サバイバー日記

炎症性乳がんと告知されて6年間。多発転移しつつ、生きたサバイバーな日々の記録と家族の日記です。

肝転移消失

2007年10月02日 | 炎症性乳がん
 今日は朝7時に自宅を出発。
隣県のFS病院へ向かう。
血液検査~PET検査~診察~動注療法というメニューなので、ほぼ一日ががりだ。
PET検査の前に血液検査をするためには遅くとも8:30には病院に着かねばならない。
高速道路で急ぐ。
あぁ~、でも、眠い。
眠気が襲ってきた。
ガムでも食べるか?!と車に常備している眠気ざましのガムを噛む。
約1時間20分で病院に到着。

 あっ、!!やってしまった…。
PET検査なのにガムを噛むなんて…。
今回で14回目の検査なのに…。
なんて、素人的な間違い。
仕方ないので、受付のお姉さんに訳を話す。
「ひとつくらいでしたら、大丈夫ですよ。」
「あぁ…。そうですか。良かったわぁ~。」
と事なきを得たが、本当は二粒食べたのであった。

 とにかく、PETセンターの受付を済ませ、血液検査に向かう。
(あっ、やばい。今日は、新人だ。大丈夫だろうか?)
私の血管は細くてなかなか血液が採れない。

「いつも、手首か手の甲で採っているので、よろしくお願いしますね。」とお願いした。
その新人検査技師は私の手の甲を掴むと思い切りたたき出した。
「痛いですか?」
(そりゃ~、痛いやろ?)
「だ、大丈夫ですよ。」と我慢する。
すでに手の甲は赤くなっている。
血管を浮かびあがらせるためには必要な行為なのだが、こうも思い切りたたかれるとは思ってもいなかった。
たたく前に患者に了承を取れ~!!と小さく心の中で叫ぶ私。

 案の定、ねらいが定まってないまま手の甲に刺したものだから、刺した針でグリグリやり出した。
「痛いですか~?」と聞かれる。
「はい。」小さく答える。
技師はさらにグリグリする。
「痛いですか?」
「はい。」(当たり前だろ~?!)普通の声で答える。
「一回、抜いて良いですか?」
と言うので、すかさず「はい。」と答えた。
「針を刺してグリグリするのは痛いので止めてもらえますか?」と毅然と言った。
普通はここで他の人と代わるのだが、この技師は代わろうともしない。

またまた、ペンペンと手の甲をたたかれたので、
「とれないようなら手首にして下さい。」と私は言った。
「ええ、でも手の甲で(しましょう。)…。」
と、あくまでも自信があるようだっだ。

ややあって、やはり二度目の失敗。
「痛いですか?」
「はい。」
「痛いですか?」
「だから、痛いと言っているでしょ。」
痛くて涙が出た。
しかも、こんな若造の技師の前で涙が出る事が情けなかった。

 その後、技師は慌ててどこかに行ってしまった。
検査技師課長が出てきて、すばやく手首から採血した。
終わった後でその課長が「すいませんでした。」と言ったが、
その陰で作業しながら、顔を横をそむけたままの新人技師…。
消え入りそうな声で「すみません」とだけ言った。
謝るつもりだったら、ちゃんと謝れば良いのに…と、とても残念に思う。
きっと新人技師は(勝手に新人と決めつけているのだが…。)私は悪くないと思っているのだろう。
でも、患者はいつも我慢だけしているとは思わないで欲しい。
痛みが本当に堪える事だってあるのだ。

 9:00~12:30PET検査。
女性診療センターの受付をしてから病院内で昼食をとる。
今日は、「ソースかつ丼」を食べた。
13:30~診察。
PET検査の結果、肝転移が消失していた。
しかも、肺や副腎にあった小さな転移もなくなっている。
CEAも65,9→42.8→27.2(9/18)と減ってきている。
しかし、新たな、骨転移が二つ増えていた。
「でも、命にかかわる事でないから、これは少し様子をみましょう。」
とKドクターに言われる。
ヤッター!これで、命が伸びた。
この二ヶ月、動注療法をするためにリザーバーを作ったり、また埋め込み直したり、いろいろあった。
埋め込み直した翌日大出血した時はびっくりしたりもした。
「でも、良い結果で良かったですね~。」
とドクターや看護士の方に言われた。
(がんばってくれた、K先生たちのおかげです。
動注用の針も今日は目出度く一発で刺せた。
「ほんと、良かった~。」と私が言うと、
先生はいつもにも増してニコニコしている。
「本当は先生が一番良かったと思っているかも~?」と看護士さんが笑ってた。
私は肝転移が消失したのが嬉しくて、いつもより心を込めて「ありがとうございました。」
と言い、診察室を後にした。

 診察室を出て、予約をとる時に看護士さんに「先生、いつもお昼ご飯食べてるんですか?」と聞くと、
「いつもお昼抜きで、先生はひからびていくんです~。」と無責任にケラケラ笑っていた。
「えぇ~!!先生、大丈夫なんですか?」
確かにこの5年、先生は確実にひからびていっているかもしれない…。
私たち乳ガン患者にとっては、先生が病気になったら困る。
先生、ちゃんと、食べてね!