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続・外国人技能実習生について考えてみた

2018-12-14 12:20:35 | 考えてみたシリーズ
前回書き漏らしたことをチョロチョロと書いておく。

既に旧聞といえることだが、2015年時点で、日本は既に世界第4位の移民大国なのだそうだ。下の図は西日本新聞のWebより拝借。OECDのデータから作ったグラフで、年ごとの外国人の入国人数である。確かに、2015年に韓国を抜いて4位になっている。この調子だと、英国を抜いて3位になる日もそう遠くないだろう。


法務省によると、2018年6月末時点での在留外国人は2,637,251人でもうすぐ大阪市の人口に追いついてしまうほどの人数である。技能実習は285,776人で、在留外国人のうち10.8%を占めている。そんな状況なので、繁華街に出れば外国人を多く見かけるし、地方都市では技能実習生が自転車で走っているところをよく見かける。留学生は324,245人で、やはりかなり増えている。私の母校でもかなりの人数の留学生を見かける。10年以上前はチョロチョロいる程度だった。なので、多分、ゼミの発表を英語でやっている研究室も増えていることだろう。

年齢構成は調べていないが、これだけの人数がいれば、多分、日本で子供ができる外国人も増えていることだろう。技能実習3号ができ、在留期間が長くなれば、技能実習生に子供ができるケースも増えることが想定される。現行制度では技能実習生が日本で結婚したり出産したりすることは想定されていないので、果たしてどうなることやら。日本人と結婚しても、日本人の配偶者に在留資格を変更することも難しいはず。技能実習を終えて再入国すれば別だが、技能実習は『技術を途上国へ移転する』という建前上、すぐに再入国するのは許可がでないはず。因みに妊娠・出産を理由に解雇するのは認められていない(判例あり)。じゃあどううするのか、というのはケーススタディもみつからないので見当もつかない。

政府としては、留学生や技能実習生はこれからも増やす方針のようだ。ということは、日本人のやりたがらない職業はますます外国人だらけになるだろう。技能実習の職種・作業とハローワークが公表している職種別の求人・求職状況を見れば想像ができる。北海道の例を挙げると、2018年10月の月間有効求人倍率は一般事務で0.31、選別作業員・軽作業員で0.16、農林漁業で2.89、型枠大工・とび工で11.14なのだ。

ここで少し心配なことがある。一般事務や軽作業は近い将来、かなりの部分がロボットやAIで置き換えられるだろう。実際、RPA導入で不要になった人員の再配置のニュースを見かける。総務や経理を営業やSEに異動させるというのだ。しかし、一次産業や建設はまだまだ人手が必要だし、保育や介護は人でなければならない。平均して、現在求人倍率の高い職種が、将来も人手が必要なのだ。農業に関して言うと、米や小麦、大豆、飼料用とうもろこしなどは開発が進んでいて、将来的にはかなりの部分が自動化されるだろうが、野菜や果樹の自動化は難しい。米と同じ面積のキャベツを作っても食べきれるわけがないのである。だからといって品目を越えて汎用化しようにも、ダイコンとキャベツを同じ機械で収穫するのが無理なのは明らかだ。キャベツの収穫機もあるにはあるが、現状ではそれほど効率が良いわけではないし、トラックに積んで運搬するところは結局、人間がやるのである。

果たして日本人は、これから起こる産業構造の変化に対応できるのだろうか。私には不安しかない。過去の産業構造の変化では1次産業から2次産業へ、更には3次産業へと人が移っていったが、今度は逆向きに移らなければならないのである。

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