いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第46話>特務だと? / [小説]ガンダム外伝

2011-01-07 07:45:05 | [小説]ガンダム外伝
<ここまでの話>
【第1部】
<第1話> から <第24話>までのリンク

【第2部】
<第25話> から <第35話>までのリンク

<第36話>敵艦接近!
<第37話>被弾!そして・・
<第38話>MIA・・
<第39話>信頼!
<第40話>絹のスカーフ?
<第41話>ノーマルスーツは9号?
<第42話>ソドン型巡航船
<第43話>高軌道艦隊
<第44話>ひよっこパイロット
<第45話>模擬戦・・

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「どこに行ったか?と思ったら・・ 一体、何をチンタラ遊んでいるんだ?
 派手にライブなどをして・・ いい気なもんだな?
 貴重な推進剤を無駄使いした上に、おこちゃま相手に3分以上かかるとは・・」

と、いつもの声だ・・
(ああ・・忘れていた・・ こいつが居たんだっけ・・)

振り返ると・・ 我が目を疑った・・

「へぇ♪・・ なかなか似合うじゃないか♪」

普段見慣れた艦船乗務員用のノーマルスーツではなく、
身体のラインが顕著に現れるパイロット用のノーマルスーツを着用した
マスミン大尉を見て、思わず目尻を下げてしまう・・

「なんだ? そのスケベな目は?」

「悪かったな・・ 目は生まれつきだ・・」

マスミンを見て、目尻が下がった事は絶対に知られてはまずい・・
しかし、想像以上に良いラインだ♪

「でも・・ 似合ってるじゃないか♪・・」

「そうか? お世辞でも嬉しいぞ♪」

「さて、帰るとするか?」

「おう♪ こんな所には長居は無用だな・・
 貴様は楽しそうだったが・・
 と、その前に・・ 主計配給班から入手した・・
 正規のパイロットスカーフだ・・ すぐに交換しろ!」

「いや・・
 私はこのままでいいぞ・・ こいつはすごく良い感じだからな・・」

と言ったあと、マスミンの眉間にしわが寄るのを見逃さなかった・・
そういえば、意味不明のビンタを思い出す・・
そして、このスカーフがマスミン大尉の機嫌を損ねている事にも
うすうす気が付き始めていた・・ (ここは彼女に従おうか・・)

「とは言ったものの・・
 やはり副長(いや、今は艦長か・・)からの借り物を汚すのも良くないか・・
 私物だからな・・ 正規のユニフォームを着用する事は軍規でもあるし・・
 悪い・・ わざわざありがとう♪」

と、手を差し出すとマスミン大尉が笑顔で答える・・

「そうだろ♪ 軍規だからな!
 だからこいつは私がクリーニングしてクロヒッツ少佐に返しておこう♪」

「いや・・ クリーニングには私が出しておくから・・
 私が借りた物だし、マスミンがそこまでしなくても・・」

また眉間にしわが寄る・・
(なんだか最近、マスミンの機嫌がわかりやすい・・)

「だからぁ・・ 貴様のような無粋な奴がクリーニングに出したりすると
 この高級シルクが台無しになるだろ!! わからんのか!」

「ちょっと待て・・ 私が自分でクリーニングする訳ではないぞ!
 クリーニングは主計の・・」

「うるさい!」

と言うよりも早くマスミン大尉の手がスカーフを掴もうと手を伸ばすが、
直前でそれを私がかわしたため、マスミン大尉の身体はバランスを失う・・

「あぶない!」

と、バランスを失ったマスミン大尉に今度は私が手を伸ばすが・・
不意な動きであったため私もバランスを失ってしまい、2人は絡み合うように
カーゴデッキを流れていく・・

「ばか!・・ 危ないじゃないか!」

「バカは貴様だ!・・   ばか・・ 」

パイロット用のノーマルスーツ効果もあるかもしれないが、
私の腕の中で小さくなり、小さな声で『ばか・・』と言うマスミン大尉を見て
おもわず『可愛い♪』と感じていた・・ 

・・・

ナビゲータシステムが楕円軌道の長円に差し掛かった事を告げる・・
楕円軌道の最遠地点である事から、地球が小さく見えるが、
この地球の重力に引かれ大きさが徐々に大きくなっていき、
地球の真横に差し掛かる直前にブースターをオンにして、
楕円軌道を離脱するのが通常のスイングバイ(swing-by)航法
ではあるのだが・・
先ほどからスースーという小さな寝息がレシーバーから耳に届いていた・・
慣れない艦長代理で疲れているのだろう・・ マスミン大尉の寝息だ・・
まぁ、今は静かで良い・・ こいつで最大加速を行うと寝てはいられない
というか、幾ら耐G仕様のパイロット用ノーマルスーツでも、
パイロットではない彼女が耐えれる保障はどこにも無い・・
(ちびられても困るしな・・ まぁ弱みを掴む事にはなるが・・)
地球の重力による加速にあわせるように、小さくスロットルを開くことで
急激な加速を伴わず、楕円軌道を離脱できる最低速度をナビゲータで算出する

(さて・・ 帰りは時間がかかりそうだな・・ 9時間強か・・
 帰りは地球の引力に逆行するため推進剤も往路の倍必要になる、
 MIAの仲間の事も気にはなるが、急いで帰っても状況が変わるわけでもない
 急ぐ事も無いだろう・・ 推進剤を節約して帰るか・・)

クルーズコンピュータに算出した設定値を入力する・・
月が視野に入った・・ 全方向監視システムで進路グリーンを確認する・・
小刻みな振動が背中を伝わって臓器を揺らす・・ 心地よい・・
暫く目を閉じて背中で振動を楽しんでいた・・

・・・

「ビー!ビー!ビー!・・」

突然のアラーム音にビックリする・・ ここはどこだ?
瞬間的に記憶が飛んでいた・・ YUKIKAZEの機内であることを思い出す

まずい!寝てしまっていた・・
どれぐらいだ? 数秒か数分か?・・ あってはならない事だ・・
(良くない兆候だな・・
 そういえば前の戦闘から休んでいない・・ また模擬戦で私も疲れていたのか・・)
呆けた頭でアラームが何か?を確認する・・
(レーダーにアンノーン?・・ 磁気反応は無し! 小隕石か?)
進路がクロスしているが、現在の速度では問題はない・・ が・・
宇宙線や放射線の影響を考慮し、軽くアポジモーターを吹かし進路変更する・・

「・・・ どうした?」

不意なレシーバーからの声に一瞬驚いた・・ まだ頭が呆けている・・
(そうか・・ 1人じゃなかったっけ・・)
後部座席との通信用モニターを見ると、アポジモーターの噴射の振動で起きたのか
マスミン大尉が心配気な顔でこちらを伺っていた・・

「ああ・・ 小隕石だ・・ この宙域では珍しい・・」

「・・・ そうか?・・ 隕石か・・
     戦争の初期は、隕石が頻繁だったそうだが?」

「いや・・ 本物の隕石の数は変らんぞ・・ 擬似隕石が多かったんだ
 フォン・ブラウン市の東にあったマスドライバーが、開戦と同時に
 ジオン軍ジッコ突撃艇部隊で、奪取されたのは覚えているだろ・・
 南極条約締結後の2月だったっけ、核兵器に代わる武器としてマスドライバーから
 隕石爆弾が発射された・・ 地球に対し頻繁にな・・ これが多かったんだ
 何も変哲もない巨大な石ころが兵器になるんだ・・ 撃たれたら防ぐ手が無い・・
 地球には大気があるからな、着弾の精度が悪いのが逆に脅威だった・・
 どこに落下するかわからんからな・・
 ジオンはあらかじめ計算して、連邦軍の基地に向けて発射するのだが・・
 精度が悪いから近隣の民家などを直撃する・・ これは無差別テロと同じだ・・」

「・・・ その時の作戦は知っているか?」

「ん?・・ どの作戦だ?」

「・・・ マスドライバー攻撃作戦だ・・」

「ああ・・ 行ったよ・・ 突撃艇の護衛戦闘機部隊としてな・・
 成功はしたが、とんでもない犠牲があった作戦だった・・
 前世紀の設計だぞ! カボット級のシャトルって奴は!
 それを改装し、パブリク級などと呼称は改名はしていたが、ありゃガボットだ!
 ガボット級に巨大なブースターを装着し、艇の下部に大型ミサイルをぶら下げた
 付け焼刃の突撃艇だ!
 艇より大きいミサイルだぞ! 爆装していると小回りも利かん・・
 ただ、あの時はそんな武器しかなかった事も事実だ・・
 護衛の戦闘機もセイバーフィッシュではなく、新型のトマホークや
 YUKIKAZEのような機体があったら、また違っていたかもしれんがな・・」

「・・・ そうか・・ 行ったのか・・」

「ああ・・ あれも今から考えると地獄だったが
 当時はルウム戦役の敗戦で感覚が麻痺していてな・・
 開戦からは防戦一方だった作戦内容ばかりで、モチベーションも悪化していた・・
 そんな時期に出た、初めての攻撃型作戦だったからな、血気盛んな奴らは
 作戦の実現可能性などは気にならなかった記憶がある・・
 というか、ジャブローの奴らは、いくら無謀な作戦であっても
 気になんかしていない・・ 作戦に参加する将兵はスペースノイド中心だからな
 奴らかた見たら、スペースノイドの命など二束三文だ・・」

「・・・ それを言うな・・ まぁ、この戦争の終わらせ方次第では
     スペースノイドとアースノイドとの確執が今以上に増えるかもしれんな・・
     というか、戦闘機隊の隊長だったんだな・・ あの主計の中尉・・」

「おう!そうだった・・ パイロット記章は正規のものだったようだ
 イヤミだがな♪・・ あれじゃパイロット達が可愛そうだ・・
 ろくな訓練をしていない・・ 死ぬぞ!」

「・・・ そうも言うな・・ 私がノーマルスーツに着替えていたから
     奴は私が居る事に気付かなかったようだが・・ 愚痴っていたぞ・・」

「何と?・・」

「・・・ 『スペースノイドのくせに! エースか何かは知らんが、
     私が預かっている部下に何か事故でもあったらどうする気だ!』とな・・」

「ほう・・ 意外と部下思いだな・・」

「・・・ 違うな・・、自分の保身だよ・・
     奴ら全員が男子だっただろ?
     それから、この大事な作戦前だ、少しでも飛べるのなら、最前線だ・・
     しかし、彼らはあんな軌道上への配置だ・・」

「ん? 意味が解らんな・・」

「・・・ やっぱり・・ 全てに置いてドンカンだな、貴様は!」

「うるさいな・・ 解らん物は解らん!」

「・・・ 奴らは地球上の高級官僚のお坊ちゃま・・って事だ
     地球に住む高官の、貴様が大好きな娘っ子たちは、軍に志願などはしない!
     でも、男子の中には志願する奴がいるし、経歴をつけるために士官学校や
     曹候補生にもなる、そんな奴らをまとめ、宇宙に出し、何らかの経験をさせ、
     軍曹にでも昇進させ無事に地球に返す。
     それがあの主計の隊長に与えられた任務だろ・・ 虫唾が走るがな・・」

「1つ間違えているぞ・・
 娘っ子たちは私が大好きなではなく、全宇宙の男が大好きなのだ!
 私だけではない・・」

「・・・ おう、悪かった、間違えてたな・・
     貴様『が』ではなく、貴様『も』だった・・
     貴様はおねぇちゃんだけではないからな・・女だったら誰でも良いのだろう!
     節操の無い・・」

「おい・・ 大きな誤解をしているな・・ 誰でも良い訳ではない!」

「・・・ そうは見えん!」

「私本人が言っている、そう見ろ!」

「・・・ 無理だ・・」

「勝手にしろ! というか・・ あのパイロットの伍長達・・ 純粋だったぞ・・
 あんな子たちが腐った高官になっていくとは思えんが・・
 私は彼らだったら新しい地球連邦政府を作ってくれる・・ そんな気がする・・
 いや、そう思わせておいてくれ♪ いいだろ?」

「・・・ 貴様がそれでいいのなら、それでよい♪
     確かにあの4人の中から議員になる奴も居るのだろう・・
     この話はここまでだ・・
     で・・ 先ほどの話の続きだが・・ 開戦当時はほんとにひどかったな・・」

「ああ・・ 言っちゃ悪いが、負けると感じていた時期があったよな・・」

「・・・ そうだな・・ 当時を考えると良くここまで押し返した・・」

「ああ・・ ミリタリーバランスがやっと我ら連邦軍に傾いた・・
 だから、もう無駄な戦いは止めるべきだと思うが・・
 私はギレンではないからな♪・・」(ダイクンは好きだが・・)

「・・・ この戦争はもう長くはない・・ 次の作戦の成否でそれも見えるだろう・・
     で・・ 先ほど隕石が珍しいと言ったな・・ そういうものか?」

「そうだな・・
 (なんか、ころころと話題を変えて話を続けるな、マスミンとしては珍しい・・ )
 知っているとは思うが・・
 通常の隕石は木星や土星の強い引力で火星軌道内部にはほとんど飛んでこない物だ
 だから良く飛んで来ているのは1年戦争で発生した多くのデブリを
 隕石と誤認している事が多い・・ 自然な隕石は珍しいし神秘でもある・・」

「・・・ 隕石を迎撃するなんて作戦もあったと聞くが・・」

「あったぞ・・
 隕石などは、思った以上に質量が大きくてな・・
 結果としては核弾頭で粉砕するか軌道を変えるかしかないのだが、
 締結されたばかりの南極条約を破るわけにはいかんしな・・
 まぁ戦闘機や突撃艇のミサイルでは、焼け石にションベンって事で・・
 サラミスでは追いつかんし・・ 打つ手が無かった・・
 迎撃には出た事があるが、隕石の表面を削るぐらいだな・・
 粉砕する事は不可能だとの結論になる・・
 それで、さっき言っていたマスドライバーを破壊する作戦が出てきたんだ・・」

「・・・ マスドライバーは今はどうなっているか知っているか?」

「知らんが・・ まぁ、この戦争中はマスドライバーは補修されないだろう・・
 中立のフォンブラウン市が管理していると聞く・・」

「・・・ 表向きはな・・」

「どういう意味だ・・」

「・・・ 連邦軍の息がかかったアロー市が中立を傘に管理しているんだ・・
     そこには表向きはアロー市自衛軍があるのだが、中身は連邦軍だ・・
     これは軍機だぞ・・」

「そんな! ジオン軍基地のグラナダと目と鼻の先じゃないか!」

「・・・ ルナリアンは姑息だからな・・ 金さえあればどちらにでも付く・・
     実質アナハイム市はジオン配下だ、物資をグラナダに送っているからな・・」

「解っていて手が出せないのか?」

「・・・ 解っているが、こちらもアロー市を配下に押さえている・・
     そして、アナハイム市からはジオンの情報も漏れてくる・・
     だが、どちらも表向きは中立だ・・」

「だから戦争が長引くんだな・・ 死の商人どもが!!」

「・・・ 宇宙で生きるための知恵だろう・・ 私は政治家ではないからな・・
     その事実を受け止め、理解し、それを利用するだけしかない・・」

「偉いな・・ さすが司令部参謀だ・・ 特務の憲章は伊達ではないな・・」

「・・・ 惚れたか?」

「ああ、惚れた惚れた・・ そう言う事にしておこう♪」

「・・・ でな・・」

(なんだ?・・
 まだ話を続けるのか? マスミンがこんなに話好きとは思えんが・・
 普通なら、話の途中でも切り上げる奴なのに・・
 何かあるな?・・ まだ本題には入っていないのでは?・・)

「おいおい・・ まだ話を続けるのか?
 まぁ・・ 私は良いが、疲れているだろう、睡眠を取っておく方が良いぞ♪」

「・・・ 思ってもいないような、やさしい事は言うな・・
     まさか私を寝かせて、エアーが漏れたなどと嘘をつき、後部座席に
     潜り込み、私の寝込みを襲うような事は考えてはいないだろうな・・」

「それは誤解だろ、またあの時のエアー漏れは嘘ではない!」

「・・・ まぁ、コックピットが繋がってなくって良かった・・
     繋がっていると、種馬だけに起きていても安心出来んからな・・
     というか、私が寝ている間に、襲えないとあきらめて、
     仕方が無いからなどと、こじつけの理由で必然だと正当化し、
     私の寝顔をおかずにした自慰をするような情けない真似はするなよな♪・・
     大切なエアーが少なくなる!・・
     まぁ、私の寝顔は、おかずにするにはもったいないが・・
     おっ!! そうか! 解ったぞ! 自分だけが良いと言うわがままな
     無駄な自慰を行って、エアーを浪費し、エアーが無いとかの理由をでっち上げ
     後部座席に潜り込もうと言う算段だな?
     そうか・・そこまで溜まっているのか、哀れな奴よのぉ・・」

「・・・・・・・」

「・・・ なんだ返答が無いな・・
     私とのおしゃべりが苦痛なのか? ワサビィ・・」

「だから・・ 素直になれよ! 無駄な話ばかりしやがって・・
 というか、何か言いたいことがあるんじゃないのか?」

「・・・ ん?・・・ 解るのか?」

「ああ・・ そろそろお前の性格も解ってきたからな・・ 何を隠している?」

「・・・ すまん・・・ やはり不自然だったか・・
     じゃ結論を言う、何も聞かず、アロー市に飛んでくれ・・」

「何ぃ? アロー市って・・ 月都市のか? 月に飛べだと!!」

「・・・ ああ・・ 戦隊長には話してある・・ 特務だ!
     そのためのYUKIKAZEでもある、こいつだと自軍サインを消すとジオン側だけでなく
     連邦側でも識別出来ないはずだ、そしてこの機体は月引力脱出も可能だからな
     予定していたパイロットのオーリン准尉とは事前に話をしていたのだが、
     残念な事にMIAだ・・ そこで計画が変わって、よりによって貴様が来た・・」

「なんてこった・・ 特務だと? 戦隊長もグルかよぉ・・
 で・・ 聡明な特務大尉殿だが、1つ間違いがあるぞ・・
 連邦軍側には識別子が登録された・・」

「・・・ なんだと! いつだ! というかマスミンと呼べと言っただろ・・」

「ああそうだったな・・
 でな、登録だが、高軌道艦隊とアクセスした際にコントロールに促されてな・・」

「・・・ なんてこった・・ それじゃジオンにも筒抜けだ・・」

「意味が解らんな・・」

「・・・ スパイが居るんだ・・ データベースに登録した時点でアウトだ・・
     つい先月も将校がスパイ容疑で捕まっている・・
     ジャブローの奴らは同じ連邦軍同士であってもスペースノイドを注視してやがった
     しかしな・・ その将校・・ アースノイドだったからお笑いだ♪
     腹が立つより先に呆れて物も言えん・・
     そんな状況だ・・他に誰がスパイなのかなど、把握はできていない・・」

「ちょ・・ ちょっと待て! 兵や士官ではなく将校か?」

「・・・ ああ・・ ジャブローの中将さまだ・・
     これも軍機だぞ! 口外するなよ士気に影響する!
     しかしな・・ 既に機体識別が登録されたのか・・ 考えないといけないな・・
     まぁ、とにかくこの航路のまま進み、途中でコースを変更してくれ・・
     推進剤は無駄使いしないようにな・・
     少々、おしゃべりが過ぎたようだ、ちょっと寝る・・
     まぁ、貴様だから安心して寝れそうだ♪」

「ふん、心にも無い事を・・ また起きたら詳細を教えてくれ・・」

「・・・ あれ?・・『おやすみ』の言葉は無いのか?」

「おやすみ・・ お姫様♪」

「・・・ 上出来だ♪・・」


<第47話>月面着陸・・」に続く・・・

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