いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第17-2話>重力発生装置(2) / ガンダム外伝

2007-09-12 18:20:55 | [小説]ガンダム外伝

<ここまでの話>
「<第1話> から <第16話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/db812e820f927a8fe6b4ad02703b5e32
「<第17-1話>重力発生装置(1)」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3d6bb92df8da3656451e713dc79d4c6c
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


簡易重力装置に入った・・ 久々の重力が心地良い!

「あっ! 隊長!」後ろから声を掛けられた・・
そこには、ユカ少尉と昨日声を掛ける事ができなかった、若いボールのパイロットが・・

「おう! おはよう! ランニングか?」

「ハイ! また索敵でしょ? MS内での待機時間が長いと、血行障害起きそうで・・
 そうそう♪ 隊長らしくないですよぉ~
 この娘に聞いたら、『まだナンパされてません!』って言ってましたよ ♪」

「こらこら、こちらにも都合って物がある・・
 でもな、昨日声を掛けに行こうとしたんだが・・ で・・ 紹介はしてくれないのか?」

「さて?・・ チコちゃん・・ このおぢさんがゆ~め~な種馬ワサビィ隊長で~っす♪」

「おい! ユカ! 何を勝手に適当に教えているんだぁ?・・ で・・
 おじさんの『じ』を『ぢ』にするな! 印象が悪い・・(ブツブツ・・)
 ところで・・ チコちゃんか?」

「さすが隊長! ちゃんと聞こえているのね♪ そうです、マウイのボールパイロット
 チコ伍長です・・ さぁチコちゃん・・ 隊長さんにご挨拶を!」

「あっはい!・・ はじめまして! チコ伍長であります! 以後お見知りおきを!」

「そんな、かしこまらなくって良いわよ!」

「でも、大尉殿ですよぉ・・そして隊長でぇ・・」

「ほら! チコ伍長の言うのが正しいぞ! そもそもお前らは・・ と・・
 今日はミィ少尉はいないのか?」

「ミィはスクランブルスタンバイに入っています・・ だからMSデッキかな?・・」

「そうだったな・・ 索敵要員とスクランブル要員で、休みなしになってしまう・・
 チコ伍長もそのローテーションに入ってもらいたいが・・」

「えっ! 私がグリフィンに配属されるのですか?」

「うっ・・ それは・・ 軍機だ!♪  でも、私の顔を見たら解るだろ?」

「ハイ! ユカ少尉! 私!私! この艦に乗れるのね!!」

「良かったわね! チコちゃん・・
 隊長・・ 彼女ね・・ かなり落ち込んでたの・・ でも、大丈夫かも!♪」

「そうだな・・ でも、まだ他言するなよ・・ 
 で・・ チコ伍長には謝っておかないといけない事がある・・
 この前の出撃でボールの3号機を・・ ちょっぴり壊した・・  すまん・・」

「その話は、クマ軍曹から聞きました! でも、あそこまでボールでも戦えるんですね!
 私にとっては、あの子だけが、私の愛機・・だから、あの子が私の最高の兵器なのに・・
 周りは『動く棺おけ』って・・
 口では、そんなことない! って言っても、どこかで『MSに乗りたいなぁ・・』って
 気持ちがどこかに有って・・・ でも、ワサビィ大尉の昨日の戦闘で、
 あの子の性能をもっと引き出してやれば、十分に戦える!って解りました!♪
 感謝しています! あの子の事、もっと好きになれると思います!!」

「おう・・ 私もそのように感じていた・・ 思ったより良い機体だぞ・・
 使い方だ・・ 使い方を間違えなければ、十分に活躍できる!
 良い目をしているな♪ その目の輝きを忘れるな! 伍長ならできる!
 で・・ 表面がボコボコになっているが・・ それはそれでゆるしてくれ・・ 」

「チコちゃん・・ チャンスよ! 何かを、ねだっちゃえ ♪」

「そうですね! 何にしようかなぁ・・ なんて ♪・・
 別に良いです許しちゃいます!」

「よし!いい子だ♪  で、ユカ少尉はくだらん事を教えるなって!
 で・・チコ伍長・・ こんな事を聞くのは失礼かもしれんが・・ 学生か?」

「はい・・ 大学から曹候補生に志願し、今回配属になって・・ 」

「そうか・・ では、まだ戦闘を経験していないな?」

「・・・ はい・・」

「じゃ・・その辺は、ユカ少尉にでも聞いてくれ♪ 初陣で2機撃破のエースだ!♪
 彼女も志願だからな・・ 士官候補生から軍楽隊に入ったが、この戦争だ・・
 適性検査を志願し今はパイロットという変り種だ・・ しかし、センスは一流だ!」

「たいちょ~お・・ 止めてくださいよぉ・・ 昨日から『エース』って言われ続けて・・
 その気になっちゃったら、どうするんですか?
 私って『ほめられて伸びるタイプ』らしくって・・ あっ!だから良いのか・・」

「良いじゃないか! その気になっちゃっても・・ ただ 功労をあせるなよ、
 常にマイペースだ! 成績は後から付いて来るもんだ!
 じゃ・・ チコ伍長には必要な事だけ色々教えてやってくれ!
 チコちゃん またな!!」

私は手を上げて、2Fのランニングスペースから1Fの区域に下り、ラウンジに腰掛けた・・

ソファーが自分の体重で沈み込む・・やはり重力は心地よい・・
やはり人間には重力が必要なのだろう・・
そのままウトウトと・・ この感じが気持ちよい・・

・・・

「大尉! ここにいたのね?」

「ん? あっ副長・・ 申し訳ない・・寝ちゃってましたね♪」

「だからぁ・・ また寝は駄目よ♪ って言ったのにぃ・・」

「ですね・・ で、少佐は走らないのですか?」

「いや・・走るのは後でいいわ・・ それより索敵プランだけど・・
 2チーム出せないかしら?」

「メンバーの過労もありますが、モビルスーツの整備も手不足みたいで・・
 整備班に申し訳なくって・・」

「そうね・・ 聞いているわ・・
 何人か機関部と相談して整備班に配属変えを検討中なの・・
 実は、良い人がいるので・・」

「ほう・・ 機関部にですか?」

「そうなの・・ 私の仕事も手伝ってくれた人・・
 機関部はこの艦のシステム保守やインフラ整備も担当しているってご存知?」

「へぇ・・ 主計班じゃないのですか?」

「システムは専門家でないと駄目・・ だから、機関部内にシステム室があるの・・
 その中に、システムにも強く、機械にも強く、幅広く対処できるメンバーがいるの
 その人を中心に、整備班を増員しようか?って話・・」

「そうなんですか・・ 」

「カタパルト使用時の艦への影響を相殺する制御・・ 出来ているでしょ?
 もう、やってくれているのね・・ 彼がね ♪」

「へぇ・・ そいつは凄いですね・・ で・・一体誰なんです?」

「機関部システム室のビジー軍曹・・ ちょっと変わり者ですけど♪」

「えっ・・どんな?」

「辛い物が大好きなの♪」

「へぇ・・ なんだか楽しい人ですね・・ どれぐらいの辛さで?」

「聞いた話では・・ タバスコの500倍とか1000倍とか・・」

「ええ!!! そんな・・ 死んじゃいませんか?」

「どうでしょ? でも、彼は生きているわよ?」

「へぇ・・ そうなんだ・・ 一度ご馳走になってみたい・・って
 ちょっぴり考えちゃいますね・・ でも 5倍でも私は駄目だ・・
 ビジー軍曹かぁ・・ いろんな人が乗ってるんですね・・
 ・・・
 で、技術的な要員はローテーションで可能って事なんですね
 じゃあ、抜けた機関部への補充は?」

「サドとマウイの要員を配置したら、大丈夫でしょ?
 すでにマスミン特務からルナ2へは打診しているはずだから・・
 ・・・
 でもね・・ 異動させるとなると、何らかの肩書きなども必要だ・・との
 意見もあって・・ 整備班には班長のサミー曹長がいるでしょ・・」

「そうですよね・・ 抜く機関部への仁義もありますね・・」

「そうなの・・ 頭が痛いわ・・ 
 で・・くれぐれも、サドとマウイの要員の話は秘密よ♪」

「了解です♪」 (知っているって・・言えないなぁ・・ )

「じゃ、パイロットも増員ですね♪(ジムもボールも増えるし・・)」

「えっ・・そこまでは言ってないわよ・・
 何かご存知なの?
 それとも、誰かさんから聞いたのかしら? ♪ ふふふ・・」

「いや・・ それは・・
 というか、増員しないと、索敵2チームは無理ですから・・
 スクランブル待機要員も要るのですよ・・
 サドとマウイの機体は艦長が使用しても良いと、先ほど確認したので・・
 あとはパイロットか・・と・・」

「そうね・・ じゃ・・ 4名増員・・って聞いたら・・ 出来る?」

(えっ 3人ではなく4人って・・ あと1人誰だ・・)

「4人ですか・・ それなら可能ですが・・ モビルスーツが・・」

「うんMSは良いの・・ どうもありがとう♪ 増員したらOKということね・・
 じゃ・・ 走ってこようかな・・ ちょこっとね♪」

「ちょこっと?」

「もう若くないんですから、ちょこっとがいいのよ~♪  じゃぁね!!」

クロヒッツ少佐が片手を上げて席を離れていく・・
後姿を見ていると・・ うん・・ やはりナイスバディだ♪ 目の保養になる!

「少佐ぁ! 作戦が終ったら、飲みに行きましょうね!」

「いいわよ~ぉ でもお酒は少々ね・・ あれが出来なくなっちゃうでしょ♪」

(えっ・・ あれって何? ねぇねぇ あれって なぁに?? ♪)

朝から何を悶々としているのか? 突然マスミンの顔が脳裏に浮かぶ・・

(なにやってんのぉ・・ 飯でも食って索敵にいかなくっちゃ・・)

私は頭をボリボリと掻きむしりながら、朝食を取るためにスナックルームのカウンターに
向かった・・

(食べたらボールで索敵だ!・・)


「<第18話>お宝探しに出発!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/d35b80bdf1536027f40f97d277297dd3
に続く・・・

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(2007/09/12 18:20)


<第17-1話>重力発生装置(1) / ガンダム外伝

2007-09-12 18:20:01 | [小説]ガンダム外伝

<第17-1話>重力発生装置(1)  /  ガンダム外伝     2007.09.12
<ここまでの話>
「<第1話> から <第16話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/db812e820f927a8fe6b4ad02703b5e32
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
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ふと目がさめた・・ 3時間ばかり寝たらしい・・
物静かだ・・ 慣性航行中か、それとも駐留地点に到着しているのか・・

そろそろグリフィンはサイド5(ルウム)の残骸が広がる地域に近づいた筈だ・・
ルウム戦役で有名なサイド5は、戦闘でほとんどのコロニーが損害を受け、
現在民間人は住んではいない。
元観光コロニーであったテキサスコロニー等、幾つかではあるが、生きている
(機能している)コロニーもあるが、ほとんどのコロニーはラグランジュポイントに
浮遊するデブリと化している。

隠れるには絶好の場所とも言え、ジオン軍の戦闘艦が多数行動しているとの情報だ。
それを証明するようにかなりの数の民間や連邦軍の輸送船がこの海域で遭難しており
潜伏するジオン軍が、輸送船などへ奇襲をかけているとの司令部の見解だ。
この海域の安全確保は連邦軍の戦略上の問題だけでなく、サイド6やフォン・ブラウン
などの中立地帯の望みでもあるのだ!

前回の戦闘で交戦したパプア級やザクが逃走したことからも、確実にジオンの艦艇が
このエリアに潜んでいる事は確かである・・

その危険なエリアにグリフィンは到着した・・


マイクのスイッチを入れる・・

「こちらMS隊、ワサビィだ・・ 現状を教えてくれ・・」

「・・・ こちら、コントロールデッキです・・
     艦はルウム空域に入り、外郭バンチのコロニー
     30バンチあたりの残骸内に係留索を張り、滞留中です。
     副長が居られますが、代わりましょうか?」

「ああ、代わってくれ・・」

「・・・ はい、おはようさん♪」

「おはようございます、副長・・
 今日の索敵ですが、艦長からは継続するよう言われています・・
 ただ・・どこを索敵するかなのですが・・
 シングルバンチの内部に立ち入るのは危険だと・・
 外郭バンチを1つづつ索敵する方法を取ろうと思っていますが・・
 副長のご意見を聞きたく・・・」

サイドに作られるコロニーは中央から1バンチ、2バンチと三角形の
らせん状に並べられて作られている・・
そのため、1から9までの1桁数字のサイドの中央に位置するバンチを
「シングルバンチ」などと呼称する事があり・・ それの反対の意味で
外側のコロニーを外郭コロニーと呼称する。
外郭コロニーは外宇宙に面していることから、外部からの攻撃に弱い。
(30バンチは外郭コロニーであり、コロニー群の三角形の頂点に位置する。
 300度も外宇宙に面するため、宇宙貿易には向いているが、戦争となった
 場合、非常に守りにくい位置のコロニーと言える)

「・・・ そうね・・実は艦長とも話をしたのね・・
     待っていても拉致があかないし、まずは安全な区域を確保して
     そのエリアを広げていく方法を取りたいの・・
     だから、大尉が言うように、外郭バンチコロニーから
     安全を確保して行く方法が良いのかもしれないわね・・
     ただ・・時間がかかるのも問題ね・・
     どこに敵が潜んでいるか・・ 全く解らないもの・・」

「外郭バンチからの索敵で良いとのご判断ですね・・
 ありがとうございます・・ ちょっとボケているので♪
 頭に活を入れた後に索敵プランを作成することにします・・」

「・・・ あら?寝ぼけているの?・・ また寝、はしないようにね♪
     たまにはトレーニングルームにでも行ってみたらいかがかしら・・
     スッキリするわよ ♪
     私も交代したら、行こうかな・・ って思っているの・・」

「そうですね それも良いですね・・ じゃ・・ 御一緒しますか?」

「・・・ ふふ♪ じゃあ、先に入っててね!」

「了解です♪」

クロヒッツ少佐との通信を切り、私は部屋を出た・・
「これもお勤めだからな・・」とハムスターの気分は好きになれないが・・と
私はトレーニングルームに向かった・・

簡易重力発生装置の入り口がトレーニングルームの中にある・・というより
トレーニングルームそのものが簡易重力発生装置を指すのかもしれない。


・・・

トレーニングルームの中に入ると、丁度艦長が簡易重力発生装置から出てきた
所であった・・

「あ・・ 艦長・・ 今からコントロールデッキですか?」

「そうね・・ これから忙しくなりそうな気配でしょ?
 今の内に入っておこうとおもって・・ 重力は良いわね♪
 MS隊のメンバーも時間を作って、必ず重力装置に入るよう調整してね・・」

無重力では骨と筋肉が弱くなり、カルシウムの新陳代謝や免疫システムの調子が
悪くなることが立証されている。長時間無重力で生活をすると、ほとんどの人が
鼻づまりや鼻炎となり、そのまま放置すると不治の宇宙酔いとなってしまう。
定期的に重力発生装置入り身体を重力に晒す事が義務付けられているのだ!

「了解です。メンバーには順次入るよう調整しておきます。
 ところで・・ ちょっとお願いが・・ 次の索敵はボールを使ってみようと・・」

「えっ?どうしてボールなの?」

「ボールは熱源が小さい事から、敵に見つかりにくいと想定されます。
 また、コロニー内でグリフィンに補給できるようなものがあった場合、
 ボールの方が扱いやすい事もあり・・
 また、グルフィンにはジムコマンドを残せますので、ジオンのMSが襲ってきても
 対処可能です・・ いかがでしょうか?
 ボールは巡洋艦マウイ所属ですが、現在は艦長の管轄内であるので、
 使用の許可と合わせご許可をお願いしたく・・」

「その件ね、サミー曹長も言ってたわねぇ・・ 大尉が問題がないと思ったら
 それでよくてよ♪ MS運用は大尉にお願いしている事ですから・・」

「どうも、ありがとうございます・・ では、そのよう計画いたします・・」

「サミー曹長には大尉の方から伝えておいてね♪」

「了解です! ありがとうございます!
 で・・ 乗れるメンバーがいないので今日はサミー曹長と索敵に出ますね!」

「それは・・ 曹長は整備班でしょ・・ でも・・ そうか・・ 良いわよ♪」

(あれ??・・ OKが出ちゃった・・ こんなに上手く行くとは♪)

「ありがとうございます では!!」


艦長が微笑とかすかな残り香を残し、トレーニングルームを出て行った・・
気が付くと思わず鼻を膨らませていた・・ 悲しい男の性だ。
(でも良い香りだ・・♪)

・・・

擬似重力(遠心力)では、半径100m未満で3rpm以上の回転速度で回転する中では、
人々は乗り物酔いとなってしまうのである。
快適に生活するにはコロニーのように、半径500m以上で1rpm以下で回転する条件を
満たす必要があるのだが、艦船などでは大きな直径の物を設置する事は不可能だ。
(新型艦でも、移住区自体を全て取り込むのが精一杯の大きさになっている)
直径が小さければ乗り物酔いにはなるが、船乗りは酔いには慣れているとの設定か?
艦船にはこのような、簡易重力発生装置が設置されてるのが通常なのだ。

18メートルの大車輪と、入り口用の小車輪(直径10メートル)とおもり用の車輪の
3枚の車輪でサンドイッチされているのが、この簡易重力発生装置構造だ。 
  
簡易とは名が付いているが、直径18メートル、幅15メートルもある巨大な装置と
なっており、艦の中央部に配置されている重要な機関にもなっている。
簡易の意味は「居住区域ではない」という意味であり、居住区域を重力区域にする
ためには、もっと大きな重力発生装置が必要になるが、艦の構造上設置は不可能
なのは理解できるだろう。


大きさが異なる車輪が3重の構造になっているが、一番奥の車輪は回転モーメントを
打ち消すために逆回転しているおもりで、機関部の点検時にしか見ることはできない。

重力発生区域となる真中(2番目)の大車輪は、誰かが入っている間は常に回転し、その
遠心力で重力を発生させているが、戦闘中など誰も利用していない時は停止する。
尚、停止中には中に入る事は出来ない。
必ず安定速度での等速度回転になった後でないと、人は入れない仕組みになっているのだ。

常に回転している重力発生区域(2つ目の大車輪:直径18メートル、幅10メートル)に
入る事を実現させるのが、手前の小車輪(直径10メートル、幅3メートル)なので
ある。
この一番手前の小車輪には入り口があり、常に停止している。
入り口はトレーニングルームの中央に位置し、エレベーターの入り口のように見える
だけで、トレーニングルームからは、3つの車輪は全く見えない。

簡易重力装置に入りたい人は、まずその入り口から中に入る、
中には座席が一列に並んでいて、利用者は座席に付きシートベルトで固定する。
この入り口用の小車輪の底部の長さは、小車輪が直径10メートルであるので、
円周約30メートルになる、地球上の有名な鉄道の新幹線車両が25メートルなので、
中は新幹線の車両の中のような感覚で椅子が縦に25席並んでいると考えていただけば
解りやすい。(ただ、上を見ても座席があるので違和感は感じるが・・)

シートベルトで体を固定したら、スイッチを入れると、直径10メートルの手前の
小車輪が回りだし、体に重力を感じるようになってくる、小車輪の回転が、
まん中の大車輪の回転の速度に合った時、2つの車輪は固定され、2つの車輪を行き来
できるようにドアが開く、ドアが開くと、歩いてドアから大車輪に入る事ができるのだ。

大車輪の中は2階建てで、乗り込み用の小車輪と同じ直径の2階部分は、
単純なランニングコースとなっている。
ハムスターの気分になる・・というのは、このランニングコースがあるからだ・・
あまり好きではないのだが、走るほうが重力時の効果が増徴され、調子が良い・・
約4メートルの階段を降りると、1階部分(底部)になっていて、そこは、
約50m×10mの広さがあり5つの部屋に分かれている。
簡易ベッドがある仮眠室、アスレチックの用具があるトレーニング室、飲み物等が
とれるスナックルームなど、時間を潰す事が可能なように工夫されている。
もちろん2階部分のランニングコースより、1階部分の方が重力が高く、
その1階部分で0.7G程度となっている。Gを低く設定し回転数を低くする事で少しでも
船酔いを押さえる工夫がされているのである・・ 
尚、定員は30人程度となっている・・。 

 「<第17-2話>重力発生装置(2) 」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/8b2a66c9eb5a5d42ed124cda0e4f2838に続く・・・

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(2007/09/12 18:20)