投信メモ

調べたことをメモしてます
・『AI日本株式オープン(絶対収益追求型)(愛称:日本AI(あい))』03314172:JP

ティーブレイク:日経新聞が「AI日本株式オープン」に見せた“忖度”!?

2018-03-01 | 投信メモ:AI日本株式オープン

 

AI日本株式オープン(絶対収益追求型)のパフォーマンスについて、先日、3つの視点から見てみました。

その中の「AIファンド内での比較評価」では、日本経済新聞の記事を引用し、当ファンドが低評価であったことを確認しました。

  ☞ パフォーマンス評価:AI日本株式オープン(絶対収益追求型)(愛称:日本AI(あい))

 

 

 

実は、引用した日経記事には、別のバージョンがあります。先日のブログ記事で引用したのは、日経電子版の方に掲載されたものです。

そして、引用しなかったもう一方の記事は、翌日の『日経新聞・朝刊』に掲載された記事です。

 

 

 

この2つの“同じ記事”を全体的に見比べてみると、朝刊に掲載される段階で、ある部分の表現が“校正”されていることがわかります。

以下のような違いがあったのですが、気づかれたでしょうか?

  • [日経電子版] 成績が伸びなかった投信も多い。「AI日本株式オープン(絶対収益追求型)」は上昇率が1%台だった
  • [日経朝刊版] 成績が伸びなかった投信も多い。「AI日本株式オープン(絶対収益追求型)」は上昇率が2%程度にとどまった

 

「1%台」と「2%程度」では受ける印象が違いますね。

朝刊に載せる段階で、チェックした人が、なぜこのように、わざわざ表現を変更させたのか、理由は分かりませんが、

このファンド、もしくはAIファンドそのものに好意的であったからかもしれません。

 

 

その意味で言うと、私は、現段階では、AI日本株式オープン(絶対収益追求型)に対しては、

パフォーマンスがさえないことから、批判的な目線でみていますので、

私の記事の表現も同様にバイアスがかかっているかもしれません。

 

 

 

また、金融商品を商品化させる人、金融商品を販売する人の立場に立てば、

やはり、同様に、商品化に向けた検証資料や販売資料・運用報告書などにも、一定のバイアスが存在すると思います。

 

 

実は、このようなバイアスの存在を知っていると、資料を読むときに役立つことが多いように思います。

特に、金融商品の説明資料は、“良いものである”と認識させようとする非常に強いバイアスがあります

(優良誤認をもたらすような宣伝広告ですら、黙認されているのが現状のように思います)。

 

 

そのため、変な言い方ですが、金融商品の利点が本物であれば、こちらが頼まなくても、

納得・理解できるよう、ポイントを抑えた説得力ある明瞭な説明をしてくれますし、知りたい情報はきちんと出してくれます。

逆に、偽物であれば、説明にはどこか不自然さ・ぎこちなさが出てきます。

 

 

ですから、説明を受けるときは、まず、本当に優れた金融商品が提案されたと想定して、

自分ならそれに対してどんな資料を作るだろうと想像し、自分の頭の中に「完璧な説明資料」を用意してみてください。

そして、その「理想の説明資料」と「実際の説明資料」とを見比べながら読んでみてください。

 

すると、

 「有効性を明確に示せるのに、なぜこの検証結果がないのだろう?」

 「なぜ、この辺はちょっと言葉を濁しているのだろう?」

 「なぜ、一部はデータの掲載を省いているのだろう?」

 「なぜ、こんな注記があるのだろう?」

 「なぜ、わざわざこんな言い回しをしてるのだろう?」

 「なぜ、この部分の説明は端折ったり、ちょっとしか触れていないんだろう?」

 「小難しいことばかり書いてあるけれど、イメージばかりで、それが最終的なパフォーマンスにどう役立つのか、なぜ、具体例を列挙できないんだろう?」

など引っかかるところが出てきますし、逆に、そういった点に気付きやすくなります。

 

大抵、そういった部分には、パっとみでは見落としがちな細かそうな点でも、説明資料の作り手にとって「不都合な真実」が隠れていることが多いように思います。

 

 

 

具体例