高性能住宅を手がけるようになってから、悩みのひとつが換気です。
性能をあげるには、気密がしっかり確保されていることが大前提で、ダクト式の第1種換気(全熱交換)がベターな組合せなのですが、1種換気は、①定期的なフィルター等の清掃(メンテナンス)が必要になること。②電気代がかかること。③機種によっては比較的大きな運転音がすること。④そもそも工事費が高額になること。などのデメリットがあります。
換気を何にするかは新住協でもたびたび議論にあがるのですが、実際には主にコストの面から、ごくごく普通のダクトレスの第3種換気に落ち着くことが多いのも事実です。(なぜか山形支部に多い傾向。。)
ただ、自然給気ゆえに、せっかく高断熱高気密の住まいなのに、給気口から外気が流入するという矛盾。
排気側も、パイプファンの機種にもよりますが、シャッターがついていないと運転していないときに開放状態になってしまうので、そこからも冷気が流入してしまいます。
(一般的に浴室とトイレで24時間換気をとることが多いので、換気扇は常に動いている(排気している)ため外気は入ってこないことになっています)
また、局所的な換気になりがちなので、換気扇がある部屋の付近は過換気になりやすく、換気扇から遠いところは換気不足になりやすい傾向にあります。
いろいろと調べた中で、デマンドタイプのダクト式第3種換気というのを知りました。
ダクト式の第3種換気システムは多々ありますが、第1種換気と工事はあまり費用は変わりません。
それに比べて、コストが安く、湿度感応型ということとダクト長さを最小化できるところが特徴のようです。
フランスの企業が開発したものとお聞きしましたが、湿度によって給気口や排気口が開閉し、最適な計画換気が可能になります。
湿度に感応して部材が伸び縮みするという、ものすごくアナログな開閉の仕組みのため、開口率の微調整は要りますが、基盤が壊れるとかそういった機械的なトラブルがないことが、なんともフランスらしいと感じます。
排気側の本体もシロッコファンを簡単に取り外せるため、メンテナンスも容易なところも興味深いです。