白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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2年目のジンクス(前)

2020年01月03日 23時59分59秒 | 囲碁について(文章中心)

<本日の一言>
箱根駅伝、中央大学は12位でした。
なかなかシード権が取れませんね。
来年も頑張って箱根に戻ってきて欲しいと思います。



皆様こんばんは。
本日は2年目のジンクスについてお話ししたいと思います。

この言葉はあらゆる業界で使われますね。
スポーツ、芸能、ビジネス・・・。
そして、囲碁界にも当然それがあります。
むしろジンクスですらなく、システムとして存在していると言って良いでしょう。
活躍した年の2年目は成績が悪くなって当然なのです。

棋戦のシステムについては、以前ご紹介したことがありますね。
前の年のトーナメントの成績によって、翌年のスタート地点が変わってきます。
スタート地点が上になればなるほど、強い相手と当たりやすくなるのです。

もちろん、運もありますから、必ずしも予選の段階と相手の強さが一致するとは限りません。
時折、自分の枠の下の方に明らかに格上の相手がいることがあり、嫌がらせかと思いますね(笑)。
とは言え、やはり平均的にははっきり差が出るでしょう。

私自身も、星取りの悪い翌年には大きく勝ち越し、その翌年にはまた成績を落とすようなことが多いです(その割に昨年は・・・)。
また、もっと高いレベルではタイトルを取った、あるいは増やした翌年に成績が落ちるというものもあります。
これは棋戦のシード権やタイトルの防衛戦を行う関係で、やはり相手の平均レベルが上がるということによります。

では一力遼八段(22)や芝野虎丸名人(20)はどうだったかと言えば、夏季入段なので1年目はほとんど対局していないものの、以降は当たり前のように毎年何十勝もしています。
それは言うまでもなく、毎年実力を大きく向上させているからですね。
高い勝率を続けることが困難なシステムの中で、成績を維持する・・・。
これは並大抵のことではありません。

そして、2年目のジンクスが最も分かりやすいのは新初段です。
なにしろ、必ず全ての棋戦で一番下からスタートしますからね。
翌年のスタート地点は、各棋戦によって上がることもあれば同じということもありますが、下がることだけはありません。
さらに、1年目の棋戦で勝ち残っているものは、そのまま2年目に対局が持ち越されます。
つまり、2年目は高確率で相手の平均レベルが上がるのです。
今年成績が良かった棋士もそうでなかった棋士も、ある意味では2年目からが本番と言えるでしょう。

さて、ここで実際に対戦表をご覧頂きながら説明する予定でしたが、かなり遅い時間になってしまいました。
続きは明日投稿する予定です。



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