文豪のまち、金沢。観光客でひしめいていた金沢。
諸々の塊を抱えていては、風景も美術も目に入ってきません。でも、文学館にはすんなりとけ込むことができました。
70代かとおぼしきタクシーの運転手さん。少々聞こえが悪いらしく、「泉鏡花」がなかなか聞き取れないようでした。
「兼六園とかは人気があるけれど、最近じゃだれも本を読まなくなったのかね。泉鏡花なんて60代以降の人しか知らないんじゃないかな。」などとおっしゃいます。「もったいないねえ。名作なんだが・・。」金沢市民が文豪と言われる人たちを、いかに誇りに思ってきたかがわかる言葉でした。
なるほど、わたしも泉鏡花は読んだことがありません。徳田秋声も知っているのは作品名だけでした。室生犀星も、有名な「ふるさとは遠くにありて思うもの・・・」くらいしか知りません。しかも最近では文学というものから少々遠ざかっていました。
今回の旅では徳田秋声記念館、室生犀星記念館、泉鏡花記念館の3文学館を訪問してみました。
金沢はまだ虫が鳴いています。
そして今わたしは、徳田秋声の「仮装人物」を読んでいます。