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自分へ あなたへ

結局、企業で最後に生き残る人たち

2012-10-14 13:20:10 | Weblog

結局、企業で最後に生き残る人たち

日経ウーマンオンライン(日経ウーマン) 9月13日(木)18時1分配信

酸いも甘いも知りつくした“人たらし”

 ある30代半ばのサラリーマンいわく、「一番仕事ができるのは、聞き上手だ。若い頃は何でも知っている人間が優秀だと思っていたけど、この歳になると人の意見を引き出してみんなで共有できる人がすごいと思えるようになってきた」そうです。

 若いときというのは社会経験が少ないこともあり、とにかく「何でも1人でできる人間になろう」と思ってしまいます。

 よく言えば「向上心」、悪く言えば「自己顕示欲」が強くなりがちなのです。

 しかし、精神的に成熟した人、たとえば大きな会社で役員を務めるような人の多くは「えっ、何それ教えて下さいよ」と、相手が年下だろうが何だろうが関係なく言える腰の低さがあります。

 まさに人の意見を上手に引き出すのがうまいのです。

 聞かれた方も嬉しいですから、「それはですね……」なんて饒舌に語りだし、話を聞いてもらえたことがまたモチベーションになったりします。

 女たらしならぬ“人たらし”というか、その辺のバランスが絶妙なのです。

抜けてるくらいが取っつきやすい

 スポーツの世界もビジネスの世界も、優秀なプレイヤーが必ずしもいいコーチや監督になれるかと言えば、そうではありません。往々にしていいプレイヤー だった人は職人気質なところや天才的なセンスがあるので、指導者の立場にまわると、妥協を許さなかったり、言葉でうまく説明できなかったりします。

 そうなると、ついていける人がいなくなってしまうのです。

 漫画『島耕作』(講談社)シリーズの主人公島耕作は課長からはじまり、ついに社長まで出世しました。

 が、彼は仕事がズバ抜けてできるかと言ったらそういうわけではありません。

 何度もピンチに陥って、そのたびに付き合っている女性に助けてもらうというヒーロー性はゼロの出世方法なのです。

 ただ、現実の世界を見てみても、人望を集めるのは島耕作のようなちょっとスキのある人だったりします。

 仕事でもプライベートでも、自己開示が上手な人は自分のマイナス面をうまく表現しますが、それは弱みを見せることで相手との距離を縮められるからです。

 『ワンピース』作者の尾田栄一郎氏がコミックスの中で「なぜルフィはとても弱そうなゴムの能力者にしたのでしょうか?」という読者の質問に、「答えは簡 単です。一番ふざけた能力を選んだのです」と答えています。“かっこよくて完璧な主人公ではなく、どんな場面でもふざけてくれる主人公だったから、長く付 き合うことができている”。やはり、少し抜けているくらいが取っつきやすいということでしょう。

プライドと完璧主義

 人はつい「理想の上司」、「理想の親」、「理想の部下」といった完璧なイメージを描こうとしてしまいます。

 たとえば男性の場合、「上司とは感情を見せず、的確な指示を出して部下を従わせるものだ」というイメージを抱きがちですが、そうではありません。

 本当のことを言えば、感情を見せられない、本音を言えないというのは部下に対して臆病になっているからです。

 「自分は上司だ」というプライドや、「裏で何を言われるかわからない」といった不安が邪魔をしています。

 しかし、冒頭に紹介した“人たらし”の例を見てみても、最終的に組織の中で勝ち残る人というのは「自分らしさ」にいい意味でも悪い意味でもこだわらない人です。

 何度もお伝えしてきたことですが、自分というのは役割や環境によってどんどん変わっていくものです。たとえば女性が母親になると雰囲気が変わるのと同じです。

 変なプライドを持たず、どうしたら人が自分と接しやすくなるか、相手の視点で考えてみてください。

 「自分」という殻に閉じこもるのは誰のためにもなりません。

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特定の人としかうまく付き合えないのは、
結局、あなたの心が冷めているからだ
五百田達成
堀田秀吾
クロスメディア・パブリッシング

「人見知り」「友だちが少ない」「人とうまくコミュニケーションが取れない」「旦那(嫁)が自分のことをわかってくれない」。そうした人間関係の悩みは、 あなたの性格だけが原因ではありません。何よりも問題の根本にあるのは、結局、あなたの心が冷めているからなのです。反対のことを言えば、心を温めれば、 あなたの人間関係は解決されるのです。仕事に、マネジメントに、子育てに、恋愛に、友人関係に、飲み会の小ネタに、あらゆる人間関係の悩みに使える本で す。


五百田達成
東京大学卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て独立。「コミュニケーション」「恋愛・結婚・仕事」「生活者心理」「社会変化と男女関係」 をテーマに執筆や講演を行う。“日本一女心のわかる男"として、働く女性や職場で女性との接し方に悩む男性などから多くの支持を集めている。

堀田秀吾(ほった・しゅうご)
明治大学教授。シカゴ大学言語学部博士課程修了。ロックと空手を愛する異色の言語学者。学内では研究者らしからぬ熱血指導が支持され、「明治一受けたい授 業」に選出されるなど、学生からの信頼も厚い。言語学、法学、社会心理学などの様々な学問分野を融合した研究法に定評があり、コミュニケーション心理の研 究を行う。