成瀬降雨コールド7回完投 7.29.スポーツニッポン(概略)
【千葉ロッテ6-2日本ハム】“若年寄”が不敗神話を築き始めた。
ロッテの成瀬善久が降雨コールドながら7回完投。7安打2失点で9勝目をマークした。チームの連敗も3でストップ。
勝率は9割、1・63の防御率との2冠も守った。
3試合連続完投勝利は球団では98年小宮山以来9年ぶり。数字に彩られた白星にも、21歳左腕は落ち着いたものだ。
「いやあ…反省ばっかりです。最後の2点がもったいない。思ったところに投げられなくて。スタミナ切れですかね」
制球が身上の投球同様、勝利の弁にも実年齢以上の貫録がにじみ出た。
今季初対戦の日本ハム相手にコーナーを突き、7回以外毎回の9奪三振。
豪雨に見舞われた7回は二塁打2本を含む3安打で2失点も辛口の女房役・里崎智也が「最近で一番良かった。さすがっス」と絶賛する内容だった。
27日は福岡から約6時間かけて釧路入り。宿舎から出ずに休養を取った。
この日になって雨の影響で試合開始が午後1時から2時に変わるという情報が関係者の間で出回り、成瀬も信じ切る“アクシデント”。
午前11時半に真相が発覚して事なきを得たが、準備開始が遅れた影響をマウンドで感じさせなかった。打者から見づらいフォームに抜群の制球力。
4年目左腕は北京五輪日本代表首脳陣の間で評価は急上昇中だ。
「五輪に出ればいろんな人の話を聞ける。野球人生に絶対プラスになる」と成瀬善久は興味を示す。
江戸幕府の役職・若年寄は出世コース。若き左腕が出世街道を歩み始めた。
<感想>
1人1人の打者に対して黙々と投げる成瀬善久は、地味な投手だ。
しかし一球一球注意深く、打者にあわせて投球するため、連打されにくいところが特色だと思う。
北京五輪日本代表首脳陣の間で評価は急上昇中だという。
当然だと思うが、剛速球を投げるタイプでないため、マスコミも取り上げてきていない。
マスコミでは、松坂大輔投手のような剛速球で打者を押さえ込むスタイルの投手を、盛んに取り上げる。
千葉ロッテの新人・大嶺祐太は、145キロ以上スピードの剛速球を投げる能力を持っている。
彼が1軍で再登板すると、マスコミはきっと大騒ぎするだろう。
成瀬善久の投球スタイルも、一つの投球術として取り上げて欲しい。
千葉ロッテには、渡辺俊介のようなタイプの投手もいる。それぞれの魅力をもっている。
マスコミは、いろいろな投手スタイルを報道して欲しい。