を持ってもらい、

楽しいハムライフをおくるきっかけになれば嬉しいな・・・と思って、

この記事を書いてみました。

 

シンニアマ諸氏、経験豊富なOM諸氏も『これくらいは語って頂きたい』と思います。

 

毎度おおきに。ほんじゃーね!!

 

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