白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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先週の対局

2018年12月04日 23時59分06秒 | 対局
<本日の一言>
明日は有楽町囲碁センターにて指導碁を行います。
皆様のお越しをお待ちしております。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は先週の対局を振り返りたいと思います。
相手は張瑞傑三段です。
入段5年目なのでそれなりの年齢かと思いきや、今調べてみたらまだ19歳でした。
しかし、経験が浅くても強いのが最近の若手です。
基本的に、若手は全員格上と思って戦うことにしています。



1図(テーマ図)
私の黒番です。
白1の打ち込みに対し、黒2と圧迫して小さく生かそうとしました。
ところが、ここで白3と変化球を投じてきました!
予想外の手段に、座り直した場面です。





2図(変化図)
初志貫徹とばかりに黒1と封鎖するのは、いかにも甘い打ち方です。
黒石ばかりの場所で大きく生きられてはいけません。





3図(変化図)
ということで、上下の白を分断する黒1は自然な形に見えますが、白2と飛び出されてややぬるいかと思いました。
後に白AやBと打たれる嫌みが残っています。
そこで、私の選択した手は・・・。





4図(実戦)
黒1のコスミツケから、黒3のハネ!
自らの石を割かれ形にする暴挙のように見えるでしょう。
実際、対局中も「こんな手本当にあるのかな?」などと思いながら打っていました。





5図(変化図)
もちろん、あえて変な手を打つ理由はありました。
白1、3以下分断してくれば、まとめてやっつけてしまう狙いがあるのです。
本図は一例ですが、白も心配でしょう。





6図(実戦)
実戦は白がかわして打つことになりましたが、
こうなれば白×が持ち込みになっており、黒も満足できる分かれでした。


ここまでは好調でしたが、この後大きな判断ミスが何度か出て苦しくなりました。
反省点の多い1局でした。