アイ!サラマッポ in バギオ

フィリピン人介護者のケアを受けながらの、フィリピンでのインディペンデント・リヴィング…、心の赴くまま、ここに記します。

インドネシア人介護奮闘記「ボクがそばにいますから」(NHK)を見て。

2009-08-20 18:05:15 | フィリピン人看護師・介護士(Caregiver)

 昨日19日の午前中、NHKワールドで、「ボクがそばにいますから~インドネシア人介護奮闘記~」という25分間のドキュメンタリー番組を見ました。
 
日本とインドネシア間で結ばれたEPA(日尼経済連携協定)により、昨年の8月に来日したインドネシア人男性「チェチェップさん」と「ヘンリーさん」の介護現場での奮闘ぶりが映し出されていました。
 
その時に来日したインドネシア人の介護福祉士候補者の約100人が、1年経った現在、24都府県51の受け入れ施設で研修(仕事)をしながら、日本語と、3年後の介護福祉士国家試験に向けての勉強をしています。
 
23歳の二人が働いているのは、佐賀県多久市の特別養護老人ホームで、入所しているお年寄りは80人、その平均年齢が86歳で認知症の方が多いとのことでした。でも、当然ながら一人ひとり症状が違いますから、ケアの仕方、接し方も違ってくるでしょう。
 
お年寄りとのコミュニケーションは、日本人でも難しいでしょうが、体が不自由で認知症がある場合など、彼らにとってはまさに手探りの、困惑の日々だと思います。日々の勤務交代の際の申し送りも「ハヤスギテ、ワカリマセン…。」と。
 
現場では「寝させてください。」と「起こしてください。」を繰り返すお年寄りに、「一体どうしたらよいのだろう…?」とぼう然と思い悩むチェチェップさん。「できることなら、言われるようにしてあげたいけど…。」そこに付きっきりでいられる訳もありません。
「インドネシアには、お年寄りのためのこのような施設はない…。」と言います。認知症のお年寄り自体がほとんどいない、ということですから、慣れない異国での初めて経験する介護は、さぞ大変なことでしょう。そうした事情は、イスラム教徒(インドネシア)とキリスト教徒(フィリピン)という違いはあっても、国内事情はフィリピンと似通っています。
 
家族を養うために、自分の将来のためにと、意を決して応募した彼らでしょうが、母国の家族、祖父母のそばにいて孝行ができない、というジレンマを抱えながら、目の前の、彼らを必要としているお年寄りたちに、「不安を取り除いてあげたい、家族のつもりで接したい…。」とあたたかく接しようとする純真な二人です。二人とも、お給料の半分以上はインドネシアの家族に送金しているそうです。
 
施設側としても、渡航費と滞在費を負担し、13万円の月給を支払う上に、日本語や、一度きりのチャンスである3年後の国家試験にパスしてもらうために、できるだけのサポートをしているようでした。でも、施設側にしても、お年寄りの生命を預かっているのですから、二人に早く仕事に慣れてほしいと期待する半面、不安を抱えながらの見切り発車だったのでしょう。その一方で、お年寄りとの接し方を見て、「忘れていた何かを教えられる」と言う日本人スタッフの言葉も耳に残りました。
 
チェチェップさんが、「ボクのなまえ、おぼえましたか?」と何度も伝えようとした挙句、「ケチャップでいいですよ。」と笑うと、お年寄りが「ああ、チェチェップ!」と…。(^^
 
そして一言、「ボクがここにいますから、安心してくださいね。」

 さて、こんな美談の後で何ですが、こちらは、ジェンさんの抜けた後、8月に入って2人の介護の応募者にO...On the Job Training-見習い期間の介護の練習)を提供してきましたが、その2人ともそれぞれに思ってもみなかった(ここではありがち…)出来事が起き、専従介護者と日本人の友人とも相談の上、O...をそれぞれ中断しました。ジェンさんの存在の大きさを改めて感じています。
 でも、まだまだ余裕、余裕…(^^;)。



最新の画像もっと見る