弁護士美和のブログ つづりまとめ

 弁護士 美 和 勇 夫

東京高裁長官らを脅迫、強要、公務員職権濫用罪で告発しました

2018-11-08 18:02:42 | Weblog



東京高裁長官と事務局長が、岡口裁判官を長官室によびつけ、はげしい剣幕で一時間に渡って、

「ツイッターをやめなさい」「やめなければ分限裁判にかけてクビにつながることもある」と迫った事は・・・・・、

「脅迫罪」「公務員職権濫用罪」にあたるとして有志弁護士3名(美和・浅井・林)で、平成30年9月13日、9月18日、

 最高検察庁などへ処罰を求め告発した。


   事件は最高検察庁より東京地方検察庁の特捜部へ回送された(平成30年9月19日、9月20日)




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  〈岡口裁判官の陳述書〉

 平成30年6月19日付で岡口基一裁判官が東京高裁分限事件の調査委員会へ提出したA4版二枚の陳述書がある。(要約)

① 長官室によばれツイッターについて今すぐにやめなさいと強く迫られました。

② ツイッターと裁判官としての仕事のどちらが大事なのかと激しい剣幕で迫られた。ツイッターをおよそ止めなさいというのは表現の自由  に対する明らかな侵害です。

③ツイッターをやめると口にせず黙っていると、二人は「やめなければ分限裁判にかけてクビにしてしまうぞ」と脅しはじめました。ツイッ  ターを止めやさせようと強要したのですから刑法上の強要罪にも該当しかねません。

④ このような辛い時間が一時間近くも続いた。

⑤事務局長は「君ね 今 長官が何をおっしゃっているかわかってる?」
 「分限裁判で首になってしまったら、裁判官の仕事は出来なくなってしまうんだよ」と発言されました。

⑤帰りがけに事務局長は、私に電話をするように言いました。

⑥ 電話をすると事務局長は念を押すように「ツイッターを止めるように」迫りました。

⑦私が止めると言わなかったところ「君 変わってるね」と私を侮辱する発言をされて一方的に電話を切られました。

⑧長官は私を分限裁判にかけるための具体的な手続きに着手されました。


〈 告発を受けた東京地検特捜部の対応〉

 東京地検は「御検討いただきたい」と述べて、脅迫、職権濫用罪の告発状をなんと速達で返送(返戻)してきた。
      (平成30年9月25日)

① 本件は岡口氏の告訴によるものでなく、第三者による告発となっているが、本人に処罰意思がない場合はその意向を無視して捜査を開始  する事には疑問がある。

② 岡口氏はツイッターをやめるとは言っていないようであり、公務員職権濫用罪の既遂要件(妨害した)の疎明がない。

③ このような事情を考慮の上、告発については改めてご検討いただきたい。

④ 告発状と題する書面はいったん返戻させていただきます。




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   〈当方の反論、告発状の再提出〉(平成30年10月4日)



① 検察庁は「個人的法益」にかかる犯罪について、被害者に処罰意思がなくとも起訴をしているではないか!

② 岡口氏に処罰意思があるかどうかは検察庁が捜査を開始して問い合わせればすむ事である。

③ 岡口氏は9月17日付のブログで、憲法、木村草太教授の沖縄タイムズの記事をアップしている。

  同教授は「今回懲戒処分を受けるべきは岡口裁判官ではなくて長官ではないだろうか」と述べている。(憲法の新手)

④ 職権濫用罪は不起訴について東京地裁への「付審判の申立」が出来、きわめて公共性の高い犯罪である。

⑤ 最高裁判例解説、H1.103ページ「盗聴事件」によれば・・・

「公務員職権濫用罪は電話の盗聴に成功したことを要するのでなく、通信の秘密、プライバシーの保護の見地から盗聴可能な状態を作出した

 こと自体で権利侵害があった(妨害した)と考えることも可能である


〈 東京地検特捜部の再対応〉
  
        (平成30年10月10日)
 


 またも「御検討いただきたい」として告発状をごていねいに速達で返送(返戻)してこられた。

① 前回もお伝えしたように、当方は被害者本人が告訴しておらず処罰意思がない場合にその意向を無視して刑事事件の捜査をすることには  疑問があると考えています。

② 検察官から岡口氏に捜査協力、意思を確認すればそのこと自体で捜査を開始したと見られることになるがこれは、係属中の分限裁判にな  
  んらかの影響を及ぼす可能性がある。

       (注:平成30年10月17日、分限裁判・大法廷は懲戒の決定を下した)

③ 公務員職権濫用罪には権利の行使を妨害することが必要で、権利の具体的な実現が現に妨げられることが必要と解されています。
  
       (大コンメンタール刑法 第2版第10巻109頁)

④ 長官らによって岡口氏の権利の具体的な実現が現に妨げられたと評価しうる事実があれば、具体的に指摘して下さい。




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〈当方の再反論と告発状再々提出〉

      (平成30年10月16日)

① 暴力団のお礼参りがこわくて処罰意思を求めていない被害者がいる場合に、告発があれば捜査4課はただちに告発を受理し捜査を開始す  るではないか!

② 岡口氏は10月4日のブログで
     〈
   <東京高裁長官らが告発された件〉

   〇 告発したのは浅井弁護士(前愛知大学法科大学院院長)美和弁護士ら弁護士有志

   〇 私の告発経過にかかる新聞記事「弁護士日記」のアップをしている。
 
③ 岡口氏に処罰意思がないとされる地検の根拠は何か?

④ 公務員職権濫用罪は個人的法益に対する罪ではなく国家的法益に対する罪(違法行為の抑制が立法理由)である。

⑤ 告訴(告発)の受理義務が生じないとされるような、「犯罪の不成立が明白な場合」の認定は慎重にされるべきである。
     (判例タイムズ553号246頁)

   本件「脅迫」、「職権濫用」罪の告発は、犯罪の不成立が明白な場合ではない。


★ 当方は、最高検の検事総長あてに質問状を提出した

        (平成30年10月22日)

 東京地検の告発状の不受理、捜査の不開始は「公務員職権濫用罪」を構成する(大阪高裁 昭和59年11月・付審判決定の反面解釈)

 と思科される。

 当方は東京地検検事正を「職権濫用罪」で告訴したいが、不受理の東京地検へ行うのは不適切である故、告訴の提出先は最高検察庁でよい
 
 のか、ご教示たまわりたい。


    〈当方の再々々告発状の提出〉

          (平成30年10月30日)
 
 東京地検は職権濫用罪が「既遂」に達していないので捜査をしない(不受理)とするようでもあるから、本件に付き未遂罪の処罰規定が

 ある「強要罪」でも東京地検へ告発を追加した。


  〈片山さつき大臣の口きき告発状〉
          (平成30年10月24日)

国税庁への口ききを依頼され100万円を受けとった疑いがあるということで「あっせん利得処罰法違反」として東京地検へ告発状が送付さ

れたが、マスコミでは告訴状が送付されただけで大報道されている。

 しかし、片山氏が旧大蔵省OBとはいえ、税務署の行政処分に影響力を行使できる権限があったとすることには疑問があろう。
 
      (犯罪の成立に問題があるが東京地検は受理するだろうと思われる)
 


  ◆◆ 〈本件告発のマスコミ報道について〉

 本件は平成30年9月13日、東京地裁の記者クラブで記者会見を行い、週刊誌を含めたマスコミ各社にも通知したが、本件の告発はどう 
 いうことかマスコミでは報道されてはいない。


 東京地検が「告発を受理した」「捜査に着手した」と発表すれば報道をするだろう。

  鬼の東京地検・特捜部ともあろうところが東京高等裁判所・トップにかかる不祥事であることを忖度して“捜査を開始したくない、

  受理も避けたいという”態度をとっているのはきわめて遺憾である。


 (10月18日には埼玉県川越市の元市議が「女性職員におっぱいについてセクハラ発言をした」という程度の情報でテレビは大々的に報

   道している。)


 週刊現代は平成30年11月10日号で「あの岡口基一東京高裁判事独占スクープインタビュー」の記事を大々的に載せたが、東京高裁長

 官の告発状を入手しているにもかかわらず、長官ら告発の報道はなされていない。



 
 
 脅迫、強要、職権濫用の犯罪がこともあろうに「東京高裁長官室」で行われ、岡口裁判官の陳述もあるのに、マスコミが東京高裁長官らの

 告発送付を報道しないのは、いかなる理由からかきわめて不可解である。



★ 以前、私が岐阜地裁多治見支部長を「脅迫罪」、「職権濫用罪」で名古屋高検・と多治見警察署長へ告訴したことがあったが・・・

  そのときも「裁判官告訴」ということで名古屋の司法記者クラブに朝日、毎日、中日、NHK,CBC、など20社近い記者が集まり、

   熱気ムンムンで、テレビカメラも3台まわっていたが、報道したのは名古屋記者クラブに加入出来ない岐阜新聞だけで、記者会見に

   臨んだマスコミは全部沈黙した。


 その後、私は職権濫用罪、恐喝未遂罪(共犯)でも裁判官への告訴を追加した。

 尚、この裁判官・告訴事件は岐阜地方検察庁にて「不起訴処分」とされたが、私は岐阜地裁に処分不服申し立てをした。

 岐阜地裁刑事合議部は、審理を重ね「本件は職権濫用罪と判断されるが、同罪には未遂の処罰規定がない」という「付審判決定」を

 出した。(私が裁判官の職権濫用指示に従わなかったからである。もし 従っていれば、選任された指定弁護士によって裁判官に対する

 職権濫用の裁判が開始されていたことになる)

   
      この岐阜地裁の審判は『判例時報』に報道された。


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