白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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山下敬吾-李昌鎬

2020年12月22日 23時40分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
おかげ杯は、今年勝ちまくっているあの人が優勝しました。
七大タイトル経験者4人に加え現役リーガーも参加するという、過去最高のレベルだったと思います。
そして、おかげ杯は今期で終了とのアナウンスが・・・。
例年楽しみにしていた棋戦なので寂しくなりますね。



皆様こんばんは。
3日ぶりの更新です。

本日は品川区立城南小学校で入門講座を行いました。
子供たちが元気そうで何よりでした。
ちなみに、今年初めての学校での囲碁指導でした
来年は機会が増えることを願っています。

さて、本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、聶衛平杯の山下敬吾九段(42)-李昌鎬九段(45)戦をご紹介します。

1図(実戦)
山下九段の黒番です。
ここまで山下九段が気持ち良く打っている印象ですね。
黒模様が大きいので、ここで白AやBなどと打ち込むのが普通の発想だと思いますが・・・。



2図(実戦)
慌てず騒がず、白1と右上を守ったのがいかにも李九段ですね。
タイミング次第で黒A、白1、黒Bのコウが決め手になる可能性があり、白としてはリスクが高いと判断したのでしょう。
黒2でさらに黒模様が強化されましたが、それからおもむろに手を付けていきました。



3図(実戦)
黒1に対しては、白AやBなどとやっていくかと思いきや、ここで白2とはまた李昌鎬流です。
巨大な黒模様を放置し、狭い所に2手かけるとは・・・。



4図(実戦)
黒×の囲いを許し、黒6まで右下一帯に巨大な黒地が完成しました。
流石に黒が良さそうに見えます。
しかし、李九段としては一発KOのリスクを避け、我慢して相手のミスを待つ作戦なのでしょうね。
実際、この後逆転に成功しています。

我慢強さにおいて、李九段以上の人を見たことがありません。
年齢を重ねて棋風は大分変わったようですが、碁の本質は変わらないのかもしれません。



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