もう40年近く前に大阪で家賃8千円、三畳一間のアパートに住んでいた
住人のほとんどは学生の単身世帯で20人近くが住んでいた。
ある日、僕の部屋のドアを誰かコンコンと叩くので出てみるとNHKの集金の人だった
「NHKでーすぅ♪受信料払ってくれまへんか?」
「お金が無い」
と断ろうとしたら
「国民の義務やんか、払うて貰うでぇー」
と言うので
ノミの様に気の小さかった僕はその時、受信料を払ってしまった
そうしたら毎月その集金人が部屋に受信料を取りにくるようになった
「こらっ!払わんかい!」
「なめとんのかい!わしゃNHKの集金人やぞ」
「すいません、もう飯食う銭も無いんですよー」
「なに!こらっ金が無いやとーどっかで借りて工面せぇ~」
それこそ、高利の借金取りのようにまくし立てた
そこで僕はふと思い当たった
「アパートの他の部屋の人は払っているんですか?」
と聞くと
・・・
「誰、、、も!払うて無い」
「お前んとこはいっぺん払うて契約が成立してるんや、分かるか?」
「そやからこれはお前の借金やから絶対に払わんとあかんもんなんや」
その集金人はもう他の部屋には受信料の契約活動は一切やらずただ僕の部屋の集金だけにアパートに来るようになった
昔々の事を今日ふと思い出した