結論から言うと『ただの5/8λ×2段、ノンラジアル・ホイップアンテナ』です。凄い凄いと言っている人の動画を拝見すると『まぁ、確かにRIG付属のホイップアンテナと比べたら相対利得はあるよな』と感じます。
【写真:価格や性能(利得)は同寸のモビホと、ほぼ同じです】
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◆比較する『元のホイップがショボ過ぎるから、凄いと感じる』のです。
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V・UHFの『ハンディ機』を購入する人は多いと思います。
その中には『ニューカマー局』も含まれていますね。
また、ゲインのこととか、あんまりわかっていないシンニアマも、
まぁまぁな人数がいます。
メーカーのカタログスペックは『高性能に見せるため?』か『dBi』で表記しています。
1,dBiは『アイソトロン』という『自由空間にある仮想のアンテナ』
2,dBdは『ダイポール』を基準にした表記で『ダイポールは2.15dBi』
3,つまり、dBd表記にしたら『5.5dBiは、-2.15dBで3.35dBd』に表記される
要するに『2.15dBiは、0dBdと「同じゲイン」』ということです。
私は、再現可能なダイポール比に引き直し計算をします。
dBiとdBdが混在してしまうと『ややこしい』ですし、
どこかに『基準を持たないと正確な計算ができない』ため、
アンテナ設計をする際は、すべて『ダイポール比の0dBd』を基準にします。
1/4λのGP(いわゆるアローライン)も0dBdで2.15dBiです・・・。
1,RIG付属のホイップアンテナのゲインが『-10dBd』とします
2,SRH770のゲインが『5.5dBi-2.15dB=3.35dBd』とします
3,SRH770とRIG付属ホイップとの相対比は『13.35dBd』とします
ここまでわかりますでしょうか・・・?。
1,RIG付属のホイップアンテナで5W出しても実効輻射電力は0.5Wに落ちる
2,そこでSRH770に交換すると、
付属のホイップアンテナとの相対比が約13dBdで『実効輻射電力は20倍の100W』になる・・・
3,加えて、低い打上角の効果
4,さらに、RIG直付けなので『コネクタロスやケーブルロスがない』
5,RIG付属のホイップアンテナで送信し『RS41』とレポートをもらう
6,SRH770で送信し『RS59+10dBに上がった』とレポートをもらう
7,この結果『SRH770はすごいアンテナだ!』ということになるわけです
SRH770の『いいところ』はハンディ機に直付けを考慮したSMAコネクタです。
加えて『ノンラジアル』で使えるように、
内部に『LCのマッチング回路』が入っています。
仕舞い寸法が『215mm』で、RIG付属のホイップアンテナ並みに縮む。
伸ばすと『915mm』で『同性能のモビホ』と、ほぼ同じ。
1,SRH770は耐入力が『20W(FM)』で、ハンディ機に特化している
2,モビホのNR770Hは『同性能ながら耐入力200W』で50W機の使用が前提
3,SRH770に50Wを入れたら、あたりまえですが『壊れる』
まぁ、冷静に考えれば『そんなに凄いアンテナではない』のですが。
特筆すべきなのは『SMAでRIGに直付けできること』。
ロッドアンテナを使用しているので、仕舞い寸法が短くなり、
実際に運用する際は、いっぱいいっぱいに伸ばしてやると、
5/8λ×2段GPと同性能のホイップアンテナになるということです。
1,MAX5Wのハンディ機に付けるなら、手軽でハイゲインが体験できる
2,ロッドアンテナ式なので、仕舞い寸法が215mmと短い
3,50W使用などしないなら、取り回しの良さから
4,実勢価格6,000円程度は『価値がある』
5,耐入力200Wのモビホの場合、変換コネクタも必要でSMAコネクタにも負荷がかかる
どうあれ、-10dBdのホイップアンテナと『+3.35dBd』の差は大きい
また、144MHz帯になれば、付属のホイップアンテナは『-20dBdくらい』です。
SRH770は『1/2λのノンラジアル』で『0dBd』ですが、
アンテナ自体の利得は『0dBd=2.15dBi』ですが、
打上角が低いのと、付属のホイップアンテナとの相対比が『20dBd』に上がるため、
付属のホイップアンテナとの相対比では『100倍のエネルギーが発射される』わけです。
-20dBdだと、電力減衰比は『0.01』に落ち『5W×0.01=50mW』まで落ちますね。
1,-20dBdで『50mW』としたら
2,0dBd(2.15dBi)でも『100倍の5W(5,000mW)』に跳ね上がるわけです。
3,感覚的には、特小やデジコミと『5Wのデジカン』との違いくらい実感します
アンテナの利得(ゲイン)は、リニアで増幅したのと同じような効果がある、ということです。
10エレ八木(シングル)で『10dBd』あるとしたら、
5Wでも10倍の『50Wと同等くらいに上がる』わけで、
10エレ八木を理想的なワイドスタックにすると、
計算上は『3dBアップ』の『13dB』になり『20倍』で『5W×20倍≒100W』と、
実効輻射電力が上がる・・・というわけです。
まぁ、あくまでも計算上でコネクタ&ケーブルロスもありますがね。
こういうことから『アンテナの利得』に興味を持ってもらい、
楽しいハムライフをおくるきっかけになれば嬉しいな・・・と思って、
この記事を書いてみました。
シンニアマ諸氏、経験豊富なOM諸氏も『これくらいは語って頂きたい』と思います。
毎度おおきに。ほんじゃーね!!
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