21年前、ウイルス性髄膜炎というコワい病気になり、京都・東山九条の旧陸軍病院、今の第一日赤に入院していた事がある。
砲台を形どった妙な構造の病室に36日間閉じ込められ、割れるような頭痛、めまい、吐き気、それに帯状疱疹の痛みに苦しんだ。
2~3日に一度の割合で脊髄に注射針を打って髄液を抜き、白血球の死骸の数を調べるいわゆるルンバールにも耐えた。
あの時ほど、健康の尊さを思い知った事はない。
どうにか自宅療養に切り替えてもよくなり退院を迎えた日、病院からタクシーで一目散に向かったのが烏丸十条の「ラーメン藤 本店」だった。
そう、退院したら真っ先にラーメンを食べようと決めていたのだ。
しかし考えたら、藤の本店に行ったのはそれっきりまるで記憶がない。
久しぶりに前を通ったので、行ってみた。

あの時と変わらない照明が、温かく迎えてくれた。
ここは第一旭・新福菜館などと並ぶ、いわゆる京都ラーメンの老舗である。
メニュウも、至ってシンプル。

これらの辛子味噌・一味などのトッピングも、いかにも京都ラーメンである。

さて、21年ぶりに藤本店のラーメンに再会。

コレコレ、コレなんです。たっぷりの九条ネギに、ギラッとくる豚骨醤油。
色も浅い。スープの色の濃さで言うと、新福菜館>第一旭>藤、となる。
箸を上げてみる。

細打ちストレート。近藤製麺だそうな。
スープをひと口。
ウマァァァい!
何コレ!
こんなにウマかった?
醤油ダレがあっさりしているぶん、スープ本来の旨味、甘み、奥行きが際立つ。
こんなにウマかったんだ…
普通は「昔食って、ウマいと思ったもの」に再会すると、自分の舌が肥えたのかそれほどの感慨はない。
しかし、藤は逆だ。
「このトシになって、藤のウマさが分かった!」
とでも言おうか。
いやはや驚いた。本当に驚いた。
老舗だが派手なチェーン展開もせず、新進気鋭の新店にも臆する事なく、京都ラーメンの歴史に燦然と輝く藤に、このトシになって魅入られてしまったではないか。
いつも我々を迎えてくれる、「ラーメン藤」の5文字。
その輝きは、今宵の大文字五山送り火にも決して劣らぬ輝きである…
砲台を形どった妙な構造の病室に36日間閉じ込められ、割れるような頭痛、めまい、吐き気、それに帯状疱疹の痛みに苦しんだ。
2~3日に一度の割合で脊髄に注射針を打って髄液を抜き、白血球の死骸の数を調べるいわゆるルンバールにも耐えた。
あの時ほど、健康の尊さを思い知った事はない。
どうにか自宅療養に切り替えてもよくなり退院を迎えた日、病院からタクシーで一目散に向かったのが烏丸十条の「ラーメン藤 本店」だった。
そう、退院したら真っ先にラーメンを食べようと決めていたのだ。
しかし考えたら、藤の本店に行ったのはそれっきりまるで記憶がない。
久しぶりに前を通ったので、行ってみた。

あの時と変わらない照明が、温かく迎えてくれた。
ここは第一旭・新福菜館などと並ぶ、いわゆる京都ラーメンの老舗である。
メニュウも、至ってシンプル。

これらの辛子味噌・一味などのトッピングも、いかにも京都ラーメンである。

さて、21年ぶりに藤本店のラーメンに再会。

コレコレ、コレなんです。たっぷりの九条ネギに、ギラッとくる豚骨醤油。
色も浅い。スープの色の濃さで言うと、新福菜館>第一旭>藤、となる。
箸を上げてみる。

細打ちストレート。近藤製麺だそうな。
スープをひと口。
ウマァァァい!
何コレ!
こんなにウマかった?
醤油ダレがあっさりしているぶん、スープ本来の旨味、甘み、奥行きが際立つ。
こんなにウマかったんだ…
普通は「昔食って、ウマいと思ったもの」に再会すると、自分の舌が肥えたのかそれほどの感慨はない。
しかし、藤は逆だ。
「このトシになって、藤のウマさが分かった!」
とでも言おうか。
いやはや驚いた。本当に驚いた。
老舗だが派手なチェーン展開もせず、新進気鋭の新店にも臆する事なく、京都ラーメンの歴史に燦然と輝く藤に、このトシになって魅入られてしまったではないか。
いつも我々を迎えてくれる、「ラーメン藤」の5文字。
その輝きは、今宵の大文字五山送り火にも決して劣らぬ輝きである…