山形市内で取組んでいる住宅の現場。
基礎断熱の断熱材が敷設されました。
いつもは基礎底盤は50mmが多いですが、今回は基礎立ち上がりと同じ100mm(10cm)。
厚さ10cmの断熱材が敷き詰められた現場は壮観です!(断熱材好きにはたまらない。。)
さらに基礎立ち上がり外周部は内側にも50mmの断熱材を敷設します。
防蟻材入りの断熱材は高価なので、底盤に敷く防水シートを防蟻材入りのものにして、基礎立ち上がりのみ防蟻材入りの断熱材とすることでコストコントロールをしています。(なので、底盤と立ち上がりで断熱材の種類が違います)
建物は、北にひらけた川沿いの敷地という最高の立地を活かして、2階が川側にはねだすようなプラン。はねだした2階の下は縁側のようなテラスにしています。
北側の景色がとても良いので、北側にも大きく開口をとったプランとしましたが、気になるのは熱負荷です。パッシブハウスは南面に大開口を計画して、日射取得を最大化するというのが定石ですが、景観を優先して、北側も大開口とするため温熱環境についても工夫が必要になります。
Qpexというソフトを使って、温熱的なシミュレーションをしています。
何事も予算あっての計画なので、家の性能とコストについて優先順位を見極めながら設計を進めてきました。
Q値:1.05W/㎡K
UA値:0.35W/㎡K
ηAC値:1.2
年間の暖房負荷が国の省エネ基準だと15,742kWhに対し、青田の家では年間暖房負荷が5,757kWh。(国の省エネ基準の約3分の1)
年間の冷房負荷が国の省エネ基準だと1,804kWhに対し、青田の家では年間冷房負荷が624kWh。(国の省エネ基準の約3分の1)
金額に換算すると、年間の冷房費が6,235円。年間の暖房費が57,570円となります!
青田の家のように本当の意味での高性能住宅であればあれば、年間冷暖房費が約6万円で済むという事実!!
(雪国にお住まいの方なら、冬場の光熱費が月5、6万円なんてザラだと思いますが。。年間で6万円ですから驚きだと思います。)
もちろん住まい手のライフスタイルによっては多少の増減はありますが、きちんと断熱と気密を計画して、敷地の景観や周辺環境を踏まえた設計をすることで、こうした住まいを実現することができるということを、もっともっと多くの人に知ってほしいと切に思います。