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上手に楽に老いている人」と「下手に苦しく老いている人」の意外な違い

2024年05月18日 06時05分27秒 | 天候のこと

「上手に楽に老いている人」と「下手に苦しく老いている人」の意外な違い(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース


「上手に楽に老いている人」と「下手に苦しく老いている人」の意外な違い
12/20(水) 7:03配信


現代ビジネス
PHOTO by iStock


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老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化が進みます。目が見えにくくなり、耳が遠くなり、もの忘れがひどくなり、人の名前が出てこなくなり、指示代名詞ばかり口にするようになり、動きがノロくなって、鈍くさくなり、力がなくなり、ヨタヨタするようになります。
世の中にはそれを肯定する言説や情報があふれていますが、果たしてそのような絵空事で安心していてよいのでしょうか。
医師として多くの高齢者に接してきた著者が、上手に楽に老いている人、下手に苦しく老いている人を見てきた経験から、初体験の「老い」を失敗しない方法について語ります。
*本記事は、久坂部羊『人はどう老いるのか』(講談社現代新書)を抜粋、編集したものです。
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【写真】「上手に楽に老いている人」と「下手に苦しく老いている人」の意外な違い


上手に老いる方法
 「人はどう老いるのか」というタイトルから、人間の老いに関するメカニズムや、老化による細胞の変化、筋肉や内臓のタンパク量の減少などについて、医学的な解説を期待されるかもしれませんが、そういうことは他書に委ねます。現在、解明されている老化現象に対する知見は、あまりおもしろくないし、知ったところで上手に老いられるわけではありませんから。


 老いに関する本でよく読まれているのは、老いを止める、あるいは遅くする方法を論じたものでしょう。それも他書に任せます。そういうノウハウや指導、お勧めもいろいろあるようですが、たいていは眉唾もので、気休め、あるいは当たるも八卦当たらぬも八卦の類いがほとんどだからです。


 そもそも老化を遅くする方策(運動、食事、サプリメント、薬剤など)を講じて、若々しさを保ったとしても、その方策のおかげとは言い切れません。その方策を講じてなくても、もともと若々しかった可能性が否定できないからです。


 科学的に効果を証明するためには、ある方策を講じたグループと、講じていないグループを無作為に分けて、大規模で長期間比較しなければなりません(「大規模無作為化比較試験」といいます)。そんな比較試験は事実上、むずかしいでしょう。実施しようとすれば、だれしも方策を講じるグループに入りたいと願いますから。


 ましてや若々しさの指標をどう決めるのか。運動機能なのか、記憶力なのか、神経伝達速度なのか。どれを指標に決めたところで、その成績がよいからといって、楽に老いられるわけではありません。老いにはさまざまな側面があり、人によって受け止め方もちがうからです。老化現象が進んでいても、精神的に満たされた人はいますし、若々しいのに不平不満を抱えている人もたくさんいます。


 上手に楽に老いるには、老いの実例をいろいろ見て、参考にするのがいいでしょう。私自身、その経験が大いに役立っていると感じます。


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重症度と苦悩の深さが一致しない
 最初に意外だったのは、高齢者の多くがごく当たり前のことで、悩んだり嘆いたりしていることでした。


 腰が痛い、膝が痛い、さっさと歩けない、細かい字が読めない書けない、もの忘れが激しいなど、当時まだ四十代だった私には、老いれば当然のことと思えることばかりでした。それなのに当人は、「なんでこんなことになったのか」「こんなことになるとは思わなかった」と嘆くのです。あたかもまったくの想定外の不幸に見舞われて、苦しんでいるという感じでした。


 それはつまり心の準備が足りなかったということでしょう。「いつまでも元気で若々しく」とか、「最後まで自分らしく」などの無責任なきれい事情報に惑わされていたから、実際の老いであちこちに不具合が起こると、「なんでこんなことに」「こんなことになるとは」と、落ち込んでいたのです。


 その一方で、「年を取ったらこんなもんですわ」と、さまざまな老化による不具合を受け入れている人もいました。ある男性は腰痛のせいでほとんど歩けないのに、治療を求めようとしません。高齢者医療の新米だった私は、なんとかその腰痛を治したいと思い、あれこれ治療法を提案しましたが、男性は首を横に振るばかりでした。そしてニヤリと笑ってこう言うのです。


 「この腰痛は年のせいやから、どうしようもおませんな。これが治せたら、先生はよっぽどの名医で
すわ」


 端(はな)から治してもらう気はなく、若気の至りで力む私を憐れむような、揶揄するような感じでした。


 それとは別に、八十二歳のある女性は脳梗塞で左半身不随になり、デイケアで懸命に歩行訓練のリハビリをしていました。その効果があって、入所時よりかなり状況が改善したので、私は励ます意味も込めて、「だいぶ速く歩けるようになりましたね」と声をかけました。


 すると、彼女は険しい顔でキッと私をにらみ、「もっとさっさと歩けるようになりたいんです」と応えました。彼女は右半身が自由で言語障害もなく、頭もしっかりしていたので、残っている機能を使えばいくらでも楽しむことができるのに、生来、まじめで努力家の彼女は、麻痺した左半身を回復させることで頭がいっぱいのようでした。


 片や、別の七十九歳のある男性は、やはり脳梗塞でしたが、先の女性より症状は重く、歩行不能で車椅子を使っていました。リハビリをすれば、歩行器を使えるくらいに回復しそうだったので、スタッフや私が度々リハビリを勧めるのですが、本人にはまったくその気がありません。デイケアで入浴したあとなど、私が「身体を温めると筋肉がほぐれて、リハビリの効果も出やすいですよ」と勧めても、笑顔で手を振り、「車椅子が楽でええんですわ」と言うばかりです。


 杖歩行ができる先の女性と、車椅子の男性を比べれば、男性のほうが症状が重いのは明らかです。しかし、悩みや嘆きの深さは、症状が軽い女性のほうが重い。ふつうは病気の症状が重ければ悩みや心配も大きいはずです。それが必ずしも通用しないのが、高齢者の世界だと気づきました。


 さらに続きとなる<ご飯の上にオシッコをされたり、スリッパの上にウンコが載せてあったり…94歳の「老人デイケアのアイドル」>では、著者が経験したデイケアの出来事について語ります。

全文は、リンクで、

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