サバイバー日記

炎症性乳がんと告知されて6年間。多発転移しつつ、生きたサバイバーな日々の記録と家族の日記です。

生きていて…。

2007年12月17日 | 日々是好日
 今日は仕事納めの日。
非常勤講師の仕事も今日で辞める事になる。
1.2限目の生徒たちには
「みんな、ありがとう!私は今日で最後だけど、
また1月からも(美術)頑張ってね!」と無難にしめくくった。

3,4限目の生徒たちは、一番やんちゃなクラス。
自画像を仕上げさせて、油絵の準備をさせていたら
彼らは諦めが早いのか、授業終了時間より早めに作業が終わってしまった。

担当のN先生から、「今日でパソコンの授業はおしまいなので、
先生とはさよならです。では先生、時間がたっぷりあるのでどうぞ…。」
と言われた。(たっぷりあるからと言っても…。

「なんでや~!」「やめんといてや~。」と生徒たち。

この間のA君は、あの後やはり保健室登校しているらしい。
A君の事もあったので、私から言う事はただひとつだ。

「君たちには、これからいろんな苦しみが
待ちかまえているかもしれない。
でもその時、どんな壁が君たちに立ちはだかろうとも
乗り越えて生きていてね!」と。

最後に、
「みんなと一緒に勉強して楽しかったし、
君たちのエネルギーをたくさん頂きました。
ありがとう!」…と。

男子生徒たちは大きな声で
「ありがとうっす!」とさよならの手を振っていた。

授業が終わってから、女子生徒たちが私を取り囲む。
その子たちだけには、乳ガンの恐ろしさを伝えた。

本当の事を知って、みんな驚いていた。
A君には聞いてもらえなかったけど…。

「先生、こんなところ(学校)に来ている場合じゃないし…。」と
生徒には言われた。
「娘さんとの大切な時間なのに…。」と。

でも、私は娘だけでなく、この子達にも救われてた気もする。


「(先生に辞められるの)いやや…。」と言いながら号泣する女子生徒たち。
(ほんと、みんな、ありがとう…。

ブラスバンドの子が多いので、
「もし来年、元気でいたら、演奏会に必ず行くしね!」と約束した。

「じゃあね!」と言って廊下を歩き出す私に、
「ありがとう!」と手を振る生徒たち…。

短い間だったけど、君らに会えて良かった。

写真は、お疲れ様ランチで「せん」鞍月店に行った時のもの。
N先生のおごりでした。(ごちそうさまでした。)
そして、2年間おせわになった高校をあとにした。

胸いっぱいの思い出とともに…。


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16 コメント

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お疲れです (りさ)
2007-12-17 22:03:05
生徒達にとり、サバイバーさんとの出会いは今から生きていく上で、どれ程の重みになることでしょう。

きっと、みんな、残念で涙したのでしょうから、それを考えても、サバイバーさんのお人柄や、人、教師としての姿勢が窺えます。

A君も、保健室であれ登校できているのなら、安心ですね。

そして、来年、もし元気なら・・・ではなく、必ず元気で演奏会に行かなければいけませんね。

お疲れ様でした
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りささんへ (サバイバー^)
2007-12-17 23:19:54
ありがとうございます。
私なんかのために涙する彼らのピュアな心に
私の方が心をうたれました。

私も彼らとの出会いで多くのものを頂きました。

イジメやほんのちょっとした事で
心が折れたりする彼ら…。
でも、頑張って生きていって欲しいです!
来年の演奏会の目標も出来たので、
私も頑張らなくちゃ!
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こんにちわ。 (ふうママ)
2007-12-18 11:01:08
サバイバーさん、お疲れ様でした!

生徒さんたちもサバイバーさんが来られたことで、
学んだことがすごく増えたと思います。
これから、生きていく上での、
術を身につけたことと思います。
なんか。うまく言えないけど。。
きっと、生徒さんはサバイバーさんのこと、
忘れないですよ!
来年も元気で演奏会に行って下さいね
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命の授業 (Moca)
2007-12-18 13:34:59
私たち、がんになったからこそ、教師という職業だからこそ生徒達にメッセージを伝えることができるよね。
生徒によって受け取る深さ、響きはまちまちでしょうけど、いつか彼らが何かにぶつかったとき、サバイバー先生のメッセージを思い出すと思うな。
学校を去る最後の日の感傷は、すっごく解る。
できるだけサラリと去りたい気持ち、それも・・・

ひとまずお疲れ様。
また復帰する日まで、ゆるりとしてください。
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こんにちわ! (ちるみ)
2007-12-18 14:16:58
女の子には、病気のこと話したんなら、何時か大人になったときに、検査にいくきっかけみたいなもんには、なるよね。
私、乳がんのことは、知っていたのに、ホントは何も知らないと同じでした。
そんなことにならないだけでも、経験者の言葉は大切です。
すごく慕われていたんですね。
病気さえならなかったら、ずっと続けられたのにね。
もったいない気がします。
A君、元気になって欲しいですね。

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初コメです (ゆう)
2007-12-18 14:49:04
こんにちは
そしてお疲れサマでした
読ませて頂いて心が温かくなりました。
サバイバーさんも生徒さん達も素敵な時を過ごせたことと思います。

自分の子供にも思いますが、子供たち、本当に強い
精神を持って生きて欲しいです。


また来ます。
これからもよろしくお願いします
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ふうママさんへ (サバイバー)
2007-12-18 15:42:19
ありがとうございます。

今は、「私らの事、忘れんといてや~!」と
言う彼女らは、いつか私の事を忘れても
何か壁にぶつかった時に
何かしら思い出してくれたら良いなぁと想っています。

仕事を終えたので、ほっとする気持ちもあるのですが、
ここまではどうしても生きていなきゃという
目標がなくなったのではないかと自分でも心配していたんです。

でも、彼らに「演奏会」という目標を見つけてもらえました!
頑張りたいと思います。
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Mocaさんへ (サバイバー)
2007-12-18 15:53:18
学校を去る日は、ほんと淋しいですね。
Mocaさんが一番よくわかってくださると思います。

実は大学を卒業する時、教師になって欲しいという
両親の願いを蹴ってまでもデザイナーになったのです。
それが良かったのか、悪かったのか…。
今になってはどちらが良かったのかわかりませんが、
いろんな経験を積んで
生徒と接するのは悪くないですね。

生徒たちに言われたようにしばらくは、
家族との充実した日々を送ろうと思います。
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ちるみさんへ (サバイバー)
2007-12-18 16:01:06
A君、昨日の後、他の生徒たちに私の事を
どうゆう風に伝えられたかわかりません。
でも、少なくとも先週、話せて良かったと思います。

彼にとっては、私のような患者は「ある意味羨ましい」のかも
しれないですが、何が彼をそうさせているのか
自分自身とちゃんと向き合って欲しいと思います。
彼は、下宿しながら部活動をしていたのですが、
その後、実家から学校に通うようにしたそうです。
ほんとに元気になって欲しいです。
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ゆうさんへ (サバイバー)
2007-12-18 16:09:15
初コメ、ありがとうございます!

この頃の子どもって、自分で何かを決めるのが
下手なような気がします。
誰かに頼ったり、何かに頼ったり…。
結局、自分で決めないので、
後々後悔する事が多いようです。
それで人のせいにしたり…。

最後に挨拶したクラスは、かなり個性的な子どもが多いんです。
だから「俺らが、先生を困らせたしか~?」と
心配してくれたりしました。
(今からじゃ、遅いって!笑)

だから、今後人並みの人生からかなりはみ出しもするだろうけど
真っ直ぐに自分の道を進んで行って欲しいです。

ゆうさん、今後ともよろしくお願い致します。
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