白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

少年少女囲碁大会

2017年08月02日 21時23分53秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は第38回文部科学大臣杯少年少女囲碁大会全国大会の決勝戦が行われました。

少年少女大会と言えば、22年前のことを思い出します。
当時は囲碁を覚えてちょうど2年ぐらいでした。
恐らく初めて出た子供の大会で、神奈川県予選を2位で枠抜け(1位は望月研一七段)。
全国大会もどういう訳か勝ち進み、気付いたら決勝進出・・・。
当時のことはほとんど覚えていませんが、無心と言うより何も考えていなかったのでしょうね(笑)。
決勝戦はしばらくトラウマになりましたが、今振り返ってみると微笑ましい気持ちになりますね。
弱いなりに全力で頑張っていたと思います。

さて、本日は幽玄の間で中継されていた、小学生の部の決勝戦の見所をご紹介しましょう。



1図(実戦)
決勝に進出したのは、東京代表の宮谷風雅選手(黒)と愛知代表の保田翔太選手でした。

黒1と狭く開き、白2に黒3と消しに行きました。
全体の石の配置を意識した打ち方で、センスを感じますね。





2図(実戦)
黒1~9まで、中央がふっくらしました。
石の連携が良く、黒好調に見えますが・・・。





3図(実戦)
ここまで隙無く構えて来た白、白1から仕掛けました!
今しか無いというタイミングです。





4図(実戦)
駆け引きの結果、中央の黒はつながりましたが、白は右下で利益を上げ、上辺白△の絶好点にも回りました。
こうなった結果は、なかなかの好勝負のようです。
最後はヨセで得をした黒の宮谷選手の4目半勝ちになりましたが、素晴らしい決勝戦でした。


ことあるごとに言っていますが、今の子供のレベルはずいぶん上がりました。
私の頃と比べると、2子近く違うかもしれません。
ですから、十代で大活躍する棋士が出て来ても、私にはさほどの驚きは無いのです。

なお、中学生の部の決勝は愛知代表の北芝礼選手が優勝、東京代表の福元倫太郎選手が準優勝でした。
奇しくも東京・愛知で優勝・準優勝を分け合う形になりましたね。