一流ビジネスマンが実践している 「大人の雑談力」 3つのポイント
PHP Biz Online 衆知(THE21) 5月23日(木)12時30分配信
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一流ビジネスマンが実践している 「大人の雑談力」 3つのポイント
『THE21』 6月号
『THE21』6月号の[総力特集]誰とでも無理なく話せる「大人の雑談力」(第1部)では、各界で活躍する8名の方々にそれぞれの「雑談力」について語ってもらった。(下記参照)
ここでは、そのお話から学んで「大人の雑談力」を身につけていくために重要なポイントをまとめた。
これを道標として、“1つ上の雑談力”をめざそう!
◆大人の雑談力(1)◆ まず「他者」に関心を向ける
さまざまな分野で活躍する達人たちだが、その雑談には大きく共通する特徴があった。その1つが「他者志向」であるということ。
「沈黙が気まずい」「こんな話をしたら、相手から馬鹿にされないか」……そんな気持ちから、雑談があまり得意ではない、という人も多いだろう。しかし、冷静に見つめ直してみると、それは自分のことばかりが気になっている状態であり、相手への視点が欠けていることに気づくのではないだろうか。
達人たちは違う。“スーツ販売のカリスマ”〔株〕AOKI常務の町田豊隆氏が「雑談の主導権はお客様が握っている」と語るように、できる人たちが雑談するとき、その念頭にはつねに他者がある。ジャーナリストの田原総一朗氏が「自分の失敗談から話す」というのも、緊張する相手を思いやってのこと。クリエイティブ・ディレクターとして活躍する山本高史氏の言う「自分と他者の経験を重ね合わせる」という視点も、「他者志向」があってこそ獲得できるものだろ
う。
「何を話したらいいだろう」と思い悩むのではなく、「この人とどんな話ができるだろう」と重心を目の前の相手に移してみる。精神科医の名越康文先生は『質問の天使』という言葉で表現していたが、相手の主体性を活かそうと意識することで、それまでとは違った質の雑談ができるようになるはずだ。
◆大人の雑談力(2)◆ 自分から能動的に動く
もう1つ、達人たちの雑談に共通する特徴を挙げるとすれば、それは「能動的」であるということだ。
雑談は、あらかじめ行なうと決められているものではない。日常の合間に突発的に生じるものだ。だからこそ、多くの人はなんとなくやり過ごしてしまうのだが、達人たちは決してそうではない。
史上最年少で東証一部上場を果たした〔株〕リブセンス社長の村上太一氏は、「ブログやSNSをチェックして、相手がどんな本を読んでいるか知っておく」と語っていた。明治大学の齋藤孝先生もまた、「普段から周囲の人が関心を持っている事柄を押さえておいて、“鉄板ネタ”を準備しておく」ことを勧めている。雑談という突発的な会話についても能動的な準備をしているからこそ、彼らは充実した雑談ができるのだ。
もちろん、ただ準備をするだけでなく、自ら行動を起こす点も大切だ。横浜市長の林文子氏は、庁舎ですれ違う職員に声を掛けて、積極的に雑談をしているという。「相手が歩み寄ってこないのであれば自分から歩み寄る」。この姿勢があるからこそ、「意味のある雑談」が可能になるのだ。
◆大人の雑談力(3)◆ より長い視点で考える
齋藤孝先生は、「雑談はその場の“空気”を作り出すもの」だと解説してくれた。アサヒグループホールディングス〔株〕の泉谷直木社長は、経営における同様の事柄を「風土」という言葉
で表現している。目には見えないけれど、そこにたしかに存在し、知らず知らずのうちに大きな影響をおよぼす……雑談は、そうした重要なものに関わる営みなのだ。
しかし、会社の風土が一朝一夕で形成されるものでないことは言うまでもない。雑談が場の
空気を変え、その会社の風土を作り上げるには、ある程度の時間がかかるだろう。
しかし、すぐに目に見える効果が現われないからといって、諦めてはいけない。林文子氏が、横浜市の職員たちの意識を変えるために「余計なこと」を言い続けたように、きっと芽が出ると信じてやり続けることが大切なのだ。
漢方薬を飲み続けることで体質が変わっていくように、雑談もやり続けることで、自分の行動や周りの人たちの反応は必ず変わってくる。雑談という時間的にはわずかな行為を、より長い視点で捉え直すことが、「大人の雑談力」を身につけるには必要なのである。
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一流ビジネスマンが実践している 「大人の雑談力」 3つのポイント
「できる人」は、雑談を決して無駄にしない!
☆総力特集「大人の雑談力」に登場する執筆者とテーマ☆
◇ 齋藤孝(明治大学文学部教授/写真:上段左)
・「雑談」こそ、最強のビジネススキルである
◇ 泉谷直木(アサヒグループホールディングス〔株〕社長/写真:上段中)
・どんな話題にも興味を持ち、素直に感心する
◇ 村上太一(〔株〕リブセンス社長/写真:上段右)
・自分をオープンにしてきっかけを提供する
◇ 林 文子(横浜市長/写真:中段左)
・「相談」のかたちで「雑談」をもちかける
◇ 町田豊隆(〔株〕AOKl常務執行役員/写真:中段中)
・「その人ならではの憤報」で話を膨らませる
◇ 名越康文(精神科医/写真:中段右)
・「結論」を急いで相手の話の腰を折らない
◇ 山本高史(関西大学社会学部教授/写真:下段左)
・「拾った情報」ではなく「考えた情報」を使う
◇ 田原総一朗(ジャーナリスト/写真:下段中)
・田原総一朗が語る「達人の雑談術」
ぜひ、お手にとってご覧ください。