5月10日(日曜日)、久しぶりにTさんが中心となって活動している『山酒会』の月例の山登りに参加しました。
『山酒会』は、産経新聞社の退職者と現役を中心に、月1回の例会と山登りを主な活動とする山登りの会です。
『山酒会』…名の通り、山に登っては酒を飲み交わし、酒を飲んでは山に登る…健全なのか不健全なのか?…ただ、だんだん構成員の年齢が高くなるに連れ、健全志向の山登りになってきているようです。
今回の参加者は、総勢16人。
観光目当てなのでしょうか、『勝沼ぶどう郷駅』に改称したかつての勝沼駅に、9時33分着の電車までには、全員改札に集合。
タクシー4台に分乗し、2000円程度の距離を乗車して、大滝不動手前まで行きました。
ちなみに、勝沼の駅から歩くと2時間近くかかるそうです。

大滝不動山門
大滝不動山門をくぐると石段が奥宮まで続き、右手に小さな滝が、そして左手奥の山の頂上から、ちょっと感動するスケールで大きな滝が流れ落ちていました。

石段の途中にある滝
落差が140mあるという、一見に値する垂直方向に雄大な滝でした。

大滝不動尊の社奥にある裏山から流れ落ちる雄滝
階段上部に大滝不動奥宮があり、各自参拝した後、右手から始まる登山道を歩き出しました。
イカリソウやフデリンドウなどの花を足下に見ながらしばらく歩くと展望台に到着します。

フデリンドウ
名前の通り、とても小さなリンドウ
リンドウは、一般的には秋に咲きますが、フデリンドウは春に咲きます
春霞と言うより、かなり気温が上昇して、初夏の陽気といってもよい霞の彼方に、南アルプスの連なりが遠望できました。
棚横手山と甲州高尾山の尾根までの登山道の周囲の木々は、最近あった山火事で、焼けただれ、きな臭い匂いも立ちこめていました。

山火事跡・登山者の火の不始末によるもの…火を使う場合充分に注意したいものです
尾根まで登り着くと、最近の積雪で、真っ白く冠雪した富士山がかなり間近に姿を現しました。
この尾根を右手に進み、今回の山火事で焼けた植林を通り、三角点のあるピークに到着します。

5月としては、暑い一日でした
甲州高尾山の頂上は、このピークより先の、山頂案内板がある場所です。

甲州高尾山の山頂案内板
ここで昼食をとり、お決まりの酒盛り…それでも、かつてよりだいぶ少ない酒量(日本酒・ビール等)で乾杯。
下りは、大善寺に至る登山道を行く予定でしたが、どこで道を間違えたのか、勝沼駅に近い麓にたどり着きました。

大善寺からだいぶ離れた、変な場所に出てしまいました
向こう奥に『ぶどうの丘・天空の湯』が間近に見えています
ワインを堪能したい人たちの願いが強すぎたせいでしょうか?
今回の山行きは、『ぶどうの丘・天空の湯』で、入浴とワインの試飲をして、宿泊(酒盛り)する方が多く、日帰りは私を含めて数人でした。
下りた場所が予定と異なったため、主に宿泊される方達は、翌日に『大善寺』参拝をすることになり、日帰り組のうち私を含む3人は、予定通り大善寺を参拝し帰ることにしました。
『ぶどうの丘・天空の湯』経由のお楽しみをあきらめ『大善寺』を参拝するために、しばらく一般道を初夏のような陽光の中、ひたすら歩きました。
やっぱり、『ぶどうの丘・天空の湯』経由が正解だっただろうか。
たどり着いた国宝『大善寺』は、その思いを吹き飛ばすほど素晴らしいお寺でした。

大善寺山門
まず、重厚な山門に圧倒され、その山門をくぐり石段を登ると、鎌倉時代に建立された国宝の薬師堂と呼ばれる本堂があります。

大善寺国宝薬師堂
薬師堂に入ると、冷房でも入っているかのように、そこは涼やかな空気に包まれていました。
中央に南北朝時代に作られた国宝の厨子があり、その中に5年に一度ご開帳となる薬師如来を中心に平安時代初期作の重文・薬師三尊像が安置されています。
その厨子の左右に、鎌倉時代作の重文指定の日光月光菩薩と十二神将が鎮座していました。
これらの仏像は、間近に寄ってみることができますので、こうした美術品に興味のある方は、充分堪能できることと思います。
私達は、悠久の時代を超えて存在する薬師堂の中に座り込み、仏像と対面しながら、不思議な安堵感に包まれてしばらく時を過ごしました。
このお寺には、江戸時代に作られた庭園もあり、休憩できる座敷から眺めることができます。

大善寺庭園

大善寺・休憩の座敷から見える庭
帰りは、タクシーを呼んで勝沼の駅まで行くものと思っていましたが、かつての中央線の旧トンネルを使用した隧道があり、そこを通って駅まで歩くことになりました。
しかし、寺の受付で道順を確認すると、3時でそのトンネルは閉まるとのことで、私達はあわてて小走りで、この寺から少し離れたトンネル入口まで急ぎました。
トンネルにたどり着いてみると、案内板には午後4時に閉まると記載されていて、そんなにあわてる必要の無かったことが分かり、汗だくの急ぎ足は徒労に終わりました。

ひんやりとしたトンネルの中
『中央本線大日影トンネル遊歩道』(全長1367.8m)
待避所に、歴史や見所などの解説プレートが付けられています
しかし、真っ直ぐに続くトンネルに入ると、ひんやりと冷気が心地よく、くねくねと曲がりくねった一般道の測道を、太陽に照らされながら歩くことを思えば、地図上に真っ直ぐ引いた直線の上を歩くようなこのコースは、天国のようで大変ありがたく感じました。

トンネルに続く線路は、ここで終点
明治36年開通~平成9年閉鎖~平成19年遊歩道化
トンネルを越えて間もなく、勝沼ぶどう郷駅に到着。
お土産にブドウ酒、そして片手にビール缶を持ち、やがて着いた電車に乗り込み帰途につきました。
今回の甲州高尾山は、ゆっくり歩いても歩程3時間程度で、お気軽な山登りです。
やはり、『大滝不動』と『大善寺』、それから『トンネル歩き』を組み合わせて楽しむと、充実した山登りとなるようです。
また、今回グループの多くが立ち寄った『ぶどうの丘・天空の湯』を組み入れるのも、飲んべえには、堪らない魅力かも知れません。

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『山酒会』は、産経新聞社の退職者と現役を中心に、月1回の例会と山登りを主な活動とする山登りの会です。
『山酒会』…名の通り、山に登っては酒を飲み交わし、酒を飲んでは山に登る…健全なのか不健全なのか?…ただ、だんだん構成員の年齢が高くなるに連れ、健全志向の山登りになってきているようです。
今回の参加者は、総勢16人。
観光目当てなのでしょうか、『勝沼ぶどう郷駅』に改称したかつての勝沼駅に、9時33分着の電車までには、全員改札に集合。
タクシー4台に分乗し、2000円程度の距離を乗車して、大滝不動手前まで行きました。
ちなみに、勝沼の駅から歩くと2時間近くかかるそうです。

大滝不動山門
大滝不動山門をくぐると石段が奥宮まで続き、右手に小さな滝が、そして左手奥の山の頂上から、ちょっと感動するスケールで大きな滝が流れ落ちていました。

石段の途中にある滝
落差が140mあるという、一見に値する垂直方向に雄大な滝でした。

大滝不動尊の社奥にある裏山から流れ落ちる雄滝
階段上部に大滝不動奥宮があり、各自参拝した後、右手から始まる登山道を歩き出しました。
イカリソウやフデリンドウなどの花を足下に見ながらしばらく歩くと展望台に到着します。

フデリンドウ
名前の通り、とても小さなリンドウ
リンドウは、一般的には秋に咲きますが、フデリンドウは春に咲きます
春霞と言うより、かなり気温が上昇して、初夏の陽気といってもよい霞の彼方に、南アルプスの連なりが遠望できました。
棚横手山と甲州高尾山の尾根までの登山道の周囲の木々は、最近あった山火事で、焼けただれ、きな臭い匂いも立ちこめていました。

山火事跡・登山者の火の不始末によるもの…火を使う場合充分に注意したいものです
尾根まで登り着くと、最近の積雪で、真っ白く冠雪した富士山がかなり間近に姿を現しました。
この尾根を右手に進み、今回の山火事で焼けた植林を通り、三角点のあるピークに到着します。

5月としては、暑い一日でした
甲州高尾山の頂上は、このピークより先の、山頂案内板がある場所です。

甲州高尾山の山頂案内板
ここで昼食をとり、お決まりの酒盛り…それでも、かつてよりだいぶ少ない酒量(日本酒・ビール等)で乾杯。
下りは、大善寺に至る登山道を行く予定でしたが、どこで道を間違えたのか、勝沼駅に近い麓にたどり着きました。

大善寺からだいぶ離れた、変な場所に出てしまいました
向こう奥に『ぶどうの丘・天空の湯』が間近に見えています
ワインを堪能したい人たちの願いが強すぎたせいでしょうか?
今回の山行きは、『ぶどうの丘・天空の湯』で、入浴とワインの試飲をして、宿泊(酒盛り)する方が多く、日帰りは私を含めて数人でした。
下りた場所が予定と異なったため、主に宿泊される方達は、翌日に『大善寺』参拝をすることになり、日帰り組のうち私を含む3人は、予定通り大善寺を参拝し帰ることにしました。
『ぶどうの丘・天空の湯』経由のお楽しみをあきらめ『大善寺』を参拝するために、しばらく一般道を初夏のような陽光の中、ひたすら歩きました。
やっぱり、『ぶどうの丘・天空の湯』経由が正解だっただろうか。
たどり着いた国宝『大善寺』は、その思いを吹き飛ばすほど素晴らしいお寺でした。

大善寺山門
まず、重厚な山門に圧倒され、その山門をくぐり石段を登ると、鎌倉時代に建立された国宝の薬師堂と呼ばれる本堂があります。

大善寺国宝薬師堂
薬師堂に入ると、冷房でも入っているかのように、そこは涼やかな空気に包まれていました。
中央に南北朝時代に作られた国宝の厨子があり、その中に5年に一度ご開帳となる薬師如来を中心に平安時代初期作の重文・薬師三尊像が安置されています。
その厨子の左右に、鎌倉時代作の重文指定の日光月光菩薩と十二神将が鎮座していました。
これらの仏像は、間近に寄ってみることができますので、こうした美術品に興味のある方は、充分堪能できることと思います。
私達は、悠久の時代を超えて存在する薬師堂の中に座り込み、仏像と対面しながら、不思議な安堵感に包まれてしばらく時を過ごしました。
このお寺には、江戸時代に作られた庭園もあり、休憩できる座敷から眺めることができます。

大善寺庭園

大善寺・休憩の座敷から見える庭
帰りは、タクシーを呼んで勝沼の駅まで行くものと思っていましたが、かつての中央線の旧トンネルを使用した隧道があり、そこを通って駅まで歩くことになりました。
しかし、寺の受付で道順を確認すると、3時でそのトンネルは閉まるとのことで、私達はあわてて小走りで、この寺から少し離れたトンネル入口まで急ぎました。
トンネルにたどり着いてみると、案内板には午後4時に閉まると記載されていて、そんなにあわてる必要の無かったことが分かり、汗だくの急ぎ足は徒労に終わりました。

ひんやりとしたトンネルの中
『中央本線大日影トンネル遊歩道』(全長1367.8m)
待避所に、歴史や見所などの解説プレートが付けられています
しかし、真っ直ぐに続くトンネルに入ると、ひんやりと冷気が心地よく、くねくねと曲がりくねった一般道の測道を、太陽に照らされながら歩くことを思えば、地図上に真っ直ぐ引いた直線の上を歩くようなこのコースは、天国のようで大変ありがたく感じました。

トンネルに続く線路は、ここで終点
明治36年開通~平成9年閉鎖~平成19年遊歩道化
トンネルを越えて間もなく、勝沼ぶどう郷駅に到着。
お土産にブドウ酒、そして片手にビール缶を持ち、やがて着いた電車に乗り込み帰途につきました。
今回の甲州高尾山は、ゆっくり歩いても歩程3時間程度で、お気軽な山登りです。
やはり、『大滝不動』と『大善寺』、それから『トンネル歩き』を組み合わせて楽しむと、充実した山登りとなるようです。
また、今回グループの多くが立ち寄った『ぶどうの丘・天空の湯』を組み入れるのも、飲んべえには、堪らない魅力かも知れません。

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