ムートン王国の裏話

ムートンを加工して直接販売している岩井ムートン店主岩井孝四郎の日常です。
ワイン、車中泊、山梨の観光名所も紹介します。

お彼岸のお墓参りbyムートン王国店主

2009-03-20 10:00:16 | 店主の日記
皆さん、おはようございます。ムートン王国店主の岩井孝四郎です。

私の住む山梨県甲府市でも、今日は朝から雨が降っています。

昨日、私はお彼岸ということもあり、岩井家のお墓参りに行ってきました。

お天気にも恵まれ、風もなく最高のお墓参り日和でした。

私のおじいちゃんも毛皮を扱う仕事でした。

ムートン屋さんを開業したのは私の父親ですので初代です。

そして現在私が岩井ムートンの2代目ということになります。

幼少の頃よりいつも私のまわりにはムートンに限らずいろいろな毛皮がありました。

当たり前のように慣れ親しんできた毛皮でした。

そして、父親はもともと、鳥獣類専門の剝製師でした。

父親の仕事上、我が家には子供のころからいろいろな生き物が死んだままの状態で持ち込まれてきました。

もちろん、本当に肉のついたままの状態です。

子供ながらに生き物の死体を目のあたりにしながら「可哀想だなぁ・・を通り越して気持ち悪い」と感じていました。

持ち込むお客さんは、「肉も食べたいから取っておいて」と言って、持って帰りたくて待っているお客さまもいれば、凍らせといて後で取りに来るお客様もいました。

子供ながらに我が家に持ち込んでくる大人たちのことを

「鉄砲で殺しておいて肉まで食べるなんてひどい人達だ」と思っていました(笑)

しかし、父親は持ち込まれた生き物を一生懸命剝製にしていました。

出来上がった動物や鳥たちを見ると本当に、今にも動き出しそうなくらいのリアルな出来栄えでした。

それでも、私からすればそんなひどい大人たちが持ち込んだものを、何も言わずに

作る父親の姿が少し嫌いでした。

そして今、私も毛皮を取り扱う仕事をしています。

岩井ムートンの2代目になり初めて分かった気持があります。

そこには、父親に対する誤解をしていた気持もありました。

父親は決して殺生はしない人でした。

もちろん、猟師のように鉄砲を持つこともなく狩りもしませんでした。

今だからはっきりとわかることがあります。

父親は、私が子供のころに自宅に持ち込まれた動物の死体の山を剝製師という

仕事を通じて甦らせ、命を吹き込んでいたんです。

子供ながらに父親の作る剥製をみて、なぜか美しく見えたのは命を吹き込まれて新たに生まれ変わった命。

まさにそれだったんですね。

そして、肉を食べることも当たり前のことでした。

人間は原始時代から狩りをして、肉を食べ、その皮で服を作り住居を作ってきたのです。

それは、決して残酷なことではなくむしろ、人間の生存のために殺生をしなくてはならない大切な儀式のため

命を頂いた動物や生き物に感謝して無駄にしないための当然のことだったんです。

今、私は羊の毛皮(ムートン)を売っています。

だからこそ、わかるんです。

大切な命を人間のためにいただくことへの感謝の気持ちを・・。

無駄にしないで本当にぼろぼろになるまで直しながらでも使ってあげることが毛皮販売を仕事に選んだ私の使命だと思います。

今の私がいるのも、そんなご先祖様たちの生活の中からの知恵の結晶だと思います。

人類の生活はどんどん良くなっています。

これからも、今よりももっと便利な世の中になるでしょう。

しかし、過去のいろいろなご先祖様から頂いた知恵の結晶が基盤になっていることを忘れては、いけないと思います。




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