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外国人技能実習生について考えてみた

2018-12-13 12:05:47 | 考えてみたシリーズ
ホンネとタテマエで見る外国人技能実習生制度。

ジジイ曰く、「オレが思っているのとどんどん違う方向に行っている」。「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった(Wir riefen Arbeitskräfte und es kamen Menschen.)」(Max Frisch)っていう有名な言葉を知らないらしい。


ジジイのホンネ(おそらく大多数の企業経営者のホンネ)

文句を言わず、最低賃金(あるいはそれ以下)で働く労働者が欲しい。一旦契約したらずっとこの賃金で良いんでしょ?(ダメだってば。最低賃金を下回ったら違法ですよ。)


政府のタテマエ

技能実習』は途上国に日本の技術や知識を移転し、その国の経済発展を担う人を育てる。最終的には帰国するので移民ではありません(キリッ)。



なので、外国人技能実習制度はかなり訳のわからない制度になっている。


1981年

研修生。1年間だけ受け入れ可能。海外に支店や関連会社のある企業のみ受け入れられる。

1990年

海外企業との関係のない会社でも受け入れられるようになる。

1993年

1年間の研修を修了した人について、引き続き1年を限度をして技能実習を行うことが可能に。

2010年

1年目から『技能実習』の在留資格で在留。1年目は技能実習1号、2~3年目は技能実習2号とし、計3年間の在留が可能に。

2017年

技能実習3号の区分が設けられ、合計5年まで在留が可能になる。

2019年

新たな在留資格『特定技能』が設けられ、特定技能1号は最長で、技能実習1号から併せて合計10年までの在留が可能になる。特定技能2号は定期的に在留更新することで事実上の永住が可能になる。家族も帯同できる。



という変遷をたどり、現在は技能実習1~3号の各イ、ロの6種、これに来年から特定技能1号2号が加わる。この特定技能がクセモノで、特定技能2号はどう見ても移民だ。ただし、少なくとも数年間は受け入れない方針らしい。特定技能1号の合計10年、家族と離れて暮らすのもどうかと思うが。それよりもなによりも、近年の受け入れ拡大の方向に向かうスピードがすごい。制度の目的と沿革、実際の運用を見ていると、「とにかく労働力が欲しい」という意見と「でも移民は嫌だ」という意見の妥協の産物であることがよく分かる。

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