白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

小県真樹ー山森忠直

2020年09月22日 23時54分56秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
明日から名人戦第3局が行われます。
これまで井山裕太挑戦者(31)の2連勝で、芝野虎丸名人(20)としては不本意な結果になっていると思います。
実力は互角のはずなので、ここらで立て直したいところですね。



皆様こんばんは。
下坂美織三段の指導碁会は、飛び入り参加の方もいらっしゃるなど盛況でした。

さて、本日は本日はSGW杯予選13枠から、小県真樹九段(56)ー山森忠直七段(39)戦をご紹介します。

1図(実戦)
白1の当てに対し、黒Aと愚形につなぐのではなく、黒2とぶつかったのが筋の良い手です。
白Aと抜かれても、黒Bとつないで白×が傷むので問題ありません。
また、黒2に対して白Cとハネてきても、黒D、白B、黒A、白E、黒Fとなって白×を取れます。



2図(実戦)
白1のハネに対して、黒2ともたれたのもまた筋の良いです。
黒4に対して白Aと押さえるのは、黒Bとハネて右上白が無条件で死んでしまいます。



3図(実戦)
白1から右上隅を生きますが、黒4とつなぐ前に黒2のノゾキを利かしたのも手筋で、黒Aのつなぎを先手にしています。
そして、黒6、8と連続で形の急所に迫ったのが厳しい攻めでした。
黒が優位を築いています。



4図(実戦)
黒6とじっくり白の眼を奪ったのも、小県九段らしい手ですね。
守りようのない白は手抜きしましたが、黒8、10と攻めてますます好調です。
このまま押し切り、最後は黒中押し勝ちとなりました。
小県九段は筋の良さで知られていますが、本局は筋の良さで圧倒した一局だったと思います。
なお、小県九段は決勝で鈴木歩七段(36)を破り、本戦出場を決めています。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。

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白石囲碁教室・・・2020年6月末に閉鎖しました。現在は永代塾囲碁サロンでの指導碁情報をお知らせするページになっています。

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