遠野郷中世城館録

奥州陸奥国遠野(岩手県遠野市及び周辺地域)の城館跡の探訪調査記録のご紹介

小国館・別名、大梵天館

2010-12-23 18:43:18 | 宮古市

 

 

 

概要

  旧川井村小国(現宮古市小国)の主要通りにある大円寺の裏山(東)に残されている。

 主郭と二の郭、そして北の尾根に砦風の小さな平場があり、東、西斜面は急傾斜地を形成し、主郭から北側尾根は狭く、二重の堀切で断ち切られている。

 主格と二の郭の間は一重の堀切で切断されており、主郭の西側斜面は4段の帯郭が配置されている。

 

西側斜面(大手)の帯郭

 

 

主郭平場

 

北側尾根の空堀

 

主郭と二の郭を隔てる掘切

 

歴史等

  麓の大円寺の寺伝によると応永元年(1394)開基と伝えられ、その後、無住となり荒廃にまかせていたが、小国氏祖、彦十郎忠直が再興と伝えられている。

  小国氏は最初、同地域の末角に山城を築いていたとされるが文亀2年4月に小国彦十郎忠直がこの地に築館して居館としたが、以来3代続いた頃に隣接の江繋氏との抗争で敗れ没落したといわれる。

  小国氏は武田氏系と伝えられ、戦国期は三戸南部氏の配下だったとも伝えられている。