かかあ天下

上州名物「かかあ天下」「からっ風」と並んで言われる。
かかあ天下と言われると、上州女は「強い」と思われるが実際は違う本当は働き者で、優しく、頼りがいのある女だ。上州は昔機織が盛んで、農家の主婦は冬場とか畑仕事がないときに、機織をして収入を得ていた。
私の家も父が織物の仕事をしていたので、母が父の手伝いをしながら夜なべに機織をしていた。その合間に父の作った反物が売れ残りになると母が知り合いに売り払っていた。母は商売が上手で、反物を買いそうな人にはトコトンアタックした。父は気が弱く値段のかけ引きも下手で、いつも損ばかりしていて母に怒られていた。そんな父だったので、いつの間にか家の実権は母が握るようになり、父も母を頼りしていて、母が忙しい時は父が食事の支度をしたり、買い物もしていた。　今思えば共働きの尖端を行っていた様だ（現代風とでも言うか・・・）でも、お互い言いたい事を言っては喧嘩もしていたが次の日には残さなかった。
「何だ噛んだ」言っても、やっぱりお互い尊敬していたらしい。私もそんな「かかあ天下」の家庭を作りたいと思って努力したが我が家は「亭主関白」だ。

名物「からっ風」は温暖化のせいか最近はあまり吹かなくなっている。
昔は冬になれば「からっ風」が毎日のように吹き荒れ家の仲が砂だらけで、
朝晩掃除に追われたが今はあまり吹かないので助かっている。