白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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王銘エン-張栩

2020年06月18日 23時59分20秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
仲邑菫初段(11)が久々の公式戦で勝ち星を上げたそうです。
写真を見る限り、また大人っぽくなったような・・・。
子供の成長は早いですね。



皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、本因坊戦予選の王銘エン九段(58)-張栩九段(40)戦をご紹介します。

1図(実戦)
王九段の黒番です。
黒1の切りに対して、白2、4と当たり当たりで進出を目指したのは戦いの手筋です。
しかし、この場面を見て「おや?」と思う方も多いのではないでしょうか。



2図(変化図)
そう、黒1と打てば白8子を取れますね。
8子と2子を取り合う分かれは、地で言えば16目と4目です。
ただ、プロは基本的に石を取った数ではなく方向を重視するので、白2という外側に向いたポン抜きは許したくないという意識が働きます。



3図(実戦)
そこで、実戦は黒1と逃げ出しました。
前図とは白石の強さが天地の差なので、やはりこう打ちたくなりますね。
もっとも、白8子を取っていれば黒全体も安心だったので、前図のように打つ選択肢もあったでしょうが・・・。
実戦でどちらを選ぶか、プロにアンケートを取ってみたい場面でした。



4図(実戦)
黒1に対して、白Aあたりに逃げ出すのが普通の感覚でしょうが、白2と下辺に回って頑張りました。
黒3と包囲されても、白4の切りがあってやれるという判断ですね。
読みの深い張九段らしい選択でした。

本局は戦いに終始した一局でした。
結果は白中押し勝ちでした。



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