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日本が戦争に勝っていれば、決してこんなコンセプトのアルバムは作られなかっただろう(笑)山下達郎のオムニバスアルバム「COME ALONG 3」が、ついに発売になった。
シリーズとしてはなんと33年ぶりとなり、変わらずに小林克也がオール英語でDJをしてくれる構成だ。
昨日から今日にかけ数回聴いたが、達郎フリークになって長い私にはどうにも不満の残る内容だった、と言わざるを得ない(買ったからこそ言える、個人の感想です)。
まず選曲と曲順。
1983年以降、すなわちアルバムで言えば「MELODIES」以降の曲からセレクトされているのだが、なぜ「BLOW」や「夏のCOLLAGE」がないのか。
私はこの34年の中で、「BLOW」を超える夏歌はないと思っていただけに、ものすごく残念だ。
しかもそれらの曲の代わりに、私の嫌いな「ジュブナイル」などが入っている。コレを入れた狙いは、テーマを夏ではなく「少年性」に振った、という事か。
(余談だが、2000年〜04年ぐらいの達郎は作曲家として絶不調だった。ジュブナイルしかり、なんで『君の声に恋してる』なんて作ったのか疑問だ)
それで言えば、そもそもなぜこのタイミングで「COME ALONG」を作る必要があったのか。
あれだけ「夏だ海だ達郎だ」と言われるのがイヤで、努力してそのイメージから脱却を図ったのではなかったのか。
もうここは
「CDが売れない。ワーナー、スマイルカンパニーとして、売れるモノを作れ」
という、オトナの事情でしかないだろう、というのはあながち邪推でもなかろう…
話を戻して曲順だが、なぜラストが「サウスバウンド#9」なのか。
「1」のラストが潮騒、「2」がYOUR EYESと落ち着くべきところに落ち着いているのに、なぜ今回は「さよなら夏の日」ではないのか。
野外ライブのラストで聴く「さよなら夏の日」が、どれだけ泣けるか。
今回の曲順を決めた人に、教えて差し上げたいくらいだ。
小林克也は、いい仕事をしている。過去2作よりナレーションが濃く、特に「僕らの夏の夢」では映画「サマーウォーズ」に、ちゃんと言及している。
しかし、過去2作に比べどうにも曲に「乗らない」というのが率直な感想だ。
過去2作は年代で言えば1976〜82年、ちょうど作風に16ビート・ファンク・ディスコ的色彩が濃くなっていった時期であり、大半の作詞が吉田美奈子だった事もあって英語ナレーションは抜群に馴染む。
しかし83年以降、達郎はもっぱら自分で詞も書くようになり、言葉に俄然重みが増した。それゆえに、あまりイントロで要らん事を言ってほしくない、と思ってしまうのである。
それらを総合するに、達郎自身の思いとはかけ離れたところで誰かが勝手にコレを作り、達郎が追認されられた、と思ってしまったのは、決して私だけではなかろう。
ま、そもそも「1」は店頭PRのため勝手に作られたものが好評だったため後追いでカセットとして売られたものであり、「2」は達郎に出て行かれたRCAが勝手に作ったものなので、所詮「COME ALONG」シリーズとはそんなものなのだが…
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