白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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岩丸平-金澤秀男

2020年08月18日 23時34分32秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
元CIA職員がスパイ容疑で逮捕というニュースがありました。
派手な米中対立の裏で、大規模な諜報戦が行われているのでしょうね。
日本はフリーパスのようですが・・・



皆様こんばんは。
本日はSGW杯予選16枠2回戦の、岩丸平七段(39)-金澤秀男八段(44)戦をご紹介します。
なお、SGW杯は全対局が日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されます。

1図(実戦)
岩丸七段の黒番です。
三連星からの模様作戦!
最近はこのような碁をあまり見かけなくなっているので、なんだかほっとします。

さて、白としては黒模様を消しにいきたいところです。
模様の両端(黒△と×)を結んだラインが良いと言われますが、それはあくまで目安の1つです。
プロの感覚では、白Aよりも踏み込んだ手を考えたくなりますが・・・。



2図(実戦)
実戦は2路深く、白1まで侵入しました。
当然ながら黒2と襲いかかってきますが、ここで白3、5のツケ切り!
捌きのコツの1つに手がかりを利用することが挙げられますが、自ら手がかりを作ろうというのですね。



3図(実戦)
白×の石を囮に形を整え、白6まで頭を出すことができました。
黒としてはこの後も攻めを狙っていくわけですが、その前に黒7、9を打って様子を見たのが意味深ですね。
その心は?



4図(実戦)
黒1のマクリが手筋で、白の眼を脅かしています。
もっとも、黒3に対して白Aと打てば一応無条件で生きられるのですが、つらすぎて絶対に打てない手です。
コウ争いが始まりました。

このコウには黒が勝ち、右下白は全滅しました。
しかし、コウ替わりに中央で二手連打した白がこの後の主導権を握り、左辺に大きな地を作ることに成功しました。
結果は白8目半勝ちでした。
金澤八段はこの後の決勝にも勝ち、本戦進出を決めました。



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