vs東京ヴェルディ

2011-09-23 | J2
5節/札幌 4-2 東京V/札幌ドーム11,368人
2′古田(札)4′河野(東)61′近藤(札)77小林(東)88′89′ 岡本(札)

マラニョン累積拘束で飯尾が代替の東京V.
札幌は前節の負傷から宮澤が戻れず前節とは岩沼DMFで日高LSBに陣容変更。

双方球際に厳しく行く立ち上がり、東京の左の攻めを潰して札幌の自陣スローインをヘッドで前に送った内村はそのまま縦走開始、内村のパスをしぶとくキープした近藤が内村との縦の位置関係でコースブロックの土屋(東)を消し内村へパスを通す、内村は中央を並走する古田に向け詰める中谷に引っかからないコースでパスを通すとGK1vs1、古田のファーストコントロールは大きいかと思われたがGK柴崎が速詰めに来なかったため球際で古田の方が速く、GKを見切った一撃を開始2分で撃ち抜く。
しかしマラニョンを欠くとはいえリーグ断トツの得点力はダテじゃない東京はその2分後に東京のスローインを佐伯(東)がダイレクトで前に送るが岩沼がカット、しかし菊岡(東)にコボレ、山下が詰めるがソレよりも速く既にフリーランニングしている河野(東)の前のスペースにダイレクトパス、スピードに乗った河野にPAを斜走され被弾してしまう。
その後は、マラニョン不在をモノともしない東京のパスワークと走力に防戦色が濃くなる札幌、DMFも下げられセカンドも拾えなくなり好機を作られるが最終防壁でしのぎ続けると、いつものように札幌ブロックに引っかからない相手の一撃は枠外弾で、危険な一撃はGK昊乗が阻み、ゴールポスト神も降臨し札幌の堅守を体現した。
スピード感溢れる東京の攻撃は小柄な選手が多くCK時は脅威が薄い、その辺の事情もあるのか、東京の攻撃は中に絞ってくるものが多く、PA内で空中戦に持ち込むような放り込みは極端に少ない。
そんな東京に石さんは3-5-2で中に一人置く策に出る、この陣容変更あたりから東京は札幌ゴールから少し遠くなるが札幌も有効に反撃できているわけではないものの前半よりも少し失速してきたか東京?という印象を感じ始めていた58分、左の狭いエリアでの攻防のコボレを拾った砂川がドリブルで単騎突入からGK柴崎の直前で打ち込むも弾かれるがソレを拾った古田がPA左際で仕掛け、対峙する森(東)を切り返し一発で欺き高速のグラウンダークロスをニアに横走する内村の前に送るが合わせられなかった惜しい攻撃を体現した。
その直後に東京に右を押し込まれるが東京も札幌3-5-2を前半のようには攻められず、焦れて放り込んでみるものの山下ヘッドであっさりクリアされ右の日高に渡る、東京の前がかりで薄くなった東京バイタルで近藤無双フラグが立っているのを確信した日高は一気に近藤の前のスペースにロングボールを着弾させると富澤(東)と土屋をブッチぎった近藤は着弾点で落ち着いたモーションからGK柴崎の半端なポジショニングを逃さず見事なループシュートをキメて東京を突き放す。
しかし東京も札幌3-5-2対策で前線の飯尾を平本に代えてサイドアタックから放り込みの選択肢も増やし、攻撃の推進力を少し取り戻した32分、札幌陣左での攻防で森にPA左際を深く入られ引っ張られた後ろのPA左角のスペースをDMF小林に入られて渡されてしまい、フリーで強振され被弾してしまう。
その後も東京の攻勢は驚異だったが堅守の札幌が弾き返し続けた38分には東京の攻撃を奪って反撃に出ようとした山下は太股に富澤のスパイクを喰らい悶絶するがノーファウル、この酷いファウルを審判は見逃したがサッカーの神様は見逃さなかった。
2分後に内村→岡本、そしてその直後に昊乗の東京ゴールまであと20mの位置まで飛ばしたFKに競る土屋と上原、空中で上原が土屋の体制を少し押し込み意図とはズレた形で土屋の頭にヒットした球はGK柴崎が戻りながらジャンプした守備範囲を超えてファーポスト直撃でPA中央に跳ね返る、コレに東京PA内で誰よりも速く反応した岡本が強振で撃ち込み三度突き放す札幌。
その2分後には札幌の攻撃を啄ばみ左から組み立てようとした東京、その組み立てにプレスする河合はパスで交わそうとする東京の球回しにも見事な追い込みを見せ球奪しPA中央に切れ込み東京CBを交わして岡本にパス、岡本は足元に入りすぎたがPA内でキッチリ持ち直しトドメの一撃を撃ちこみ東京を沈める。

リーグトップの攻撃力vsリーグ2位の堅守は札幌の勝利だった。
東京Vの攻撃は高機動力なうえに擦り合わせも高レベルで手を焼かされた印象だった。
しかしここまで幾多のチームに持味を体現されようがシュートをバカスカ撃たれようが最終防壁で跳ね返し決定率の高い反撃弾で勝利を積み上げてきた札幌が勝利をモノにした。
3点目は上原と岡本という途中投入による2人のプレイで得点に繋がったものだった、おそらくああいう得点の形を意図したわけではないだろうが、貴重な得点だったことは間違いない、ジオゴ欠場での2試合だったが7得点と絶好調なのも心強い。
一方、東京は前節で横浜FC相手に7得点をキメた攻撃力を存分に見せつけた、札幌は多くの時間を自陣に貼り付けられる猛攻を喰らうわけだが東京の攻撃を2点止まりに押さえ込み逆に4点ブチ込んでやった。
その猛攻な東京は自前のプランを体現しながらも負けてしまったのは、研ぎ澄まされた鬼の一撃の攻撃で突き崩せなかったときの代替プランの柔軟性や幅が無かったのも一因かと妄想する、終盤に菊岡→巻という全く機能しなかった采配などは象徴的で、あの攻め以外は薄いのかなと。
しかし本来はマラニョンという前でキープも出来る駒もあるんだから驚異的である。
確かに東京の攻撃は見事で迫力十分だったが、京都だって千葉だってスゴかったけど、札幌はそれらも撃破してきて今がある。
試合後、川勝さんの負け惜しみ的なコメントには、己のプランを体現できたのに結果的に勝ち点を積み上げられなかったことで今後選手がブレないようにとの配慮を感じた。

反撃から2秒でシュートまで持ち込もうが、予測できない弾道のブレ球を撃てようが、1試合で50本シュートを放とうが枠に決まらなければ意味が無い、試合に勝ったほうが強いのだ!
まさに激闘だった今節、平日ナイターにも拘らず1万人超えのサポーターの前で激勝を魅せたコンサドーレ、見事でしたThanksSapporo!