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TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

採光断熱壁

2010-01-27 23:50:22 | *白鷹の家
ハイサイドライトに採用した採光断熱壁が設置されました。
これまで公共施設や工場などに採用された例はありましたが、住宅の外装に全面的に使った例は、ほとんどないと思います。
白鷹の家では、2階外壁に採用し、全体を採光面としています。

さて、ハイサイドライトからの採光は、北欧やドイツなどヨーロッパ北部の雪国地域では一般的に採用されていますが、こと日本では、これまで採用されることがありませんでした。

それは、水分の多い重い雪の影響も少なからずあります。
日本の雪国では、水分の多い雪を屋根に勾配をつけて、すぐに落とすのが通例です。
そのため、急な屋根勾配には漏水の危険性がある窓(トップライトなど)をつけることが難しかったのです。

最近、ようやくトップライトの技術が確立されて、トップライトを採用した勾配屋根の住宅も増えてきましたが、かなり高価な建材となっています。

そこで、白鷹の家では、「北海道式」と呼ばれているバタフライ形の屋根を採用した無落雪屋根とすることで、壁面全体からの採光を可能にしました。
無落雪屋根については、今回の住宅で様々な試行錯誤をしています。

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デュブロン塗装

2010-01-23 20:04:25 | *白鷹の家
少し前の話ですが、玄関ホールのボード下地を塗装してきました。
仕上材に杉材を張る予定をしている部分に用いたのはリボス社デュブロン

デュブロンは、石膏ボードの上からその吸湿性を損なうことなく直接塗れる自然塗料のひとつです。
漆喰に比べて格段に施工性がよく、安価に塗ることができます。
自然塗料だけに、塗装中はシンナー臭は全くなく、柑橘系のよい香りで作業効率もよいです。


リボス社は自然塗料メーカーとして有名ですが、その製品を地方で使おうと思ってもなかなか流通していなかったり、わずかばかりの塗装面積では、塗装屋さんに頼むと割高になってしまいます。

白鷹の家では、人の手が直接触れるような場所の材料には特に気を使っていますが、こういうちょっとした作業は積極的に別途工事ならぬ、現場監理の時に設計者施工してコスト削減を図っています。

最終的には仕上材の裏に隠れる部分ですが、杉材を無双格子のように目透かし張りする予定なので、出来上がりはまた後日。。

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多様な現場監理

2010-01-21 20:39:36 | *白鷹の家
白鷹の家もいよいよ内装工事に移行しつつあります。

近頃の私は、現場監理をしつつ、工務店の調達・購買作業をやっています。。
工務店がメーカからサンプルを取り寄せて、それを設計者がみて、実際に使う材料を判断するよりも、設計者がメーカーと直接やり取りして、その場で発注した方が早いからです。
もちろん、工務店との信頼関係があって、はじめてできることなのですが。。

インターネットを駆使することで、時には通常よりも安く資材を調達することも可能になったりします。
大きい物件なら、現場監督が、工期と施工時期を前もって算段して、サンプルを事前に取り寄せたりするのですが、住宅ぐらいの規模の現場では、現場監督もそこまで手が回らないというのが実情なのです。

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色決め

2010-01-11 18:55:33 | *白鷹の家
木製建具の色。

カットサンプルをもらったまではよかったが、右から2つ目と3つ目の色のうちどちらにしたらよいものか。。

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12mm厚の無垢フローリングと蜜ロウワックス

2009-12-28 19:51:38 | *白鷹の家
白鷹の家では、床のフローリングに厚さ12mmの無垢材を採用しています。

通常、無垢材のフローリングの厚みは15mmなので、床を平らにするために、他の材料を使ったところの厚みを調整して、15mmに高さを揃えなくてはいけなくなります。
多くの場合は、下地材としてべニア板などでかさ上げするのですが、じつのところ、フローリングの材料代よりも、この手間の方がコストアップの要因の一つになっているのです。

そこで、今回は、一般的な複合フローリングと同じ厚さ(12mm)の無垢のフローリングを調達することで、品質を下げることなく、コストの削減を実現することができました。

さらに、フローリングの仕上げは、自分たちで自然素材のワックスを塗ることにしました。

一般に普及しているウレタン塗装仕上は、耐久性は良いのですが、ローコストのフローリングの場合、どこでどんな材料を塗られたのかわからないことが、実は多いのす。。
そこで、今回は無塗装品を購入しています。

自分たちで自然素材の蜜ロウを塗った方が、愛着もわくし、なにより信頼がおけます。手間はかかりますが、蜜ロウワックスの値段は1万円もしませんし、余った分は、木製家具のメンテナンスにも兼用できます。

今回、蜜ロウワックスは、こちらから調達しました。

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白鷹の家 木の片持ち階段

2009-12-13 01:29:09 | *白鷹の家
白鷹の家、現場は着々と進んでいます。
先日、階段が付きました。

白鷹の家は2階建ですが、基本的な生活の場は全て1階に集約しています。
2階部分は全て納戸(収納スペース)になっていますが、天井高さを居室にできるように確保していますので、将来的に壁をつけることで居室にすることが可能なフレキシブルな計画としています。

木の階段は壁から持ち出しにして、階段の踏み板が宙に浮いたような作りになっています。



横から見るとこんな感じになっていて、職人の技が光ります。

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白鷹の家 上棟まで

2009-11-25 22:54:00 | *白鷹の家


白鷹の家、無事、上棟いたしました。とてもいいお天気に恵まれました。
いざ工事がはじまると「現場は生ものだけに鮮度が大切」なので、日々設計・監理に追われています。。

大規模施設と違って、現場と設計者の距離が近いので、住宅は作りながら考えるような、ダイレクト感があります。

さて、これまでの進捗をざっくり振り返ってみます。



これは最終形に近い模型写真です
白っぽくなっている2階部分は全て断熱採光壁です。今回初めて取り入れた新しい試みのひとつです。
壁面から直接太陽光を取り入れることができるので、日照時間の少ない冬季でも、一日中部屋の中を明るくすることができます。意匠的にも面白い材料ですが、住宅が建った後のランニングコストに関しても、照明の電気代を削減することができます。
このほかにも、さまざまなサステナブル・デザイン手法を取り入れていますので、これから順次紹介していきたいと思います。



これは、地鎮祭の直後です。今回の住宅はベタ基礎といって、建物の基礎部分が全面にあります。その基礎のための砕石を敷いているところです。



砕石を敷いて均した後に、「捨てコン」といって、本番の基礎の下地となるコンクリートを打設します。


次に、鉄筋と型枠を組んで、基礎のコンクリートを打設します。今回の住宅では、鋼製型枠といって、鉄板でできた型枠を使います。この型枠は繰り返し使うことができるので経済的で、かつ、型枠に木を使わないので、建設工事におけるCO2排出量を低減することができます。


コンクリートは、定められた強度が出るように養生します。
建物の基礎は、最終的に見えなくなる部分ですが、この住宅ではきちんとした構造計算をして、それなりのコストを掛けています。見えない部分だからこそ、しっかりと作る必要があるのが、この「基礎」なのです。


基礎が出来上がると、「建て方」といって、建物の骨組みとなる柱、梁などを組立てていきます。まだ屋根がありませんから、何日もかかるようだと、雨に降られる恐れもあるため、建て方には正確さと迅速さが求められます。
この住宅では、あらかじめ木材を加工してから現場に運んでいますので、一日で建て方が完了しました。

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ローカル・ルール

2009-11-11 13:34:35 | *白鷹の家
地方で建築するということ。

それは、ローカル・ルールへの挑戦でもある。


普段使っている材料を、少し違った方法で使うこと。これは、僕たち建築家の常套手段だ。こうすることで、普段何気なく使っているものも、ちょっと違って見えてくる。そこに新しい風景が生まれる。

ただ、そこにローカル・ルールの壁があるのだ。


きまりきった材料だからこそ、きまりきった方法で使いたい。このローカル・ルールを新しい方法へと変えていくのは、なかなか簡単にはいかない。
押しつけだけでは、何も解決しない。

話を徹底的に聞いて、そこから、解決策を導き出すこと。
これも、建築することの醍醐味の一つだと思う。


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雪/地鎮祭

2009-11-03 18:30:21 | *白鷹の家
白鷹の家がようやく着工しました。

昨日、初雪が降ったので、山はうっすらと薄化粧でした。

今日は時折、晴れ間も出て、晴れ、雨、風、雪、曇りと全てそろった珍しいお天気でした。


晴れだけでなく、雨も雪も降った。田畑に太陽だけでなく、雨が必要なように、暮らしにも、雨風などの自然は大切な要素になってくる。自然と共にある住まいとして、こうした天気の日に地鎮祭を行えるのは、珍しいし、とても意味があることだ。


というような主旨の神主さんの言葉が心に響いた。


よし、がんばろう。

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エスキース

2006-09-11 22:53:13 | *白鷹の家
オフィスでも集合住宅でもなく。。

平屋の戸建て住宅です。
エスキース模型を積層してみた。なんか、これはこれでアリのような。。。実際にはないんだけど。
そういう視点の転換ができるところが建築の深みだったりするわけなのですが、日常生活でも、「これがこうなってたら面白いよなぁ」とか、考えながら歩いていると、結構風景も違って見えてきたりする。

まぁ、作ってなんぼの世界ではあるのですが。

Comment (1)
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