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眠れない夜

2007-03-27 05:59:21 | インポート

この2~3日、春の暖かさを感じています。季節は巡り、明けない夜はないはずなのに、この数日夜を長く感じています。

眠れなかった過去の長い夜。今、体が元気でこうして生きているという現実を考えるとき、それすら慈しむべき時間です。だからもっと明るく世の中を考えようという気持ちになります。

そういえば哲学者の池田晶子さんがなくなりました。この方について多くを知っているわけではありませんが、忘れられない1冊があります。それは死刑囚陸田真志との往復書簡集「死と生きるー獄中哲学対話ー」です。図書館から借りて読んだので、今手元にこの本はありませんが、2人は哲学を論じる師匠と弟子のようだったと記憶しています。これからも「生きなければならない」と思うたびに2人のことを思い出すでしょう。

外が明るくなってきました。さあ、今日も生きなければなりません。


松岡美術館

2007-03-11 18:05:17 | アート・文化

土、日とまた所用で東京へ行ってきました。土曜ですっかり疲れ果ててしまったものの初日だけで無事に用を済ませたので、翌日はちょっとだけ美術館めぐりができました。

余り人がいなさそうで、静かなことが今回の第一条件。                    次は雨がふっていたので宿泊した浜松町からなるべく近いこと。               それと、これまで一度も行ったことがない美術館。                       条件はこの3点。

ホテルのネットを使って該当しそうな美術館を検索してみました。そこで見つけたのが白金台にある松岡美術館、都営地下鉄三田線を使えば芝からもかなり近くです。ただ、企画展示の「日本美術院の画家たち」というのは正直食指が動きませんでしたが、とりあえず行ってみようと思いました。

この美術館を創立したのは実業家松岡清次郎氏。館内の入り口にこの人の大きな彫像があります。中国の陶磁器や古代エジプト、ギリシア・ローマ、さらにはガンダーラ、インド彫刻等をたくさん蒐集し、美術館を建築して一般公開するに至ったようです。

劇的な出会いはなかったものの、予想通り人がいなくて貸し切り状態。横山大観の「黎明」、「夕月」、下村観山の「長安一片月」、菱田春草、川合玉堂、橋本雅邦と、日本美術院の画家達の絵が勢揃いしています。絵に興味がなくても、「何でも鑑定団」で名前だけは知っているという人がきっといるでしょう。

中国の工芸品。翡翠で作られた清時代の香炉。堆朱の箱の文様や鏡。

帰りにもう一度松岡氏の彫像と出会い、よくよく眺めてみたら大変恰幅がよく、特に耳が大きくてお金持ちの相であることが分かります。集めた絵画や彫刻を単に私蔵しないで公開したことは立派ですが、入館料がちょっと・・・。やはり、ぎりぎり迷った練馬区美術館にすればよかったかなと少々後悔しました。

美術館をでたら風が強くて、いつになく寒い東京を肌に感じました。疲れ果てて予定より2時間早めの新幹線で帰路につきました。