「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの『四季を楽しむ』:春の路傍の花

2013年04月01日 | 四季の植物と風景



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春分を過ぎると、大地を照らす太陽光線の強さを感じます。その変化は、太陽と地球の位置関係により、日照時間太陽光線量に周期的な変動があることにより起きます。大地に生きる生物たちは、その変化を敏感に察知して、自分たちの生きるリズムを形成しています。


花壇に咲く草花は、さまざまな意味で人間の恣意的な操作を受けて育てられていますが、野原や路傍や土手に咲く植物は、太古の昔から生活環境と自らの都合を擦り合わせながら、その植物に適合した生き方をしてきたと思われます。

一年中出回る生鮮食料品ですが、特にその旬を代表する露地物の野菜を食べて季節を味わうように、野草と呼ばれる道端の草花を鑑賞する余裕と知識があると、より一層季節の移ろいを楽しむことができます。

今日は、私達の身近に生え出て、時に雑草として摘み取られ、また踏みしだかれてもたくましく可憐に咲いている路傍の草花を中心に取り上げ、春の訪れを楽しんでみたいと思います。

地面にピタリと張り付き、ロゼットの形で冬を過ごしてきた植物の葉が、太陽光線を受けて春の訪れを察知し、ロゼット葉を空中に伸ばし始める頃、さまざまな野草の花が咲き始めます。そうした植物として、オオイヌノフグリ・ホトケノザ・ヒメオドリコソウなどを挙げることができます。

下の画像の青い小さな花がオオイヌノフグリで、紫がかった葉をまとった花がヒメオドリコソウです。両者ともこの時期に同じ場所で見かける雑草です。またヒメオドリコソウは、ホトケノザと混在して生えていることが多く、しばしば見間違えられるようですが、下の二つ目の画像のように、葉の付き方やその色によって、判別は簡単に出来ます。



上がシソ科オドリコソウ属のヒメオドリコソウで、下が同様にシソ科オドリコソウ属のホトケノザ。
食用とする春の七草の一つの「ほとけのざ」は、今回紹介しているホトケノザとは異なる、標準和名をコオニタビラコというキク科の植物です。



下の画像は、垣根や公園の植栽などでよく見かける花木で、葉が出る前に黄色い小さな花をつけるヒュウガミズキ近隣のマンションの植栽)という植物です。ミズキと名が付いていますが、ミズキ科ではなくマンサク科のトサミズキ属の植物で、下向きに釣鐘状の小さい花をたくさん付けます。早春の花木には、ロウバイ・マンサク・サンシュユ・ミツマタ、そしてこのヒュウガミズキなど、黄色い花を咲かせるものが多いように感じます。



早春の草花の代表として、菜の花は不動の地位を保っていると思います。菜の花は、その花の鑑賞だけではなく、おひたしや辛和えなどで、私たちの春の味覚を満足させてくれます。また、水鳥が若葉をすっかりと食べてしまって、花が咲かない状態になっている川縁の花壇を、近所で見かけます。アブラナ科の植物ですので、人間だけではなく、昆虫を含さまざまな動物の好物となっています。ちなみに、アブラナ科の野菜には、アブラナ、白菜、カブ、からし菜、カリフラワー、キャベツ、クレソン、ケール、小松菜、カイワレダイコン、大根、タイサイ、チンゲンサイ、野沢菜、ブロッコリー、わさびなどが挙げられ、日頃食卓に上がる多くの野菜がその仲間です。



とても小さな黄色い花をつけるカタバミですが、下の画像のように花も葉も随分大きく、草丈も20~30cm程のカタバミを最近よく見かけます。これはオオキバナカタバミ
(近隣のマンションの植栽の下)と呼ばれる種類で、最近はホームセンターでも売られているそうです。代表的な雑草としてカタバミを挙げることが出来ますが、下の画像のように大きくて色がとても綺麗なオオキバナカタバミは、雑草と言うには立派すぎます。



曇りや雨の日は、下の画像のように花は閉じたまま。



花の名前と花の印象がだいぶ異なる植物として、下の画像のハナニラ(公園の植栽の下)を挙げることができます。ヒガンバナ科に属する多年草ですが、葉にネギやニラのような臭いを持っていて、ハナニラの名の由来となっています。この花は、ベツレヘムの星とも呼ばれています。ベツレヘムの星とは、東方の三博士にイエス・キリストの誕生を知らせベツレヘムに導いた、キリスト教徒にとって宗教的な星のことです。ちょっとした日陰に咲いていることが多く、その花の色と形にハッとするほどの美しさを感じることがありますが、別名も魅惑的です。



ハナニラと同じ頃に咲いているツルニチニチソウ(近隣の公園)は、キョウチクトウ科の多年草で、
南ヨーロッパ、フランス、北アフリカを原産としてツルギキョウとも言われます。匍匐性で1~3メートルになり、地被植物として利用されます。葉は対生して、3月から6月にかけて、下の画像のように美しい淡青色花を咲かせます。



下の画像のフクリンツルニチニチソウ(北の丸公園)は、葉の縁に白色の斑が入るので、一般のツルニチニチソウと判別することができます。フクリンツルニチニチソウは、花も大きめで葉も斑入りですから、見応えのある匍匐性の植物です。ツルニチニチソウを一輪摘んできて、小さめのワイングラスに活けてテーブルの上に飾ったら、驚くほど長い間、元気に咲いていました。






下の画像は、北の丸公園に咲いていたムラサキハナナです。ムラサキハナナは、アブラナ科の植物で、美しい紫色の花と、可愛らしい名前で、多くの人に知られている植物です。中国原産で、昭和の初め頃に日本に入ってきたそうです。寒さに強く逞しい生命力で全国各地に野生化ているので、低山に登ると麓に咲いているのをよく見かけます。むらさき色の食べられる菜と言うことでムラサキハナナの名があり、ハナダイコンとも呼ばれ、諸葛孔明が食料用に植えたとされる事からショカツサイという名もある植物です。春の初め、出会いたい花の一つです。



このムラサキハナナは、しばしば大きな群落で咲いていますので、黄色い菜の花と同様にその美しさを強く印象づける花でもあります。



桜の下に小さめの敷物を敷き、老夫婦が肩を並べておにぎりを食べていました。さほどの会話をするでもなく、それでもほのぼのとした印象を受けるランチタイムです。毎年、桜の花を見ることをとても楽しみにしていた私の母でしたが、残念ながら、今年の桜を見ることはできません。

年年歳歳花相似、歳歳年年人不同年年歳歳 花相似たり、歳歳年年 人同じからず)…花(この詩は梅)は毎年同じように咲くが、それを愛する人は、年ごとに変わっているということです。「お母さん、今年も桜が咲いたよ。」心の中で話しかければ、母の応える声が聞こえてくるようです。

今年は昨年と異なり、とても早く咲いた桜でしたが、桜が散るとそれを合図に、様々な花が里にも山にも一斉に咲き乱れる、百花繚乱の春本番がやって来ます。桜の花は、そうした春本番を告げる祝砲のようなもので、全国津々浦々に鳴り響きます。




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