夏の訪れを感じさせるネムノキの花。今年はまだみていません。涼しい夏です。
東北に気候が似ているという長野。意を決して日帰りで行ってきました。
東山魁夷。長年のあこがれでありながら、超有名画家へのいささかのためらい。そんな2つの思いを胸に抱きながら、あの「白い馬」をみてみたいという気持ちは日々ふくらんでくるばかりでした。
あいにくの雨模様。傘も差さずに走って飛び込んだ東山魁夷館。前庭は滴で輝いていました。そういえばこの景観・・・建物といい前庭といい土門拳記念館にそっくりです。
春夏秋冬・・・恐ろしいほどに澄み切った樹木や草原に現れた白馬。作家はそれを「心の祈り」と表現しています。こちら側に作家がいて、あちら側に白馬がいる。行きたくても行けない、およそ到達し得ない絶対的な時間と空間。わたしにはそんなふうに感じられました。
遺作となった「夕星」・・ゆうぼし。心の中の風景画。1本だけ高さの違う木立。それらが何を意味しているのか、解釈は専門家が語ってくれているでしょう。
常に追い求めたのは心の安定ではなく、画家としての心の躍動感だったのでしょう。61歳の時に再び海外へと旅だち、心をむなしくして製作活動に励んだという生涯に心が洗われた気がしました。
新幹線に乗車していた時間の方が長野にいた時間よりも長かったかも知れません。まぶたに浮かぶ「白馬」はしばらく心の励みになりそうです。
東山魁夷とは又どこでも見られそうなだけに記念館を訪問されたのは格別な理由がおありと想像しましたがいかがでしょ?
僕は中学の林間学校が戸隠、高校が妙高と長野にはかなりお世話になっています。
それは素敵なことのように思います。
初めて何かの本で「白馬」をみたとき、いつか実物でみてみたいと思っていました。長野は遠くのあこがれの地です。日帰りでもったいないとは思いましたが、機を逃すといつになるのかわからないと思い行ってきました。また、あちこち出没したいと思います。
「夕星」・・よかったです。絵画との出会いは偶然もあるのでしょうが、たいていは望んで会いに行くのだと思います。今また、とても会いたい絵があります。