白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

GOLAXY対GLOBIS-AQZ

2019年12月14日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
本日は武蔵小杉の永代塾囲碁サロンにて指導碁を行いました。
お越しくださった皆様、ありがとうございました。
来月の第2土曜日は私の都合が悪いのですが、日程変更か休みにするかは現在相談中です。



皆様こんばんは。
本日は第11回UEC杯コンピュータ囲碁大会の予選が行われました。
GOLAXYとGLOBIS-AQZがそれぞれ1位、2位で予選を通過したので、両者の対局に注目してみましょう。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されました。

1図(実戦)
GOLAXYの黒番です。
黒1、3とは面白い手順ですね。
上辺に入るならいきなり黒3の方が楽ですが、実戦は右辺黒模様も広げたいという打ち方です。

そして、白4には驚きました。
この手では、普通の人は白Aなどと打つことを考えます。
その方が戦いに有利ですからね。
しかし、白は左辺や下辺の白模様も意識して、これが最善と判断したのでしょう。

全局を見て打つことは非常に大切ですが、人間の能力では限界があることも確かです。
そこで、ある程度は部分の型に頼らざるを得ないところがあります。
しかし、AIにはそれが当てはまらないのかもしれません。



2図(実戦)
白△と中央に打ちました。
模様を囲ったのが広げたのか、なんとも言えない一手ですね。
人間が打てば、感覚の一手と評されるでしょう。

ただ一つ言えるのは、こう打つことで白×の石が光ってくるということです。
左上一帯でこれからどう戦うかという段階で、既にこのような構想を描いていたのですね。



3図(実戦)
ここで黒1と打ち込んだのは面白い発想でした。
下辺よりも左辺の方が狭く、そこに入っていけば苦しくなるのが道理です。
これからどう捌くのかと思いきや・・・。



4図(実戦)
一転して黒△!
黒は元々下辺を荒らすつもりで、左辺に打ち込んだのは陽動作戦だったのですね。
白に色々な嫌味を残しており、下辺黒を攻めにくくなっているということでしょう。
かなりの高等テクニックです。


これでも、強いAI同士の対局としてはかなり分かりやすい方だったと思います。
明日はどんな対局が見られるでしょうか。




☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は10月11日(金)、11月15日(金)、12月13日(金)に指導碁を行います。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。毎月第2土曜日に講座と指導碁を行っています。

白石囲碁教室・・・五反田駅徒歩4分です。指導碁や個人レッスンを行っています。

New!上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。私の担当する五反田教室が新たに始まりました。毎週水曜、19:00~21:30です。


☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 上野梨紗-大矢浩一 | トップ | こども棋聖戦・高学年の部 »

囲碁界ニュース等」カテゴリの最新記事