遠野郷中世城館録

奥州陸奥国遠野(岩手県遠野市及び周辺地域)の城館跡の探訪調査記録のご紹介

落合館・和賀、江刺の備えの砦

2009-12-07 17:43:59 | 宮守

 

 

 

概要

 猿ヶ石川と小友川の合流点、西側直上の山野にある。

 東側、北側は川へ落ち込む急斜面、西側は緩やかに山野が下り、南側は山頂から尾根続きで南方の山野へ続いている。

 山頂は西~東へ緩やかに下る平場で南北約50メートル、東西約30メートル。

 南側は二重の堀切で尾根を区切り、西側~北側斜面を囲むように二重の空堀が走り、東側は、そのまま斜面を駆け下っている。

 山頂平場の南端には土塁が張りめぐされており、北端斜面には2段の小さな平場が見られる。

 川の落合側、北東の斜面には5段~6段の帯郭状の平場が構築されている。

 

空堀跡

 

堀切跡

 

山頂の土塁跡等

 

南から北へ緩やかに傾斜する山頂平場

 

北東突端の段差

 

北東側の階段状平場

 

歴史、沿革等

 館跡に関する由来等は不明とされている。

 戦国時代に築館されたのではと推測しておりますが、鱒沢地区は室町中期から阿曽沼支族の鱒沢氏が治めた地であり、その支城という位置付けだったのではと考察いたします。

 南は高い山野を隔てて葛西領の江刺郡、西は猿ヶ石川沿いに辿れば和賀郡へと通じ、両郡との軍事、交通の要衝といった場所柄だったと思われる。


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2 コメント

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位置 (稲用)
2009-12-07 21:42:07
地図を見ていたら私もここの位置は気になりました。
来歴不明ということですが、仰る通り鱒沢氏関連でしょう。
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不詳 (虎猫)
2009-12-08 12:47:57
稲用さん
知られざる遠野郷の館、そのものといった伝承無き館跡です。
鱒沢氏に何かしら関係あるものと推測されます。
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