先ずは、論文に目を通してから言える
田母神航空幕僚長更迭の是非!!
イデオロギーは観念・信条であるから、個人的範疇では、思想信条の自由に中る。当然である。只、正しいとか、正しくないとかは問題外のことであって、公私の別は着けなければならない。
一国の軍隊幕僚長即ち高位指揮官が、みだりに私見を露吐すべき話ではない。論文などは、身分を明かして(分かる状態で)発表した段階で、問題となるのは当然である。
さて、論文「tamogami.pdf」をダウンロードを 見たが、個人的には説得性のある見解であることは認める。しかし、公式にはそうはなっていないことも周知のことであって、制服組のトップが、公然と公式見 解に異論を唱えるシステムは、違和感を覚える。一体全体、この国は、この国の軍隊は、指揮統率を何に委ねているかという不安がよぎる。不安と言うよりも、 二重構造を容認しているのかという、法令無視の傍若無人と言うべき稚拙さへの諦め感でもある。
自衛隊には、政治に統率されないという旧軍観念が未だに色濃く残っているのであろう。それは、天皇統帥権の名残を引きずっているのであろうか。しかし、そ れは面と向かって言え何だろうから、言論の自由というトンチンカンな言い訳を弄する。もしも、それが事実であるなら、論文「tamogami.pdf」をダウンロードの 論理は、根底から矛盾する。そう、政治同意を求めて進駐するのは、侵略ではないとの田母神理論である。良くも悪くも田母神航空幕僚長は、政府公式見解を無 視した私見を、公式身分において公然露吐した。政治同意を求めないわけであるから、言論の自由の問題ではなく、理論的クーデターである。
現行法においては、謀反と言われても仕方がない。北朝鮮を引き合いに出すまでもない、言論の自由以前の問題である。
それにつけても、下記批判は、いつもながら胸の空く、的を得た見解である。
【転載開始】田母神君の論文について(@w荒
当該人物を題名で君付けしているのは、ヲレが主権者としての立場という大所高所からの視点でものを言う意図からであり、これが極めて公的な問題であって、私的な礼譲を要する関係でものを言うべき問題ではないことを意味する(@w荒
歴史とはイデオロギーである(@w荒
事実そのものではなく解釈が問題となる。
歴史とは勝った者の歴史である。
現在日本に米軍基地があり、経済的にも軍事的にも日本はアメリカの属国の側面を持つ。
だが、日本は高度科学技術部品を以って米軍の死命を制し、また莫大な米国債を購入することで米国経済の死命を制している。
日本がこの状態にあるのは日本にとって得だからである。それ以上でもそれ以下でもない。
まず、米軍が日本に駐留することでアジア諸国は日本と安心して貿易ができる。
また、石油輸送ルートを守るための空母艦隊と、中露の核に対するアメリカの核の傘を自分で揃えることになれば今よりずっと多くの軍事費が必要となる。
敢えて侵略国家と呼ばれても現在の国際情勢の中で最適解を選んで1億3000万の民が食べていける道を選んでいるのだ。
名を捨てて実を取っている。
それが我慢できない者もいる。
事実を見ろと叫ぶ者がいる。
田母神君のような人々である。
だが、それがどうしたというのだろう?
事実に高い価値を置く単純な人も世の中にはいる。
人間の認識は、認識するだけで
既に様々なフィルターがかかっていて、
生の事実などはどこにも存在してはいない。
あるのは、比較的多くの人間があやふやにもっている
「真実」という名前の
共同幻想だけだ。
歴史を現すhistoryも、Geschichteも、
「お話」という意味だ。
歴史的意味での「真実」を構成し、認識するのは、
結局、人間の「力への意志」=「信じること」だけだよ(@wぷ
そうでないならば、そうであることにしてしまうというのが歴史というものだ。
但し、それを主張する必要はまったくない。
信じるだけで、それは力となる。
国際情勢と地政学的論点を整理した上で、
国民に何を信じさせるべきか?
そして諸外国に何を信じさせるべきか?
更に自分が何を信じるべきか?
統治者として考えるべきなのはそれらであり、
ありもしない生の事実ではない(@wぷ
勝てば官軍、負ければ賊軍という諺(ことわざ)が示す通り、勝てば解放軍、負ければ侵略軍である。
田母神君の論文を見る限り、彼は歴史の厳しさというものがわかっていない。
日本が侵略国ではないということは、第二次大戦で日本が米国を完膚無きまでに叩き潰し、ホワイトハウスに日の丸を掲げることができた場合にのみ言える言葉である。
こんなこともわからないようでは、自衛隊は既に思想戦で負けているとしかいいようがない(@wぷ
今更田母神君を辞めさせても遅い。
真の支配システムである官僚組織のただの傀儡であることもある首相や大臣ならば縁故で選ばれることもっていうかほとんどそうなりつつあるが、実力で選ばれるべき幕僚長にこのような見識の者を登りつめさせた防衛省の責任は重い。
高裁の判決に「そんなの関係ねえ」とか小島よしおの真似をして発言した段階でヲレは既に見切っていた(@w荒
どんな高い金額で武器を揃えようが、有効かつ高度な価値観を以って戦術的目標と戦略的目的を上手く措定する哲学的・思想的能力が無ければ必ず一敗地に塗れるものだ(@wぷ
【転載終了】