リセット 垣谷美雨

垣谷美雨氏の作品を読むのも「老後の資金がありません」「農ガール。農ライフ」「七十歳死亡法案、

可決」に続いて４作目です。垣谷氏お得意のif小説ですが、アラフィフ世代女性の男社会に対する恨み

つらーみ、愚痴も次々に飛び出し阿鼻叫喚！若い世代の男性では家事も育児も普通にこなす世の中にな

りつつあるように感じますが、５０、６０歳以上ですと身につまされる内容でしょう。女性よりも男性

が読む方が相当に堪えると思います。


私には姉がいて、小学１、２年生の頃には家事も強制的にさせられていました（当時の4歳上は逆らえ

ません）。自営業で毎日忙しい父は母と共に家事もこなしていたので「ご飯がかたい」だの「味噌汁が

濃い」だの小学１、２年の頃によく怒られたのを覚えています。今家事は奥さんが中心ですが、私の感

覚に女性がやるのが当たり前というものが存在しません。仕事をしていても女性が上役であろうと、年

下が上司でも全く苦手意識（出来る人が理想ですが）がありませんので、本作に出てくるエピソードに

は違和感もあります。それでも巻末・著者インタビューで垣谷氏の本作にかける思いを読んで納得しま

した。


勿論今の日本での女性の立場は男性に比べて相対的に低いと思えます。平等社会を標榜しているくらい

ですから当然です。国にとって重要なことは「国民の幸福」だということを政治家に強く言いたい。


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