投信メモ

調べたことをメモしてます
・『AI日本株式オープン(絶対収益追求型)(愛称:日本AI(あい))』03314172:JP

AI日本株式オープンが、MUTB正史から消えた日。

2019-09-03 | 投信メモ:AI日本株式オープン

三菱UFJ信託(MUTB)の新卒採用情報サイトを見ると、MUTBを知るための7つのキーワードが挙げられており、

その中の1つに「AI活用」がありました。

 

今年もまた企業アピールのために「MUTBが開発した人工知能(AI)ファンド:次世代の資産運用」が登場するのか、と思いながらも

    ☞ 誰がために『AIファンド』はあるのだろうか?
        

 

さっそくに、クリックしてみました。

すると、こんな内容になっていました:

 

なんと、去年は使っていた「次世代の資産運用」というキーワードが出てこなかったのです。

MUTBにおけるFinTechの取り組み方針は、どうなってしまったんだろうと思いつつ、ページを回っていると、こんな記述がありました:

「FinTech」は信託銀行にこそ必要な手段。

「FinTech」というキーワードが日本の金融ビジネスの現場でも語られるようになったのは、わずか数年前のこと。
「Finance(金融)」と「Technology(IT技術)」を掛け合わせたこの単語は、送金、決済、融資、投資、仮想通貨などあらゆる領域をカバーしているフレーズでもあるため、
当初は国内金融機関の中でも、いったい何から手をつけるべきなのか戸惑いがあったことは否めない。
だが、労働人口が減り続けるこの国にあって、さらにサービスの質を向上し続けるという命題を乗り越えるためには、最新のテクノロジーを活用しないという選択肢がないのもまた事実だ。

三菱UFJ信託銀行がAI技術の積極的導入を進めたのは、2016年の春頃。その目的は、リテール業務の一部をAIに担わせることで人員の負荷を軽減し、社員の能力が最大限に発揮されるよう、より高度な業務に振り分けるというもの

 

 

 

ついこの間までは、こんな風に書いていたのに、です。

「FinTech」は信託銀行にこそ必要な手段

「FinTech」というキーワードが日本の金融ビジネスの現場でも語られるようになったのは、わずか数年前のことです。
「Finance(金融)」と「Technology(IT技術)」を掛け合わせたこの造語は、送金・決済・融資・投資および仮想通貨などあらゆる金融領域をカバーしているフレーズです。
そのため、当初は国内金融機関の中でも、いったい何から手をつけるべきなのか戸惑いがあったことは否めません。
しかし、労働人口が減り続ける我が国にあって、これまで以上にサービスの質を向上し続けるには、最新のテクノロジーを活用することが求められます。

三菱UFJ信託銀行がFinTechの一つであるAI技術の積極的導入を進めたのは2016年の春頃であり、翌年2017年2月にはビッグデータとAI技術を組み合わせた投資信託「日本AI(あい)」の運用を開始しました。2018年7月には情報信託機能を担うプラットフォーム「DPRIME(仮称)」の提供に向けて実証実験の開始を発表するなど、社会・お客様の課題を解決するために、デジタルも活用した「信託ビジネスのイノベーションへの取り組み」という戦略を打ち出しています。

https://ps.nikkei.co.jp/fdc2019/contents/01/index.html

 

 

 

そうなのです、歴史が変わってしまっていたです。

少し前までの社史では、三菱UFJ信託銀行が2016年頃にAI技術の積極導入を行い、その後実現したのがAIを活用した「次世代の資産運用」でした。
そして、その成果物こそが「AI日本株式オープン(絶対収益追求型)(愛称:日本AI(あい))」であります。

また、「AIを活用した資産運用」は、MUFGにおける“AI戦略”の代表例として、三菱UFJ信託が担い、そして、実現したとされたことでもあったのです。

相原寛史氏三菱UFJフィナンシャルグループのデジタル戦略」(pp.285-302) 

実際に商品としてご提供しておりますけれども、絶対収益追求型ファンドというファンドをつくっています。
商品名が日本AIと言います。実際にAIが資産の運用をやっております。
 
明治大学社会科学研究所紀要(第56巻第2号 2018年3月)『公開講演会記録:フィンテックや人工知能がもたらす企業戦略の変化』(
pdf

 

 

しかし、現在では、『リテール業務の一部をAIに担わせること』に目的(AI導入当初の成果物)が改変されていました。

※ちなみに「MUTBの資産運用の特徴と魅力」という記述には、彼らが「クオンツ運用」とは異なる新分野であるとした「次世代の資産運用(AIを活用した運用)」なるものについては、書かれてありませんでした。
 

 

 

 

私自身は、三菱UFJ信託銀行が開発した「人工知能(AI)ファンド」は、詐欺的な商品であると考えています。

 ☞ 三菱UFJ信託が開発したAI投信は、詐欺まがいの悪質な商品ではないのか :AI日本株式オープン(絶対収益追求型)

 

そのため、対外的にアピール出来るような代物ではない事を認め、同ファンドが歴史から姿を消すのであれば、大変に望ましいことであると思います。

 

ただ、しかしながら、その前にすべきことがあるのではないでしょうか。

責任ある運用会社として、受益者の方々に対して正式に非を認め、
ガバナンスが機能しなかった現状(なぜこんな商品が開発され、さらには販売まで出来てしまったのか、という全社的問題)を改めるべく、
再発防止及び商品開発力の立て直しに向けた対応策をきちんと示して行って欲しいと思っています。

黒歴史として、覆い隠すだけでは、また、同じようなことを起こすだけでしょう。

事実、後ほど詳しく書きたいと思っていますが、以前にも、同様の(というよりもさらに酷い)悪質な商品開発事例を見たことがあります。
結局、過去の事例(腐ったミカン)を考えれば、今回の件も、起こるべくして起きた事例と言えるのだと思います。