結婚式を目前にして突然銀行を辞め、カレー屋を始めると言い出した
笹野(坂本昌行)の元へ、婚約者・みはる(畑野ひろ子)から
慰謝料請求の内容証明が送られてきた。
笹野は慰謝料の支払い方の相談で、九頭(豊川悦司)と武田(伊藤英明)の
元を訪れる。武田は、
「みはるが銀行マンという肩書きで結婚する・しないを決めるのか」
と憤慨するが、笹野は
「自分が悪いから慰謝料の支払いを進めて欲しい」と頼む。
ところが、みはるの代理人から500万円の慰謝料では納得がいかないと
言い出したと聞き、何度かやり取りするうちに結局裁判で争うことになってしまう。
一方、裁判中に突然みはるが白石事務所を訪ねてきた。
「慰謝料の件で」というみはるを、武田は双方に弁護士が入っているので
本人と直接交渉出来ないと帰してしまう。
何のために訪ねて来たのか気になっていた矢先、武田のところにみはるが
睡眠薬を多く飲みすぎ病院に運ばれたと連絡が入る。
あわてて病院へ駆けつけた武田は、笹野から解任を言い渡される。
自分を責める武田は・・・。
公式HPより
事務所で、ピンクレディーの「UFO」の練習をする、夕花と武田。
鉢巻で熱血指導する徹子、フサフサを持って応援する、くずと白石。
弁護士会の納涼浴衣祭りの出し物らしい・・・。
何だか、凄い熱の入れようの徹子。
「法廷よりも力入ってるんだからね!」白石
「法廷よりって・・・」武田
「余興の練習のつもりが、徹子ちゃん世代だから火がついちゃって・・・」
「僕には出来ません・・!!ミーちゃんのステップは僕には高度すぎます!!」
「これはね、ここの新人弁護士が避けては通れない道なのよ!!」と徹子
「これぐらい出来ないなら、弁護士なんて辞めちまえ!」とくず
「これからの司法制度改革で、弁護士の数も増えるんだから、
歌って踊れるに越したことはないですよ。」白石が言う
(歌って踊れる弁護士って・・・)
「売りのない弁護士は、依頼が来なくなるかもしれないわよ!」と徹子。
「俺、転職しようかなー?楽でお姉ちゃんがいっぱいいて、金が儲かる
仕事がいいなー。」とくず。
「くず先生は弁護士の仕事に品位と誇りをもっと持って下さいよ!」と武田。
キラリン!(効果音)
「バカヤロウ!俺ほど仕事熱心で上品で、誇り高い弁護士は、おりゃしまへんで~!」
(カメラ目線で、ポーズ。)
一転、相談室でいびきをかくくず。
蔑んだ目で、くずを見た後、依頼人の笹野と話し出す、武田。
銀行を辞めて、カレー屋を始めようとしたら、婚約を解消され、慰謝料請求の内容証明が
送られて来たのだと話す笹野は自分が悪いので、お金を払って欲しいと、準備よく
請求額の500万を持って来ていました。
慰謝料を持って相手方弁護士雨宮の事務所に出向くふたりだったが、依頼人の元婚約者
みはるがもう100万、合計600万に金額を変更してきたらしい。
金額が不当だと話す武田。
しかし、くずは
「払いますよ!600万」
と気軽に受けてしまう。
「何言ってるんですか!依頼人に何の承諾もなく!?」
「いいじゃん!俺の金じゃないんだし!」と笑顔。
雨宮と電話で話すみはる。
依頼通りになりそうだと言われると、途端に顔色が曇り、
「私、600万じゃ納得出来なくなりました。700万円支払うように
伝えてください。お願いします!」
そう言い電話を切ってしまう。
受話器置いた左手の薬指にはダイヤの婚約指輪が・・・。
「ほんと!それぐらい貰わないと、気が済まないわよね!
大事な一人娘を傷物にした、とんでもない男だもの!」
みはるの母親がテーブルにお茶を置きながら叫ぶ。
「将来の夢」と書かれた原稿用紙を前に、一行も進まない美月。
鉛筆を鼻の下に挟んで、眉間にしわ。
「眉間は幸せの通り道だからね。あんまりしわ寄せると、
幸せにしわ寄せがきちゃうよ。」とくず。
「宿題でね、『将来の夢』っていう作文書かなくちゃいけないの。」
「あー。ナースかスッチーか、ミニスカポリスがいいんじゃない?
男の子にモテるよ!」
「モテなくても、やりがいのある仕事につきたいの!」
「うーん。そういう危険な発想していると、加藤徹子先生みたいに
売れ残っちゃうんだよ!」
「ハックション!」
徹子がいつもの居酒屋でくしゃみをする。
飲んでいるのは「百年の孤独」という名の焼酎。(爆)
ベランダに出ながら美月がくずに質問する。
「何でお父さんは弁護士になったの?」
「うん?お金が儲かりそうだから!」
「じゃあ何で今全然儲かってないの?」
「仕事ってーのはね、なかなか思い通りにはいかないんだよ。」
「女弁護士、カッコいいよねー!”逃げる場所は、ありませんよ!”」
「あれ面白いよなー。俺もあっちに出たかったな~!」
微笑みながら顔を見合わせ、カメラ目線で、二人一緒に、
「逃げる場所は、ありませんよ!!」
(決まった~「7人の女弁護士」(テレ朝)の決め台詞。)
笹野に慰謝料が700万になったと伝えると、
「700万!?」
一旦驚くが、それで彼女の気が済むなら・・・と受ける気らしい。
そんな笹野にくずは今度は800万って言って来るかも知れないよと忠告。
裁判で話し合った方が金額が下がるかもと提案される。
武田が開業資金は1円でも多い方がいいですよね。と言うと
「開業?」と言いかけて、
「そうですね。」
慌てたように認める笹野。
興味深そうに見つめるくず。
ー第一回口頭弁論ー
被告が会社を辞めた理由について、元上司に証言してもらう雨宮。
融資資金の回収を命じられていた笹野はその指示に従わず、左遷され、その後退職した
とのことだった。
更に、雨宮はカレー屋を始めると言う笹野にブーケガルニについて聞いたり、
原価率や、客の回転率について質問するも、答えられず、シドロモドロの笹野。
夢のために会社を辞めたなどと言っているが、無責任に仕事を放棄し、左遷が耐えられず
辞めたのだと指摘。
武田が婚約を破棄してきたのはみはるの方だと話すと、
笹野の方だと言われてしまう。
笹野に確認すると、そうだと答え、武田は。愕然
くずは
「ありゃりゃ、こりゃりゃ・・。」と笑顔
裁判所を後にする際、ソファに腰掛けるみはると偶然鉢合わせしてしまい、
バツが悪そうなふたり、しかし、くずはみはるの指の婚約指輪を見逃さなかった。
笹野が本当のことを話してくれなかったことにショックを受ける武田。
自分から言われたより、自分が振られた形の方が、彼女が傷つかないのではないかと思ったと笹野
次で巻き返そうと前向きな武田に、くずが彼女が金に汚いとかそういう、マル秘エピソード
などが欲しいと茶化すと、
笹野が本気で怒った。
たった一人、一生一緒に生きていこうと決めた女性なのだと・・・。
くずはそんな笹野を見つめる。
そして、コーヒーを取りに武田が席を立つと、
どうして、貸し剥がしをしなかったのか聞いてみるのだった。
「あまり、言いたくないんですけど・・・」話し出す笹野
笹野が帰った後、いつものようにトランプを取り出したくずは武田に
「お前の直感力をテストするどっちがジョーカーだ?ジョーカー引いたら負けね。」
ジョーカーを引き当てる武田。
「しもうた~!」
白石が武田に、単独の依頼も受けてみてはどうかと提案、徹子や夕花に励まされ
喜び、俄然張り切る武田。
すると、くずは後は任せたと出て行く。
そこに、みはるが単独で訪ねて来た。
双方に弁護士が立っている場合は、相手方の弁護士に内緒で直接交渉することは
禁じられているのだと話し、雨宮に連絡を取ろうとする、しかし、みはるは
決まりがあるんですねと言い残し、そのまま追いかける武田を置いて、去って行く。
徹子といつもの居酒屋で飲んでも、その事が気になって仕方がない・・・。
すると笹野からみはるが病院に運ばれたと連絡が入る。
この一件以来、不眠に悩まされていたみはるが睡眠薬を多く飲みすぎたということだった
武田は責任を感じ、しかも、笹野に弁護士を解雇されてしまう。
くずに解任の報告に行く武田、落ち込む武田に生きていたからセーフだとくず。
人の生死をゲームのように言うなという武田の胸倉を掴んで、
「人が死ぬことにビビったら、弁護士なんて続かねーんだよ!弁護士のやり方一つで、
無期懲役か死刑か、1人の人間の生死が決まることだってあるわけだ!」
「責任が重い仕事だっていうのは、弁護士を志した時からわかってましたよ!
でも・・・」
「医者だって患者を全部救えるわけじゃねーよ。弁護士だって10人のうち
1人救えりゃ御の字なんだよ!」
「9人は、死んでもいいってことですか!?」
「それでも続けるか、放り出すかは、人、それぞれだ。」
それだけ言うと、くずは武田を置いて去って行った。
もう一度みはるの病室を訪れる武田、しかし、みはるの母から人間として最低だと罵られ、
更に落ち込む武田。
事務所の相談室で白石と話す武田。
「それは、弁護士を辞めるってことかい?」白石
「まだ、決めたわけじゃないんですけど、
僕には、弁護士の仕事は荷が重過ぎるようで・・・。」
「お前辞めんの?」顔を出すくず。
「な、何ですか、いきなり!」
「あのね、新人が暗い顔をしてお話がありますって時は、
辞める話に決まってんの。ねー、白石先生!」
「うん、パターンっていえばパターンだからね。」
「よし、1クールか。俺のどんぴしゃ勝利!掛け金倍額!」
「掛け金?」
何とくずと組んだ武田がいつ辞めるのか、事務所の仲間が賭けていたらしい。
「白石先生まで・・・」
「いやいや、あんまりね、頻繁に新人の先生が辞めていくからさ、慣れっこっていうか、
それを楽しむ余裕が出てきちゃったんだよ。」
「お前今更辞めませんなんて言うなよ!俺のどんぴしゃ賞がチャラになるから!
ああ、ついでにバッジも、没シュートね!」
「・・・・・」
「何だよ。泣いて引き止められると思ったのか?」
「・・引継ぎは、ちゃんとしますから。」
白石が武田にカバンを渡す。
「・・・お世話になりました!」
武田が出て行く。
裁判所への道すがら、すれ違う人並みの胸の弁護士バッチに視線をやる武田。
裁判所の石垣の前に初めて立った時のことを思い出す。
「くずさんが、此処じゃないかって。」徹子
「さっきのこと本気にしたの?冗談に決まってるじゃない!」
「僕は、本気で悩んでいるんです。」
「九州男児は、辞めろって言われたら、辞めませんって言うと思った、
そんなに単純じゃないか・・・。」
「裁判関係者が死に掛けた上に、僕は・・・解任されたんです。」
「みんな、武田君に辞めてほしくないのよ。この仕事は、やりきれないことが
次から次へと起こるから、時には、勢いを付けて乗り越えていかなくちゃ!」
肩を叩くと、触れた体を離し、
「僕は、今の状況を勢いで乗り越えられるほど、強くも鈍感でもありません。」
裁判所から出てきた国光に、
「今日はいつものコンビじゃないんだ、若先生?」と言われると、
「もう、コンビじゃありません!」
そう言い去って行く。
「国光さん、ちょっと付き合ってもらえませんか?」徹子
笹野がアパート似帰ると、前の公園で子供たちと遊ぶくずに気づく。
「どうも!」とくずが挨拶する。
徹子と国光は武田をスナックに連れていく。
「話はわかったけどさ。何も辞める必要はないんじゃないのか?」
「僕には、人の命を奪うかもしれないほど責任のある仕事は、向いてないんだと思います。」
「武田君。前にも話したわよね。くずさんと私が法廷で戦ったこと。」
「加藤先生が昔、会社の命令で、恋人を訴えたっていう裁判ですよね。」
「ノースアイルトン証券総務部企画室長・永見栄治の裁判だな?」
「永見は、社内で慣例化していた、不正な資金流用が、政治家への賄賂の為の
資金であることを掴んで、マスコミを通じて内部告発をしたの。
政治家絡みのスキャンダルになりかねないことだけに、会社はそれを絶対に認める訳には
いかなかった。だから永見を、職務規定違反で解雇して、名誉棄損で訴えたの。」
「もう5年になるかなー?」国光。
「絶対に勝てるはずがないと誰も引き受けようとしなかった、永見の弁護を
引き受けたのが、くずさんだった。」
ー法廷ー
証人尋問を始めるくず。
しかし、証言を約束していた証人は黙ったまま。
川田弁護士がほくそえむ。
「何も、お話することはありません。」
「田岡さん!?」
くずが川田と徹子を睨む。
更に、徹子は川田に差し出された永見の手帳を証拠として提出。
横領金額のメモと、不正入金を証明する伝票が・・・。
「全ては彼を陥れる為に、会社側が仕組んだことだった・・・。
裁判には私たちが勝った。」徹子
川田弁護士に誉められるも、浮かない徹子。
そんな中、くずに礼を言っている永見を見かける。
「本当に、ありがとうございました。」
「負けたのに、礼なんて言わないでくれ。裁判は勝たなくちゃ意味がない。」
「でも私は、くず先生のお陰で、救われました。言いたいことが言えて、すっきりした。」
「俺はほとほとこの仕事が嫌になったよ。」
「アメリカでは、内部告発者のほとんどが職を失い、17%は、家族を失い、
15%は、離婚し、10%は、自殺しているそうです。先生が、弁護をしてくれなかったら・・
きっと私は・・・生きていられなかった。先生は私に、命を与えてくれたんですよ。」
くずが顔を上げる。
「私も、あのくずさんにだって、弁護士を辞めたいと思った時があったのよ。」
「加藤先生は、それからずっと、くず先生が好きだったんですね。」武田
国光が酒を吹き出す。
そこへ、くずがやって来た。
「あー。辞めたい人がいる。」くずが茶化す。
国光が席を勧めると
「そんなしけた面子と飲むのはご勘弁!」
店を出て行く、後をが追う武田。
「大丈夫かしら?」徹子。
「さあね。」国光。
微笑む徹子。
並んで歩く武田。
「何だよ?」
「弁護士は、人の命を奪うこともあれば、人に命を与えることも出来るんですね。」
「どこかで聞きかじったこと言ってんじゃねーよ。」
「昔は結構熱かったじゃないですか!」
「俺も正直、人の人生を左右するような仕事はしたくない。でも、自分がクビ突っ込むことで、
そいつの行く道がちょっとでも明るくなるなら、首突っ込んでみようと思うだろ?
信頼と尊敬。責任、誠意、名誉。弁護士には守るべき立派なお題目がある。
けどそれにがんじがらめになっていたら、人の腹の底なんか見えやしねー。
弁護士はこうあるべきなんてことより、なりふり構わずに目の前のやつをなんとかしてやろうと思って
突っ走ることの方が、何倍も意味がある。躓かないことより、何回躓いても直ぐに
起き上がることだ。失敗した時、どう行動するか。それがお前っていう人間なんだよ。」
「僕・・・もう1度笹野さんに弁護をさせてもらうように、頼みます!」
「その必要はないよ。」
「でも、」
「だって笹野、もう一回お前に弁護頼むって言っているし。」
「本当ですか!?今度こそ、慰謝料の額を押さえられるようにちゃんと期日までにはきっと。」
「慰謝料、1円もはらう必要ねーよ。」
「どうしてですか?」
「法廷は嘘付き合って損得争うだけの場所じゃねーんだ。言えなかった
本当の気持ちをぶつける場所でもあるんだよ。」
「本当の気持ち・・・。」
「それを引き出すのがお前の仕事。」
くずはそう言い、武田に弁護士バッジを放り投げた。
手の中のバッジを見つめる武田。
ー法廷ー
被告人席に立つ笹野。
武田は退職直前の貸し剥がしを何故しなかったのか質問する。
その前に、同じケースの仕事があり、その後一家心中したらしい。
責任を感じる笹野、そして左遷を機に退職、彼女を自分のいざこざに巻き込みたくなかった
と話す笹野。
雨宮の横で聞き入るみはる。
「この男は決して無責任な男ではない。責任を感じているからこそ、
婚約を破棄したんだ。あんたのことを思っているからこそ身を引いたんだよ。」
みはるを指差すくず。
「他に女が出来たわけでもない。ましてやあんたを嫌いになった訳でもない。
本当は別れたくなんかないんだ。あんたと同じように!あんたも別れたくないから、
いつまでも解決できない要求を押し付けてきたんだろう!?」
「金盛さん、男っていうのは、本当にどうでもいいことに敏感で、肝心なことに
鈍感なんだよ。左手、見せてくれる?」
みはるが左手をそっと見せる。
「あんたは裁判中も、ずっと、婚約指輪をつけたままだった。
あんたは最初の裁判の時から、ずっとこの男にサインを出していた。
いくら頑張ったって、別れることを認めないなんて判決は出してくれないんだよ。
離婚訴訟じゃないんだから。慰謝料はもしかしたら取れるかも知れない。
でもそれでおしまいだよ!いいのか、それで!」
「・・・嫌です!裁判辞めます!」
泣き出す、みはる。
「原告は訴えを取り下げると言っています。もちろん、被告も、同意します。
裁判長!未来ある、二人の為に。」
「原告代理人は、取り下げを検討されたらどうですか?」
「・・・わかりました。」雨宮が力なく答える。
くずは鼻の絆創膏を外し、武田のほっぺにくっつけた。
一瞬むっとする武田だが、鼻に貼りなおし、嬉しそうに微笑んだ。
『さよならコスプレキャバクラパートⅡでまた会いましょう!店長真崎より』
最後のキャバクラで大はしゃぎのくず、武田、国光。
ビンゴを出した武田は、水着のキャバ嬢に囲まれ
「オッパイが、イッパイだー!!」絶叫!
「お前なんか、やっぱり弁護士辞めちまえ!!」
「辞めません!あー、弁護士やって良かった良かった!アッハッハッハ!」
「お前は言うことコロコロコロコロ変わりすぎるんだよ!」
「それはくず先生でしょー!?」
「何だとー!!」
「お前ら結構いいコンビになったなぁ。」国光
するとふたり揃って、
「どこが!」カメラ目線。
スーツのまま寝ている武田、目覚ましを止め、暫くしてから起き出して、
「遅刻だ!遅刻だ!しもうた~しもうた~!」畳で滑って転ぶ武田。
同じく白のスーツでソファに眠るくずを美月がフライパンを叩いて起こす!
「酒臭っ!お父さん!遅刻するよ!」
又横になるくずの腰を足蹴りする美月。
起きて、テーブルの上の作文を開く、
「私の夢は弁護士になる事です。」
「又、こんなもてない仕事を~!」と言いながら笑顔のくず。
笹野とみはるが揃ってお礼にやって来る。
此処に来ていなかったら別れていたかもと笹野。
仕事が見つかったら結婚すると言う。
「幸せな人を見ていると、何だか、自分も幸せになれる気がします。」徹子
「気がするだけじゃまだ遠いなー。」くず。
「あ、そうだ。そろそろ、武田君と手を打ったらどうなの?」白石が夕花に言う
「いやです。絶対に!それに、この事務所は私がいないと、事務が務まりませんから!」
「そうそう。この事務所は夕花の尻で持ってるようなものですからね。」
くずが夕花のお尻にタッチ!
「最後だから、他の所も触っちゃおうかな!?」と夕花を抱え相談室へ白石も
行く。
徹子に礼を言う武田。
「私、今回のことで思ったのよ。弁護士っていうのは、仕事と言うより、
弁護士っていう生き方なんだなって。」
「生き方・・・。」
「これからも頼んだわよ、九州男児!」
「僕、この事務所に入って本当に良かったです!」
「あれ!弁護士バッジは?」
公園で、カップメンに玉子を落とすくずと武田。
その後ろではいつもの着ぐるみ。
「あいつも仕事が辛いのかねー。働きすぎなんじゃないのー?」くず。
着ぐるみが頭の部分を外す。
「はぁ・・・。ズバっ!!」(みのもんた!)
「やっぱ、仕事はズバっとやらないとな。ズバっと!!」くず。
「あ、そういえば、僕の弁護士バッジ知りません?昨日キャバクラで落としたかなー。」
「ったく、せっかく返してやったのに。」
「あ、僕の弁護士バッジ!返してくださいよ!」
「嫌だね。」
「二つ持っててもしょうがないでしょー!」
「じゃあさ、ジョーカーじゃないほうを引いたら返してやろう。
2枚一緒に取るとどちらもジョーカーだった。
「ジョーカーは、2枚ある。二度と騙されません!」
「やっと見えてきたか。」
「はい!」
「人の腹ん中詮索して、自分さらけ出して、弁護士ってーのはホント恥ずかしい商売だよ。」
「正義と真実を追い求める。いい仕事じゃないですか!」
「正義と真実なんか追っかけたって裁判は勝てないの!」
「くず先生だってかつては正義と真実の為に戦ったじゃないですか。」
「なんじゃそりゃ。
あれ、もしかして、徹子ちゃんの昔の彼氏の裁判の話?
あれ、相当美化してるから、7割がた妄想だよ。」
「妄想?」
「婚期逃したまま40にもなると、 女ってーのは自分で勝手に物語り作っちゃうから怖いんだよ。」
「ちょっと!加藤先生の悪口言わないで下さいよ!」
「何で?」
「僕、加藤先生が大好きです!」
「あれー。結婚でもする気?」
「はい!」
「うわぁー。もう、不幸になるよ!人生終りだよ!でも、おめでとう!
じゃあもう、コイツもいらないね。ポイ!」
くずは武田の弁護士バッジをカップメンに入れてかき回した。
「あー!僕のバッジを!!何てことするんですか。この!弁護士のくず!!」
「弁護士のくずです!よろしくぅ!!」
追いかけっこするふたり。
何故か木の陰から徹子が微笑みながら見ていた。
エンディングの後、オープニングの倉庫の扉に戻って行くくずと武田。
「又やるから、見てね!」
「待っててね!」
「武ちゃんはもう出ません!」(笑)
「出ますよ!!」(笑)
扉が閉まる。
(爆笑ですね!)
もう決まったのかしら!?
HPチェックしなくちゃ!
<キャスト>
九頭元人(くず もとひと) (40) … 豊川悦司
武田真実(たけだ まさみ) (28) … 伊藤英明
小俣夕花(おまた ゆうか) (26) … 星野亜希
国光裕次郎(くにみつ ゆうじろう) (48) … モト冬樹
白石誠(しらい しまこと) (60) … 北村総一朗
加藤徹子(かとう てつこ) (39) … 高島礼子
秋野美月(あきの みづき)・・・村崎真彩
<ゲスト・キャスト>
笹野優司 ・・・坂本昌行
金盛みはる ・・・畑野ひろ子
みはるの母 ・・・田島令子
雨宮弁護士・・・西岡徳馬
川田弁護士 ・・・佐野史郎
(九頭が弁護した内部告発の被告)
永見栄次・・・小木茂光
犬の着ぐるみ・・・みのもんた
笹野(坂本昌行)の元へ、婚約者・みはる(畑野ひろ子)から
慰謝料請求の内容証明が送られてきた。
笹野は慰謝料の支払い方の相談で、九頭(豊川悦司)と武田(伊藤英明)の
元を訪れる。武田は、
「みはるが銀行マンという肩書きで結婚する・しないを決めるのか」
と憤慨するが、笹野は
「自分が悪いから慰謝料の支払いを進めて欲しい」と頼む。
ところが、みはるの代理人から500万円の慰謝料では納得がいかないと
言い出したと聞き、何度かやり取りするうちに結局裁判で争うことになってしまう。
一方、裁判中に突然みはるが白石事務所を訪ねてきた。
「慰謝料の件で」というみはるを、武田は双方に弁護士が入っているので
本人と直接交渉出来ないと帰してしまう。
何のために訪ねて来たのか気になっていた矢先、武田のところにみはるが
睡眠薬を多く飲みすぎ病院に運ばれたと連絡が入る。
あわてて病院へ駆けつけた武田は、笹野から解任を言い渡される。
自分を責める武田は・・・。
公式HPより
事務所で、ピンクレディーの「UFO」の練習をする、夕花と武田。
鉢巻で熱血指導する徹子、フサフサを持って応援する、くずと白石。
弁護士会の納涼浴衣祭りの出し物らしい・・・。
何だか、凄い熱の入れようの徹子。
「法廷よりも力入ってるんだからね!」白石
「法廷よりって・・・」武田
「余興の練習のつもりが、徹子ちゃん世代だから火がついちゃって・・・」
「僕には出来ません・・!!ミーちゃんのステップは僕には高度すぎます!!」
「これはね、ここの新人弁護士が避けては通れない道なのよ!!」と徹子
「これぐらい出来ないなら、弁護士なんて辞めちまえ!」とくず
「これからの司法制度改革で、弁護士の数も増えるんだから、
歌って踊れるに越したことはないですよ。」白石が言う
(歌って踊れる弁護士って・・・)
「売りのない弁護士は、依頼が来なくなるかもしれないわよ!」と徹子。
「俺、転職しようかなー?楽でお姉ちゃんがいっぱいいて、金が儲かる
仕事がいいなー。」とくず。
「くず先生は弁護士の仕事に品位と誇りをもっと持って下さいよ!」と武田。
キラリン!(効果音)
「バカヤロウ!俺ほど仕事熱心で上品で、誇り高い弁護士は、おりゃしまへんで~!」
(カメラ目線で、ポーズ。)
一転、相談室でいびきをかくくず。
蔑んだ目で、くずを見た後、依頼人の笹野と話し出す、武田。
銀行を辞めて、カレー屋を始めようとしたら、婚約を解消され、慰謝料請求の内容証明が
送られて来たのだと話す笹野は自分が悪いので、お金を払って欲しいと、準備よく
請求額の500万を持って来ていました。
慰謝料を持って相手方弁護士雨宮の事務所に出向くふたりだったが、依頼人の元婚約者
みはるがもう100万、合計600万に金額を変更してきたらしい。
金額が不当だと話す武田。
しかし、くずは
「払いますよ!600万」
と気軽に受けてしまう。
「何言ってるんですか!依頼人に何の承諾もなく!?」
「いいじゃん!俺の金じゃないんだし!」と笑顔。
雨宮と電話で話すみはる。
依頼通りになりそうだと言われると、途端に顔色が曇り、
「私、600万じゃ納得出来なくなりました。700万円支払うように
伝えてください。お願いします!」
そう言い電話を切ってしまう。
受話器置いた左手の薬指にはダイヤの婚約指輪が・・・。
「ほんと!それぐらい貰わないと、気が済まないわよね!
大事な一人娘を傷物にした、とんでもない男だもの!」
みはるの母親がテーブルにお茶を置きながら叫ぶ。
「将来の夢」と書かれた原稿用紙を前に、一行も進まない美月。
鉛筆を鼻の下に挟んで、眉間にしわ。
「眉間は幸せの通り道だからね。あんまりしわ寄せると、
幸せにしわ寄せがきちゃうよ。」とくず。
「宿題でね、『将来の夢』っていう作文書かなくちゃいけないの。」
「あー。ナースかスッチーか、ミニスカポリスがいいんじゃない?
男の子にモテるよ!」
「モテなくても、やりがいのある仕事につきたいの!」
「うーん。そういう危険な発想していると、加藤徹子先生みたいに
売れ残っちゃうんだよ!」
「ハックション!」
徹子がいつもの居酒屋でくしゃみをする。
飲んでいるのは「百年の孤独」という名の焼酎。(爆)
ベランダに出ながら美月がくずに質問する。
「何でお父さんは弁護士になったの?」
「うん?お金が儲かりそうだから!」
「じゃあ何で今全然儲かってないの?」
「仕事ってーのはね、なかなか思い通りにはいかないんだよ。」
「女弁護士、カッコいいよねー!”逃げる場所は、ありませんよ!”」
「あれ面白いよなー。俺もあっちに出たかったな~!」
微笑みながら顔を見合わせ、カメラ目線で、二人一緒に、
「逃げる場所は、ありませんよ!!」
(決まった~「7人の女弁護士」(テレ朝)の決め台詞。)
笹野に慰謝料が700万になったと伝えると、
「700万!?」
一旦驚くが、それで彼女の気が済むなら・・・と受ける気らしい。
そんな笹野にくずは今度は800万って言って来るかも知れないよと忠告。
裁判で話し合った方が金額が下がるかもと提案される。
武田が開業資金は1円でも多い方がいいですよね。と言うと
「開業?」と言いかけて、
「そうですね。」
慌てたように認める笹野。
興味深そうに見つめるくず。
ー第一回口頭弁論ー
被告が会社を辞めた理由について、元上司に証言してもらう雨宮。
融資資金の回収を命じられていた笹野はその指示に従わず、左遷され、その後退職した
とのことだった。
更に、雨宮はカレー屋を始めると言う笹野にブーケガルニについて聞いたり、
原価率や、客の回転率について質問するも、答えられず、シドロモドロの笹野。
夢のために会社を辞めたなどと言っているが、無責任に仕事を放棄し、左遷が耐えられず
辞めたのだと指摘。
武田が婚約を破棄してきたのはみはるの方だと話すと、
笹野の方だと言われてしまう。
笹野に確認すると、そうだと答え、武田は。愕然
くずは
「ありゃりゃ、こりゃりゃ・・。」と笑顔
裁判所を後にする際、ソファに腰掛けるみはると偶然鉢合わせしてしまい、
バツが悪そうなふたり、しかし、くずはみはるの指の婚約指輪を見逃さなかった。
笹野が本当のことを話してくれなかったことにショックを受ける武田。
自分から言われたより、自分が振られた形の方が、彼女が傷つかないのではないかと思ったと笹野
次で巻き返そうと前向きな武田に、くずが彼女が金に汚いとかそういう、マル秘エピソード
などが欲しいと茶化すと、
笹野が本気で怒った。
たった一人、一生一緒に生きていこうと決めた女性なのだと・・・。
くずはそんな笹野を見つめる。
そして、コーヒーを取りに武田が席を立つと、
どうして、貸し剥がしをしなかったのか聞いてみるのだった。
「あまり、言いたくないんですけど・・・」話し出す笹野
笹野が帰った後、いつものようにトランプを取り出したくずは武田に
「お前の直感力をテストするどっちがジョーカーだ?ジョーカー引いたら負けね。」
ジョーカーを引き当てる武田。
「しもうた~!」
白石が武田に、単独の依頼も受けてみてはどうかと提案、徹子や夕花に励まされ
喜び、俄然張り切る武田。
すると、くずは後は任せたと出て行く。
そこに、みはるが単独で訪ねて来た。
双方に弁護士が立っている場合は、相手方の弁護士に内緒で直接交渉することは
禁じられているのだと話し、雨宮に連絡を取ろうとする、しかし、みはるは
決まりがあるんですねと言い残し、そのまま追いかける武田を置いて、去って行く。
徹子といつもの居酒屋で飲んでも、その事が気になって仕方がない・・・。
すると笹野からみはるが病院に運ばれたと連絡が入る。
この一件以来、不眠に悩まされていたみはるが睡眠薬を多く飲みすぎたということだった
武田は責任を感じ、しかも、笹野に弁護士を解雇されてしまう。
くずに解任の報告に行く武田、落ち込む武田に生きていたからセーフだとくず。
人の生死をゲームのように言うなという武田の胸倉を掴んで、
「人が死ぬことにビビったら、弁護士なんて続かねーんだよ!弁護士のやり方一つで、
無期懲役か死刑か、1人の人間の生死が決まることだってあるわけだ!」
「責任が重い仕事だっていうのは、弁護士を志した時からわかってましたよ!
でも・・・」
「医者だって患者を全部救えるわけじゃねーよ。弁護士だって10人のうち
1人救えりゃ御の字なんだよ!」
「9人は、死んでもいいってことですか!?」
「それでも続けるか、放り出すかは、人、それぞれだ。」
それだけ言うと、くずは武田を置いて去って行った。
もう一度みはるの病室を訪れる武田、しかし、みはるの母から人間として最低だと罵られ、
更に落ち込む武田。
事務所の相談室で白石と話す武田。
「それは、弁護士を辞めるってことかい?」白石
「まだ、決めたわけじゃないんですけど、
僕には、弁護士の仕事は荷が重過ぎるようで・・・。」
「お前辞めんの?」顔を出すくず。
「な、何ですか、いきなり!」
「あのね、新人が暗い顔をしてお話がありますって時は、
辞める話に決まってんの。ねー、白石先生!」
「うん、パターンっていえばパターンだからね。」
「よし、1クールか。俺のどんぴしゃ勝利!掛け金倍額!」
「掛け金?」
何とくずと組んだ武田がいつ辞めるのか、事務所の仲間が賭けていたらしい。
「白石先生まで・・・」
「いやいや、あんまりね、頻繁に新人の先生が辞めていくからさ、慣れっこっていうか、
それを楽しむ余裕が出てきちゃったんだよ。」
「お前今更辞めませんなんて言うなよ!俺のどんぴしゃ賞がチャラになるから!
ああ、ついでにバッジも、没シュートね!」
「・・・・・」
「何だよ。泣いて引き止められると思ったのか?」
「・・引継ぎは、ちゃんとしますから。」
白石が武田にカバンを渡す。
「・・・お世話になりました!」
武田が出て行く。
裁判所への道すがら、すれ違う人並みの胸の弁護士バッチに視線をやる武田。
裁判所の石垣の前に初めて立った時のことを思い出す。
「くずさんが、此処じゃないかって。」徹子
「さっきのこと本気にしたの?冗談に決まってるじゃない!」
「僕は、本気で悩んでいるんです。」
「九州男児は、辞めろって言われたら、辞めませんって言うと思った、
そんなに単純じゃないか・・・。」
「裁判関係者が死に掛けた上に、僕は・・・解任されたんです。」
「みんな、武田君に辞めてほしくないのよ。この仕事は、やりきれないことが
次から次へと起こるから、時には、勢いを付けて乗り越えていかなくちゃ!」
肩を叩くと、触れた体を離し、
「僕は、今の状況を勢いで乗り越えられるほど、強くも鈍感でもありません。」
裁判所から出てきた国光に、
「今日はいつものコンビじゃないんだ、若先生?」と言われると、
「もう、コンビじゃありません!」
そう言い去って行く。
「国光さん、ちょっと付き合ってもらえませんか?」徹子
笹野がアパート似帰ると、前の公園で子供たちと遊ぶくずに気づく。
「どうも!」とくずが挨拶する。
徹子と国光は武田をスナックに連れていく。
「話はわかったけどさ。何も辞める必要はないんじゃないのか?」
「僕には、人の命を奪うかもしれないほど責任のある仕事は、向いてないんだと思います。」
「武田君。前にも話したわよね。くずさんと私が法廷で戦ったこと。」
「加藤先生が昔、会社の命令で、恋人を訴えたっていう裁判ですよね。」
「ノースアイルトン証券総務部企画室長・永見栄治の裁判だな?」
「永見は、社内で慣例化していた、不正な資金流用が、政治家への賄賂の為の
資金であることを掴んで、マスコミを通じて内部告発をしたの。
政治家絡みのスキャンダルになりかねないことだけに、会社はそれを絶対に認める訳には
いかなかった。だから永見を、職務規定違反で解雇して、名誉棄損で訴えたの。」
「もう5年になるかなー?」国光。
「絶対に勝てるはずがないと誰も引き受けようとしなかった、永見の弁護を
引き受けたのが、くずさんだった。」
ー法廷ー
証人尋問を始めるくず。
しかし、証言を約束していた証人は黙ったまま。
川田弁護士がほくそえむ。
「何も、お話することはありません。」
「田岡さん!?」
くずが川田と徹子を睨む。
更に、徹子は川田に差し出された永見の手帳を証拠として提出。
横領金額のメモと、不正入金を証明する伝票が・・・。
「全ては彼を陥れる為に、会社側が仕組んだことだった・・・。
裁判には私たちが勝った。」徹子
川田弁護士に誉められるも、浮かない徹子。
そんな中、くずに礼を言っている永見を見かける。
「本当に、ありがとうございました。」
「負けたのに、礼なんて言わないでくれ。裁判は勝たなくちゃ意味がない。」
「でも私は、くず先生のお陰で、救われました。言いたいことが言えて、すっきりした。」
「俺はほとほとこの仕事が嫌になったよ。」
「アメリカでは、内部告発者のほとんどが職を失い、17%は、家族を失い、
15%は、離婚し、10%は、自殺しているそうです。先生が、弁護をしてくれなかったら・・
きっと私は・・・生きていられなかった。先生は私に、命を与えてくれたんですよ。」
くずが顔を上げる。
「私も、あのくずさんにだって、弁護士を辞めたいと思った時があったのよ。」
「加藤先生は、それからずっと、くず先生が好きだったんですね。」武田
国光が酒を吹き出す。
そこへ、くずがやって来た。
「あー。辞めたい人がいる。」くずが茶化す。
国光が席を勧めると
「そんなしけた面子と飲むのはご勘弁!」
店を出て行く、後をが追う武田。
「大丈夫かしら?」徹子。
「さあね。」国光。
微笑む徹子。
並んで歩く武田。
「何だよ?」
「弁護士は、人の命を奪うこともあれば、人に命を与えることも出来るんですね。」
「どこかで聞きかじったこと言ってんじゃねーよ。」
「昔は結構熱かったじゃないですか!」
「俺も正直、人の人生を左右するような仕事はしたくない。でも、自分がクビ突っ込むことで、
そいつの行く道がちょっとでも明るくなるなら、首突っ込んでみようと思うだろ?
信頼と尊敬。責任、誠意、名誉。弁護士には守るべき立派なお題目がある。
けどそれにがんじがらめになっていたら、人の腹の底なんか見えやしねー。
弁護士はこうあるべきなんてことより、なりふり構わずに目の前のやつをなんとかしてやろうと思って
突っ走ることの方が、何倍も意味がある。躓かないことより、何回躓いても直ぐに
起き上がることだ。失敗した時、どう行動するか。それがお前っていう人間なんだよ。」
「僕・・・もう1度笹野さんに弁護をさせてもらうように、頼みます!」
「その必要はないよ。」
「でも、」
「だって笹野、もう一回お前に弁護頼むって言っているし。」
「本当ですか!?今度こそ、慰謝料の額を押さえられるようにちゃんと期日までにはきっと。」
「慰謝料、1円もはらう必要ねーよ。」
「どうしてですか?」
「法廷は嘘付き合って損得争うだけの場所じゃねーんだ。言えなかった
本当の気持ちをぶつける場所でもあるんだよ。」
「本当の気持ち・・・。」
「それを引き出すのがお前の仕事。」
くずはそう言い、武田に弁護士バッジを放り投げた。
手の中のバッジを見つめる武田。
ー法廷ー
被告人席に立つ笹野。
武田は退職直前の貸し剥がしを何故しなかったのか質問する。
その前に、同じケースの仕事があり、その後一家心中したらしい。
責任を感じる笹野、そして左遷を機に退職、彼女を自分のいざこざに巻き込みたくなかった
と話す笹野。
雨宮の横で聞き入るみはる。
「この男は決して無責任な男ではない。責任を感じているからこそ、
婚約を破棄したんだ。あんたのことを思っているからこそ身を引いたんだよ。」
みはるを指差すくず。
「他に女が出来たわけでもない。ましてやあんたを嫌いになった訳でもない。
本当は別れたくなんかないんだ。あんたと同じように!あんたも別れたくないから、
いつまでも解決できない要求を押し付けてきたんだろう!?」
「金盛さん、男っていうのは、本当にどうでもいいことに敏感で、肝心なことに
鈍感なんだよ。左手、見せてくれる?」
みはるが左手をそっと見せる。
「あんたは裁判中も、ずっと、婚約指輪をつけたままだった。
あんたは最初の裁判の時から、ずっとこの男にサインを出していた。
いくら頑張ったって、別れることを認めないなんて判決は出してくれないんだよ。
離婚訴訟じゃないんだから。慰謝料はもしかしたら取れるかも知れない。
でもそれでおしまいだよ!いいのか、それで!」
「・・・嫌です!裁判辞めます!」
泣き出す、みはる。
「原告は訴えを取り下げると言っています。もちろん、被告も、同意します。
裁判長!未来ある、二人の為に。」
「原告代理人は、取り下げを検討されたらどうですか?」
「・・・わかりました。」雨宮が力なく答える。
くずは鼻の絆創膏を外し、武田のほっぺにくっつけた。
一瞬むっとする武田だが、鼻に貼りなおし、嬉しそうに微笑んだ。
『さよならコスプレキャバクラパートⅡでまた会いましょう!店長真崎より』
最後のキャバクラで大はしゃぎのくず、武田、国光。
ビンゴを出した武田は、水着のキャバ嬢に囲まれ
「オッパイが、イッパイだー!!」絶叫!
「お前なんか、やっぱり弁護士辞めちまえ!!」
「辞めません!あー、弁護士やって良かった良かった!アッハッハッハ!」
「お前は言うことコロコロコロコロ変わりすぎるんだよ!」
「それはくず先生でしょー!?」
「何だとー!!」
「お前ら結構いいコンビになったなぁ。」国光
するとふたり揃って、
「どこが!」カメラ目線。
スーツのまま寝ている武田、目覚ましを止め、暫くしてから起き出して、
「遅刻だ!遅刻だ!しもうた~しもうた~!」畳で滑って転ぶ武田。
同じく白のスーツでソファに眠るくずを美月がフライパンを叩いて起こす!
「酒臭っ!お父さん!遅刻するよ!」
又横になるくずの腰を足蹴りする美月。
起きて、テーブルの上の作文を開く、
「私の夢は弁護士になる事です。」
「又、こんなもてない仕事を~!」と言いながら笑顔のくず。
笹野とみはるが揃ってお礼にやって来る。
此処に来ていなかったら別れていたかもと笹野。
仕事が見つかったら結婚すると言う。
「幸せな人を見ていると、何だか、自分も幸せになれる気がします。」徹子
「気がするだけじゃまだ遠いなー。」くず。
「あ、そうだ。そろそろ、武田君と手を打ったらどうなの?」白石が夕花に言う
「いやです。絶対に!それに、この事務所は私がいないと、事務が務まりませんから!」
「そうそう。この事務所は夕花の尻で持ってるようなものですからね。」
くずが夕花のお尻にタッチ!
「最後だから、他の所も触っちゃおうかな!?」と夕花を抱え相談室へ白石も
行く。
徹子に礼を言う武田。
「私、今回のことで思ったのよ。弁護士っていうのは、仕事と言うより、
弁護士っていう生き方なんだなって。」
「生き方・・・。」
「これからも頼んだわよ、九州男児!」
「僕、この事務所に入って本当に良かったです!」
「あれ!弁護士バッジは?」
公園で、カップメンに玉子を落とすくずと武田。
その後ろではいつもの着ぐるみ。
「あいつも仕事が辛いのかねー。働きすぎなんじゃないのー?」くず。
着ぐるみが頭の部分を外す。
「はぁ・・・。ズバっ!!」(みのもんた!)
「やっぱ、仕事はズバっとやらないとな。ズバっと!!」くず。
「あ、そういえば、僕の弁護士バッジ知りません?昨日キャバクラで落としたかなー。」
「ったく、せっかく返してやったのに。」
「あ、僕の弁護士バッジ!返してくださいよ!」
「嫌だね。」
「二つ持っててもしょうがないでしょー!」
「じゃあさ、ジョーカーじゃないほうを引いたら返してやろう。
2枚一緒に取るとどちらもジョーカーだった。
「ジョーカーは、2枚ある。二度と騙されません!」
「やっと見えてきたか。」
「はい!」
「人の腹ん中詮索して、自分さらけ出して、弁護士ってーのはホント恥ずかしい商売だよ。」
「正義と真実を追い求める。いい仕事じゃないですか!」
「正義と真実なんか追っかけたって裁判は勝てないの!」
「くず先生だってかつては正義と真実の為に戦ったじゃないですか。」
「なんじゃそりゃ。
あれ、もしかして、徹子ちゃんの昔の彼氏の裁判の話?
あれ、相当美化してるから、7割がた妄想だよ。」
「妄想?」
「婚期逃したまま40にもなると、 女ってーのは自分で勝手に物語り作っちゃうから怖いんだよ。」
「ちょっと!加藤先生の悪口言わないで下さいよ!」
「何で?」
「僕、加藤先生が大好きです!」
「あれー。結婚でもする気?」
「はい!」
「うわぁー。もう、不幸になるよ!人生終りだよ!でも、おめでとう!
じゃあもう、コイツもいらないね。ポイ!」
くずは武田の弁護士バッジをカップメンに入れてかき回した。
「あー!僕のバッジを!!何てことするんですか。この!弁護士のくず!!」
「弁護士のくずです!よろしくぅ!!」
追いかけっこするふたり。
何故か木の陰から徹子が微笑みながら見ていた。
エンディングの後、オープニングの倉庫の扉に戻って行くくずと武田。
「又やるから、見てね!」
「待っててね!」
「武ちゃんはもう出ません!」(笑)
「出ますよ!!」(笑)
扉が閉まる。
(爆笑ですね!)
もう決まったのかしら!?
HPチェックしなくちゃ!
<キャスト>
九頭元人(くず もとひと) (40) … 豊川悦司
武田真実(たけだ まさみ) (28) … 伊藤英明
小俣夕花(おまた ゆうか) (26) … 星野亜希
国光裕次郎(くにみつ ゆうじろう) (48) … モト冬樹
白石誠(しらい しまこと) (60) … 北村総一朗
加藤徹子(かとう てつこ) (39) … 高島礼子
秋野美月(あきの みづき)・・・村崎真彩
<ゲスト・キャスト>
笹野優司 ・・・坂本昌行
金盛みはる ・・・畑野ひろ子
みはるの母 ・・・田島令子
雨宮弁護士・・・西岡徳馬
川田弁護士 ・・・佐野史郎
(九頭が弁護した内部告発の被告)
永見栄次・・・小木茂光
犬の着ぐるみ・・・みのもんた