白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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書評・第19回 すぐに使える 星の死活徹底ガイド

2018年11月21日 23時59分59秒 | 書評

<本日の一言>
明日と来週に対局があります。
今年も残り少なくなりましたが、最後まで全力を尽くしたいと思います。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日はこちらの書籍をご紹介します。



村川大介八段の「すぐに使える 星の死活徹底ガイド」です。
その名の通り、星打ちから派生する定石・型についての死活の知識がまとめられた内容になっています。
互先はもちろんですが、特に置き碁で活躍の機会が多いでしょう。
なにしろ、石を置くにしろ置かせるにしろ、必ず星が打たれますからね。
本局で採用されているテーマ図をいくつかご紹介しますと・・・。



<1図>
お馴染みの三々入り定石から派生する死活です。
初めて学んだ定石がこれという方は多いでしょう。
にもかかわらず、この隅の死活を正しく理解できていない方は少なからずいらっしゃるようです。
生きているのに手を入れてしまったり、何かの拍子に死んでしまったり・・・。
定石の理解に関して、死活は最重要の項目ですから、しっかりと押さえておきたいですね。





<2図>
星からコスミツケを打った形への三々入りです。
これも互先、置き碁を問わず、頻繁に現れますね。
そして、毎回対応策を間違える方も多いです。
毎回間違えるということは、下手をすればこれだけで棋力を1つ2つ落としている可能性すらあります。
恐ろしいですね。





<3図>
カカリへの1間挟みからの変化ですね。
私が指導碁を打っていると、白1と打ち込む状況は珍しくありませんが・・・。
大半の方が、この後の変化をマスターしていないのです。
生きるか死ぬかコウか、といったことを知らない方も珍しくありません。
はっきり言って、それでは定石を覚えた意味が無いと言えます。


本書はこのように、実用性の高いものばかりが収録されています(コメントは私のものです)。
死活絡みの知識は、決してマイナスになることがありません。
また、それぞれのテーマ図が独立しているので、一部分だけ読んでも全く問題がありません。
万人に役立つ内容と言えるでしょう。