投信メモ

調べたことをメモしてます
・『AI日本株式オープン(絶対収益追求型)(愛称:日本AI(あい))』03314172:JP

運用会社は平然と嘘をつく

2018-04-14 | 「運用会社の質」について

 

「運用会社は平然と嘘をつく」

 

こんな風に書くと、何をオーバーに書いているのだろう?と思われたかもしれません。

 

しかしながら、日本を代表する「一流」と呼ばれる企業の経営者であっても、

大風呂敷を広げたような事業計画を掲げ、足元で進捗が悪くても中長期的にはうまく行くと根拠もなく主張し、

結果が出なければ会計操作を行い、果ては、粉飾・不正会計にまで手を染めることだって、十分に考えられます。

また、「コーポレート・ガバナンス」が強調されるように、企業経営者が株主利益を一切顧みることなく、経営を行うことも十分にあり得ます。

 

「上場企業は平然と嘘をつく」

このように書けば、何だろう?と感じつつも、確かに、そのようなことは起こり得ると納得されるように思いますし、

そのようなことを防ぐための「制度設計」の存在は、必要不可欠であると、誰しもが納得されるのではないでしょうか。

そして、株主の利益を保護するための「制度」は、それなりにきちんと整備され、また、現状に不備があれば改正されていっていると言えるでしょう。

 

 

 

日本を代表するような上場企業に対してですら、このようなことが必要だと考えられるのですから、

どうして、運用会社・販売会社に対してであれば、不要だと言えるでしょうか?

投信購入者の利益を考えた商品開発・販売・運用が行われると、どうして、何の担保もないのに信じられるのでしょうか?

 

「運用会社は平然と嘘をつく」。

このような認識は、当然に必要であり、その立場から、商品開発・販売・運用をモニタリングする必要があると思います。

 

 

 

それは、いま話題のAI(人工知能)を活用して運用を行うというファンド、AI日本株式オープン(絶対収益追求型)を調べていて、

痛切に感じた危機感です。

 

 

このファンドは、NHKなどの各メディアでも、「AIを活用した投資信託」として報道され、多くの人の目にも触れた存在です。

 ☞ AI日本株式オープン(絶対収益追求型)関連の記事等の一覧

 

また、日本を、そして、アジアを代表するであろう金融グループのAI技術を活用した「次世代の資産運用」の姿であるとも報じられています:

ディープラーニングなど高度な技術による運用はベンチャー企業の専売特許ではない。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の、AIによる資産運用の現場を追いかけてみよう。

今回、AIによる資産運用についてインタビューしたのは、三菱UFJ信託銀行ならびに三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)。
「次世代の資産運用」として、飛躍的に向上してきたコンピュータの処理能力とビッグデータ、そしてデータから価値ある知見を導き出すためのAI技術を組み合わせて、新たな形での資産運用を広めていこうとする構えだ。

  - MUFG Innovation Hub 三菱UFJ信託銀行が運用する、人工知能を活用した投資信託とは[2017.2.24]

 

 

しかしながら、その実態は、どうでしょうか。

行われた分析は非常に稚拙であるだけではなく、優良誤認をもたらすような悪質なものであったと言えます。

また、AI運用についての説明は、誇大なものになっており、宣伝されたもの(イメージ)と、その実態は、あまりにもかけ離れていたと言えます。

これらのことは、投信購入者に対して「平然と嘘をついている」といえる内容ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

私は、運用会社にこそ、ガバナンス(適切な情報開示等)を導入する必要があると信じて疑いませんし、

そうしなければ、健全な投信ビジネスの発展などあり得ないと思っています。

 

「株主と経営者の関係」と、「投信購入者と運用会社等の関係」は、非常に似ているのだと思います。

株式市場の健全な発展に必要不可欠と考えられる仕組みは、すべからく、投信ビジネスの世界にも必要なものではないでしょうか。

 ☞ 他山の石:運用会社にこそ、ガバナンスの導入を。 / AI日本株式オープンで使われているのは、「人口知能」??? 販売会社の説明について

 

 

 

※ このように書くと、特定のファンドや運用会社を批判しているようにも感じられたかもしれませんが、決してそのような意図はありません。
  たまたま、各メディアでも取り上げられた、旬なテーマのファンドに注目して、調べただけですし、
 eMAXIS Slim」(三菱UFJ国際投信)という「顧客第一主義」の考え方に基づいた素晴らしい商品が誕生しているという誇るべき事実もあります。