vs栃木SC 2nd

2011-09-13 | J2
27節/札幌 1 - 0 栃木 厚別競技場10,110人
得点者:5' ジオゴ(札)

栃木は前節よりRSBが赤井になりパウリーニョの穴には西澤、サビアが体調不良で崔がFWの陣容変更な4-4-2。
札幌は前節より昊乗と岩沼が戻った陣容で試合開始。

札幌は早い反応で栃木に詰め寄り主導権を握る、開始直後に右の近藤が中に絞りながらドリブル無双、寄せる小野寺(栃)を腕で押し返し寄せ付けずオープニングシュートを撃ち込むが枠外。
4分には札幌の攻撃をバイタルで巧く潰せない栃木が左35mくらいの位置でファウルし札幌FK。
岩沼と砂川が球の前に陣取り砂川が縦走、直後に岩沼がDFラインとGKの間の絶妙な着弾点に放り込む、岩沼が蹴る直前にジオゴは角度の浅い斜走でイキオイをつけてからオフサイドを喰らわない絶妙なタイミングで4人並んだ栃木DFラインを一気に抜き、詰めるGK武田よりも速く着弾点に頭を出したジオゴヘッドで札幌先制、1万人超えの厚別で魅せた怪鳥降臨。
栃木サポにしてみればパウリーニョ骨折から「どいつもこいつもパウリーニョパウリーニョうるせぇよ。」と言った1週間だったであろう、しかし案の定パウリーニョ不在の影響は大きく、サイドチェンジを絡めた札幌の攻撃を逆手にとってカウンターに斬るどころか巧く押し返せない栃木だったが11分の栃木CKで昊乗が味方の動きがブラインドになりファーに流れた球を走りこんできたロボ(栃)にヒットされたのはヤバかった。
栃木は20分にも札幌のクロスを摘んで反撃し崔(栃)のグラウンダークロスにロボらしいシュートを打ち込むが昊乗の守備範囲に打ち消された。
それ以外は札幌のポゼッションで押した前半であった、栃木はパウリーニョ不在を払拭出来なかったといっても過言ではない前半の内容だった。

しかし栃木とてダテに開幕から上位に居るわけではない。
後半、栃木はインターバルでDMF小野寺 → 河原と交代、河原がLSHで高木がDMFに入る。
札幌のDMFを越えるスペースへの放り込みや外への散らしで局地戦を避け、前半よりも球際に激しく仕掛けることでペースを戻した栃木、前半で黄紙一枚喰らってる崔も2枚目確定でオカシクネェくらいのファウルで応戦し攻撃の流れは栃木に移ってゆく。
しかし、フィニッシュに行く前の過程で放り込みが多く、足元至上主義のロボでは脅威が半減したのと札幌のCBが制空権を握っていたのとで放り込みによる攻撃はいつもながら最終防壁で概ね防いでいたが8分の左からのファーへの栃木FKがPA右際で那須川(栃)がトラップし中のフリーな崔に渡して撃ちこまれたシュートは枠外で助かった。
前半とは打って変わって攻勢を続けた栃木だったが21分にCB渡辺が痛んで大和田と交代、ここから栃木の攻撃は少し失速し、双方得点から遠いようなプレイに落ち着く。
しかし終了間際に札幌は右サイドで廻され中へのパスが水沼に入りダイレクトに撃ちこまれた弾道は横っ飛びの昊乗が止めきれずポスト直撃でロボに跳ね返り、良い位置に居た廣瀬に戻して後は押し込むだけと言う札幌には絶望的な展開だったが、クビの皮一枚のところで純平が割って入ってクリア。
GKが痛むことが多かった今節は6分もの長いロスタイムが取られたが札幌は巧く試合を終わらせ単独2位浮上となる勝利を挙げた。

前半の札幌の時間帯で追加点を奪えなかったのは惜しかったが、反応が良く効果的なプレスで球奪し反撃する様は見事だった。
特にLSB那須川のところにはキビシク行き高確率で球奪していたのはプランどおりだったのかなか妄想する。
パウリーニョが離脱な上にサビアまで帯同できないという札幌には追い風でラッキーな要素もあった今節だが、前回の展望で「堅守の栃木に対して~FC東京ほどの攻撃力が~云々」とか弱腰なこと言っててスンマセンでした。orz
この調子で怪進撃…いや快進撃を続けよう、ThanksSapporo!

栃木戦展望

2011-09-10 | J2
振り替えの4節はJ2ではダントツの戦力を誇るFC東京とJ2昇格3年目にして昇格を狙える強さを体現し続ける栃木SCの一戦、しかし天王山の結果は0-0のドロー。
立ち上がりは両者共に鬼詰めで激しい主導権争いが展開された。
J2屈指の戦力を擁するFC東京はJ2の平均レベルを凌駕する速度のパス廻しでも連携を成立させ局地戦でも強く、栃木の硬い守備に手を焼きながらも陣形を切り裂いて良い位置でシュートまで持ち込む強さを体現したがフィニッシュがことごとく枠外という大詰めのトコロでの自滅が最後まで尾を引く結果となった。
対する栃木はFWのサビアとロボを前に残したMFとDFで2列を形成しブロックを作るが東京の高速なパス回しと嫌なタイミングで仕掛けられる単騎突破の斜走でピンチに陥ったが、高いレベルの攻撃にも組織で対抗し、奪ったら速い切り替えとダイレクトパスを絡めた常に動き続けるパス&ゴーでプレスを交わして東京ゴールに迫るも決定打には少し届かなかった印象。

栃木のプランとしては相手の前がかりをカウンターに切り落として仕留めるというモノだったと妄想する。
26節愛媛戦は21本ものシュートを打たれても2-2のドローだったが愛媛の推進力をカウンターに切り落とした2つの得点パターンは見事だった。
その相手の推進力を途中で球奪しカウンターに嵌める軸となるのが読みや局地戦に長けるパウリーニョなのだが、前節の後半開始直後に梶山(東)との局地戦で右腓骨骨折の全治約2ヶ月という重傷を喰らい負傷交代してしまう。
栃木はプランのマスターピースを失った以降、攻撃は屋台骨が抜けたような状態となり失速、前半に魅せた素晴らしい連携はナリを潜め守勢に回ってしまいヤラれることはなかったが有効打に繋ぐことは出来ずに痛み分けの試合となった。
パウリーニョだけが厄介なわけじゃないが今季の躍進を支えた駒を欠いた状況で残り試合に臨む栃木は間違いなくスクランブルだ。
前節交代で入った落合ではパウリーニョほど攻撃に効かず、凌ぐので精一杯だった印象で栃木はココの打開策が今節の見所でもある。
「パウリーニョ離脱」は確かに札幌にとって追い風だ。
しかし栃木はスクランブルだったにも関わらず、FC東京の攻撃力を持ってしても押し切れずにドローに引き摺り込んだほど守りは堅い。
今節の対戦相手は確実に急場だが、J2リーグ赤丸急上昇の札幌とはいえFC東京ほどの攻撃力があんのか?と聞かれれば「勝負はやってみにゃワカンネェだろバカヤロー!」とキレて誤魔化すのが精一杯だったりする自分。(笑)

前節はトップのルーカスにクサビを打ってワイドプレイヤーが斜走、DMFがクロスオーバーとかSBが香車でデコイを仕掛け縦軸を撹乱、保球者が単騎で仕掛けるかパスで揺さぶるかの2択で決定機を作り出していたFC東京、バランスや運動量でタイトなものがあり札幌にはなかなか見られないアタックだが有効だろうなぁアレと指を銜えていた。
逆に言えばここでピンチを量産していた栃木がソコを放っておくわけもないのだが「警戒しあって守り合いの泥仕合」となるか「は?栃木にゃ負けたコトねぇんだよウチは(ニヤリ)。」と札幌が貫禄を見せてくれるのか楽しみです、今節も見所満載ですなぁ。
さぁ、餃子野郎をペロリと喰っちまおうぜガンバレSapporo!




vs水戸ホーリーホック

2011-09-04 | J2
4節/水戸 1-2 札幌 Ksスタジアム
6′ジオゴ(札)46′ロメロフランク(水)51′砂川(札)

台風が四国直撃で悪天候が予想されたがキックオフ直前で雨は止んだものの白線が薄まっていたKsデンキスタジアム。
水戸は長身の加藤が久しぶりにCBに入り前節CBの尾本がLSBにスライドし前節LSBの保崎がLSHに上がる。
前節後半で試した岡田がRSBで西岡がDMFに一列上がりロメロフランクがOMFに一列上がる玉突きスライドで、鈴木1トップの4-5-1対札幌仕様の水戸。
対する札幌はGK昊乗が練習で痛んで高木先発、岩沼不在でLSB日高RSB純平、CBに櫛引が入って河合がDMF、砂川、近藤がSHで内村がOMFのジオゴ1トップな4-5-1。

キックオフ直後からスリッピーなピッチにも関わらず反応良く球際に厳しく行く両者の主導権争いが展開された立ち上がり。
尾本(水)の右でのスローを西岡(水)が拾って詰める近藤を交わして放り込んだクロスは並列で守る札幌DFの間に着弾、ソコに入り込んでいた鈴木(水)が降り抜いた左脚にはヒットせずに助かる札幌。
そのコボレをロメロフランク(水)が拾って水戸は波状攻撃態勢を取るがコントロールミスで球失、コレを自陣深いトコロから出足鋭く走ってきた河合がスライディングで自球にしてから内村に渡しカウンター発動。
内村は中央やや左にドリブルで持ち上がり左を上がる砂川にパス、コレを見た内村の少し前にポジションしていたジオゴがPAにゆっくりと進む。
加藤(水)と塩谷(水)がニアに縦配置で構えるが、砂川がクロスを放つ瞬間にジオゴから目を離した加藤と塩谷の動向をジオゴは逃さずこの2人の間を斜走で着弾点にジャストタイミングで抜けたジオゴヘッド炸裂で札幌先制、Kスタに怪鳥降臨。
その後も球際に鋭く行く札幌がペースを握り21分には村田(水)が中央からの持ち上がりで左を上がってくる岡田(水)にパス、フェイントで抜こうとしたところを対峙する砂川がサックリ斬り取りパス&ゴー、ジオゴが宮澤とパス交換で逆サイドの高木に振った攻撃など、水戸の攻撃を往なして仕掛ける良い展開を見せた。(パス交換時に宮澤のプレイに不満っぽかったジオゴ。)
地上戦侵攻では分が悪いと判断したか水戸はアーリークロスも絡めだしてきて流れを引き寄せる。
26分には前節鳥栖戦でも得点の起点になった岡田のファー狙いの左アーリーが縦走する保崎に飛ぶ、ニアで並走した純平の頭上僅かに届かない絶妙のクロスを保崎は巧く収めシュートするがGK高木が判断良く詰めてブロックで凌ぎ難を逃れるものの、この辺りから水戸に押し込まれ始める。
それも最終防壁で弾き返すいつもの札幌の堅守っぷりでキッチリ前半も終わるかと思っていたロスタイムのラストプレイ、水戸の放り込みを巧く切れずにいたトコロで鈴木の放り込みをPA左でロメロフランクが受けてエンドラインに縦走、ニアに山下が貼り付くが変則的なタイミングで蹴った球が山下に当たり(股間を抜けただけか?)GK高木の右を抜けて被弾してしまい前半終了。

嫌な時間帯で追いつかれて後半開始、石さんコメントで「ハーフタイムで切り替えていく良い意見が選手から出た。」という立ち上がりの5分。
鈴木のファウルから札幌右でFK、サイドラインをフリーで上がるジオゴに純平が縦パスを通し水戸PAに内村と砂川が並走で走りこむ、ニアの内村狙いで入れたグラウンダーは塩谷にブロックされたが砂川の近くにコボレ、砂川が巧くバランスして放った「狙いと違って恥ずかしい」と後にコメントしたシュートはGKの動きの逆を突き、坊主にして気合を入れてきたGK小野は逆を突かれながら触ったものの決まってしまう砂川のハニカミショットで突き放す札幌。
しかし水戸の走力を使った攻勢はここから加速し、受けに回ってしまう札幌。
28分には西岡の左からの放り込みに着弾点のファーポスト際で鈴木と小池の狙いが重なりプレイが詰まってしまったが、どちらかが強引に行っていたら札幌は危なかった場面や、39分には岡田の放り込みを山下がクリアしそこねた流れから塩谷に25m級の鋭いシュートを打ち込まれるもGK高木が正面で押さえたりと得点に近いプレイが出る水戸。
それでも19分にロメロフランクに出たPA内へのスルーでGK1vs1になった場面にも果敢に交錯し防いだプレイをはじめ、高木の好プレイは43分の加藤の頭弾も横っ飛びキャッチで防ぎロスタイムに突入。
前半同様に「ロスタイム弾」という嫌な言葉が頭を過ぎる92分。
水戸のCK、PA内に6人突入のパワープレイでファーの遠藤がダイレクトで撃ち込んだ弾道は、真下に跳ね返るクロスバー直撃弾、そのコボレを拾って岡田の放り込みから放った島田のラストショットはGK高木が正面で取り消し札幌勝利!

水戸は前節同様に良い攻撃は体現したが勝てなかった。
尾本をSBに入れ攻撃的に利く保崎を一列上げたもののサイドアタックでは尾本の上がりが遅くハンパで保崎が孤立してしまい中央経由に偏重してしまった部分は前節の保崎SB策の方が攻撃に関しては選択肢が広まるのかなと思えた。
札幌は相変らず、ポゼッションされようがシュートスタッツで劣ろうが勝っちまう強さを見せた。
とはいえ、終盤のクロスバー直撃弾なんざ弾道が後1cm下だったらキマっていたわけで相手の劣精度に助けられた感は否めず、今節も「薄氷を踏む思い」的なギリの勝利だったと思う。
足りない部分は山積みに見えた今節、更なる精進で上方修正していかなけりゃマダマダいかんでしょう。
とは言え砂川の奮迅っぷりには特に感嘆することが多かった今節、解説の<策士>前田さんも微妙に名前を間違えながら褒めちぎってくれたがホント心強く頼りがいのある存在です。
ジオゴもフルマーク下での対応が上向き、絶好調だった砂川との連動を生み、近藤や純平との良い場面にも繋がったのかと思うと、これからまだ良くなって行くなという妄想で楽しみです「遅れんなよ若手達。」
次節からは上位陣との直接対決シリーズとなります、そういう日程もより一層楽しく見られる順位に踏み止まってくれた札幌に感謝ですねThanksSapporo!

水戸戦展望

2011-09-03 | J2
26節/鳥栖 2-1 水戸
24′豊田(鳥)30′自殺点76′塩谷(水)

水戸の前節鳥栖戦は守護神本間が指の脱臼で全治2カ月、小野がGK先発というスクランブルで、立ち上がりは水戸の鬼詰めでペースを取ったがGK小野が立ち上がりからしばらく浮き足立った感じで、金民友(鳥)の放り込みが良かったのを差し引いても球の見極めや処理が悪くピンチを量産。
失点シーンも2点目はGKのミスから押し込まれ自殺点の流れだった。
1失点目は水戸の中央突破からのスルーがブロックに当たり跳ね返りがそのままカウンターとなり持ち込まれるがLSB保崎のプレスとCB尾本のブロックで保崎が奪うが自球に固執して水戸バイタルで持ち過ぎから鳥栖に囲まれ奪われて岡本(鳥)にスルーを出される、スルーが出る直前に一人オフサイドラインを下げてしまっていた尾本が突入しようとする豊田(鳥)に気付き必死に戻るが完璧なタイミングで噛み合ったスルーにハマり決められてしまう。
自殺点のシーンは水戸のゴールキックの空振りが発端になるモノだったので、コレから攻撃だという水戸のDFラインが高く張っていた、特に左の保崎はミドルサードまで上がっていたところでのミスだったので戻りが遅れ混戦状況での跳ね返りがDFに当たって決まってしまったモノだった。

水戸は負けはしたものの自前のプランもキッチリ体現して見せた。
両サイドが絡んでアタッキングゾーンでワンタッチパスを絡めた変調子で撹乱しPAに切り込む連携は読みにくく効果的で有効打も4発ほど撃ったが、この日アタっていた鳥栖GK赤星の神守に阻まれた。
水戸の得点シーンは水戸CKのクリアをRSB岡田(水)が放り込み、ショートした鳥栖のクリアをPAライン中央外際から塩谷がワンバウンドでダイレクトに撃ち込んだ一発、密集状態のPAを気持ちよく抜けて突き刺さるコントロールされた見事なシュートだった。
両サイドの香車アタックや、相手バイタルから中央経由でワンタッチパスで転調しながらPAに斬り込んで来るプランはキマれば読みにくく厄介なアタックだがパスミスが多く不発に終わることも珍しくなかった印象。
しかし折れずに仕掛け続け有効打に繋げてくる積極性も持ち合わせるので十分なストロングポイントだろうと妄想する。
一方SBが高く張ることが目立つ水戸だがカウンターを喰らったときのディフェンス陣の対応が硬くはなくギャップが出がちで付け込める要素が目立った前節、ここの修正度や札幌の突き崩しなども注目したい。

札幌は前節岡山戦でジオゴがフルマークされたときの有効なアタックが近藤と純平の単騎突破くらいだった、これからは前節のような対応されることのほうが多いと思われるのでマークされてたなりのジオゴのプレイに絡んでいく他の引き出しとかジオゴの進化にも注目したいです。
陣容も変化がありそうな気配なので、他カードや順位動向も含めて諸々楽しみな週末ですね、水戸にも台風にも負けんなガンバレSapporo!