よしーの世界

好きな神社仏閣巡り、音楽、本、アートイベント情報を中心にアップします。

ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年米加独映画)

2021-08-08 09:50:42 | 日記
ズイブン久しぶりに観ましたがアメリカでは、こういう映画が製作され、興行的にも成功していること

に驚かされます。マイケル・ムーア監督の撮影は強引に見えますが、カメラが回っているとチャールト

ン・ヘストンもアメリカ第2の大手スーパーマーケットKmartも真摯に対応せずにはいられません。悪

名高い全米ライフル協会の当時の会長チャールトン・ヘストンの自宅の大きさには愕然として、貧困地

域の映像とあまりにも対照的に映りました。


アメリカの銃犯罪の多さは際立っていますが、例えばカナダと比較すると銃の普及率はカナダの方が高

い、何故アメリカの方が極端に銃による犯罪が多いのか?本作ではアメリカ先住民族への迫害、黒人奴

隷への差別から、その復讐に対する恐怖が銃所持を容認し、さらに黒人やヒスパニック系に対する偏見

が彼らを犯罪者として見るというテレビ等の扱いがこれを増幅するという結論を導き出しています。


この映画から20年近く経ちますが、アメリカ社会の分断はよりはっきりとして、白人の人口減少が彼

らの影響力低下を恐れさせています。そして未だに銃犯罪は起き続けていますが、銃規制に対して激し

く抵抗しているのが現状です。この映画のマイケル・ムーアはとても論理的に問題に向き合っていると

思いますが、既得権益を守ろうとする力は本当に強い。
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貧乏お嬢さま、古書店へ行く  リース・ボウエン

2021-08-08 08:17:20 | 
1930年代初頭(ヒトラーの台頭期)ロンドンに住む侯爵令嬢ジョージー(王位継承権34番目)は訳あって

大きな館で貧乏暮らしをしているが、王妃からドイツ・バイエルンの王女の世話をするように言い渡される。

ジョージーは生活の為に令嬢ながらメイドの仕事を請け負っているのだ。当然王女の世話をする費用もなけ

ればメイドも居ない。貴族ではない母方の祖父に相談に訪れると、なんと!祖父が執事役を引き受け、近所

の知り合いのおばあさんが料理人役になってくれるという。


何とか体裁を整え迎えたバイエルンの王女は美しいがアメリカ映画好きで変な英語を話し、行く先々で事件

が巻き起こる。ジョージーは王妃の命令で捜査に乗り出すが、警察に自身の関与まで疑われる始末。イギリ

ス王室の内情と日々の生活、宮殿の様子まで描かれていて興味津々。第二次世界大戦前のヨーロッパの実情

も盛り込まれ事件は大きく展開する。


侯爵令嬢で超貧乏なジョージーは若く美しいがそそっかしく真面目で、主人公として魅力的だ。捜査に当た

っては地味な現場優先主義で非常に粘り強い。孫娘を心配する元警察官の祖父がとても良く、事件の動機も

胸にすとんと落ちるもので、作家の構成が見事、構想段階ですでに成功を収めている。次作も読んでみたい。


このブログをアップしてからアマゾンを見たら、このシリーズは大ベストセラーで毎年刊行されているので

すね(知りませんでした)。そしてアマゾン・レヴューで邦題と表紙絵が内容と合わずにオカシイとありま

したが、私も購入する時に躊躇しました。でもコロナで遠出もしにくい今年の夏は家で読むのにお勧めです。


貧乏お嬢さま、古書店へ行く       リース・ボウエン     原書房 ❘ コージーブックス
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